2011年4月27日水曜日

田中好