2020年4月17日金曜日

10万円給付の話

(フェースブックにも同じ内容を投稿してま)

10万円給付の話ですが、景気刺激策として効果があるか否かは「その10万円が、その人(あるいは家計)にとって、『追加的な』支出につながるかどうか」にかかってきますよね。たとえば、今回の騒動で所得が減り、食うや食わずになっている人からすれば、「この10万円がなければしなかった」消費に向かうでしょう。牛丼屋さんでおしんこを追加するとか、暇つぶしの本を買うとか、なんでもいいんですけど。なので、ある程度以上の余裕がある人に支給しても、あまり意味はないわけです。もちろん、消費性向を事前に知ることは難しいですし、線引きもしにくいうえに、線引きしても手続きが煩雑になる(30万円の話を見ればわかる)ので、実行できるかどうかは別の話ではありますが、理屈はそうです。消費に回すためには、ま、商品券ですよね。都会であれば、地域限定商品券にするのがなおいいのですが、これも、田舎だと難しいという話が出ることは明らかで、だとすると、Eコマースとの組み合わせが望ましいという話になるのでしょうが、そうすると「お年寄りはどうするんだ」とい議論になって収集がつかなくなることも目に見えてますが。

むろん、今回の10万円の話は政治の話なのであって、ということは、景気刺激策ではなくて社会福祉政策ですよね。この場合、このおカネや貯蓄に回ってもいいわけです。というのも、10万円貯金が増えるということで、精神的な余裕が増えるというだけでも、このご時勢、ありがたいでしょう。なるほど、所得が減ってもまだ家計黒字(貯蓄ができる)人にとっては、この10万円は貯蓄が増えるだけでしょうし、赤字になっていない人でも、今回の件でいかに貯蓄が大切かが身に染みたでしょうから、10万円の相当分が貯蓄に回る可能性も否定できません。というのも、人間、生きていかなくてはいけませんから、この10万円があってもなくても、生きていくだけの支出はしているはずだからです。

結局、外出自粛で困っているのは売上がなくなっている事業者と、その事業者から給与を受け取っている人たちなわけで(事業者間取引という意味でも、結局、売り上げが減るので同じと定義しましょう)、これを助けてあげるためには、事業者に売り上げという形で直接おカネを流すしかないんですよね。

不動産オーナーに賃料減額を要請すると、今度は不動産オーナーの側で売り上げが減って、そこの従業員どうするんだという議論になるわけで。不動産持っているひとは金持ち=悪者って、農地改革のときの議論じゃないんだから、と思ったりもしますが、結構、海外でも似たような議論がありますけどね

2020年3月21日土曜日

昔の巨人はよかった

巨人をダメにしたのはだれか。

巨人がダメなのかどうかは意見が分かれるのかもしれませんが、生え抜きがすっげー活躍して、外国人がそれを支えるという藤田監督の時代へのノスタルジアがあると、なんか悲しいですよね。

で、どこから間違ったのかといえば、長嶋監督が落合を欲しがったことに起因するのでしょう、間違いなく。そりゃ、松井を育てるためにはああいう選手が目の前にいることが必要だったというのは分かるのですが、活躍しなくなったら他球団に放出することが前提の選手をとるというのは、このときから加速したように思います。

また、他球団でできあがった外国人をとってくるのも、確かに、昔はシピンがいましたが、安直すぎて巨人っぽくないですよね。マルチネス、メイ、ペタジーニ、ラミレス…。なんだかなぁー。

2015年10月4日日曜日

中畑監督の辞任

昭和56年に藤田監督が就任したとき、中畑選手はサードで、ルーキーだった原選手はセカンドだった。中畑選手がケガをし、空いたサードに原選手が回り、空いたセカンドに(守備面では本職の)篠塚選手が来たところ、篠塚選手が打ちまくり、阪神の藤田平選手と首位打者争いをするまでになったので、中畑選手のケガが治ったときにサードに戻るという選択肢がなく、山本功二選手と、大洋から来た(すでに2000本安打を達成していた)松原選手との併用だったファーストに回ることになった。藤田監督の3年間は、優勝(日本一)、2位(中日が優勝)、優勝(日本シリーズで西武に負け)だったわけですが、3年目の58年には槇原の初登板・初先発・初完封などもあり思いで深く、中畑選手はいつもいいところで打つ選手だったのを覚えています。あるとき、次打者が原選手で、テレビで見ていて「頼むからゲッツーはやめてくれ、次打者に回してくれ」と思っていたら、中畑選手がサヨナラ・ヒットを打ったりしたこともありました。また、平成元年の近鉄との3連敗4連勝のとき、すでに引退を決めていた中畑選手が第7戦でホームランを打ったのも昨日のように覚えています。

報道によれば、中畑さんがDeNAの監督を辞任する意思を固めたとき、球団側は遺留に努めたとか。「カネ勘定」という意味で考えれば、DeNAは優勝する必要がないチームなんでしょうし、人気のある監督がいてくれることで、関係者にとって宣伝効果は計りしれないものがあるんだろうと思います。

一方、日本に12人しかいないプロ野球チームの監督でなくなって、生活面とかの不安がまったくなかったのかしら?と心配になったりするのはこちらも齢をとったからかもしれません。確かに、今回、監督をしたことで、政界進出を試みたことによって着いた色は落ちたわけで、もともと人気のある選手でしたから、今後の不安はないのかもしれませんね。でも、定職があるのと、頼まれない限り仕事(収入)がないというのとでは、精神的な違いは大きいのでは?と、庶民としてはやはり少し心配にもなります。

思ったのは、勝負の世界で、結果を残せない人が「人気があるから」といって職にとどまると、本人にとってはよくても、組織にとってはよくないのだろうということで、もしかすると、中畑監督はそれを一番嫌ったのかもというものです。自分のことだけ考えれば、定職があるほうがいいのだろうし、また、来年優勝できないとは限らないわけで、そうしたらさらにいろいろと安泰ですよね。でも、結果に責任を取らないと、結果によって評価されるスポーツの世界にはいられないという判断だったのでしょうか。

世の中、カネは欲しいは、楽はしたいは、属している組織のモチベーションなんかどうでもいい、という人が多いように思われる中、すがすがしいと思いたいのは、あの時期の巨人を知っているからなのかもしれませんが。

2015年9月30日水曜日

リーダーシップならず「フォロワーシップ」

リーダーが多すぎるとなにも決まらないというのはお説ごもっとも。しかし、ここでいっているフォロワーは、単に、従順にリーダーについていくのではなく、組織内でリーダーを支援しながら、いざというときにはリーダーがしようとしている意思決定に公然と反対することも要求されるとのこと。最終的には、ものごとは弁証法的に解決されたほうがより強固になるのは当然なわけで、フォロワーからの批判を建設的に受けとめるのも、また、リーダーシップの一部ということなのでしょう。

社長がチャレンジしろといったら、公然と反旗を翻すべきということなんすかね?


2015年9月10日木曜日

どさくさに紛れて宣伝

プレジデント・オンラインに、キャッシュ・フロー計算書をちゃんと見ようとという趣旨の記事が出てました。

そこで、どさくさに紛れて

http://mba.nucba.ac.jp/research/publish/nagano_ryosuke/entry-1677.html

http://www.fusosha.co.jp/books/detail/9784594064051

昔書いた本の宣伝など。

2015年8月28日金曜日

デフォルトの是非

「カネ貸しにとって、債務者がデフォルトすることはよくないことである!」という声明の正否を問えば、たいていのひとは「正」と答えるでしょう。しかし、世界中で倒産法制があることから明らかなように、これは正ではありません。実際には、状況がにっちもさっちもいかなくなる前に、さっさとデフォルトしたほうがよいというのが正しく、これは、そもそもなぜ倒産法制があるのかを考えたことがあればすぐにわかる理屈のはずです。

もっとも、金融機関の人間でもこれを直感的に理解している人はほとんどいないので、理解してもらうのは大変なのですが。

FT紙に、米国の企業向け融資で、コベナンツ(財務上の特約)がゆるゆるになってきているというが出ています。いうにことかいて、コベナンツがゆるいほうがデフォルトが少ないとは、笑止千万なのですが、ま、そういうことをいう輩がいるのはわからなくはないと。

そういえば、一時期流行していたバンクローン投信って、どうなったんでしょう。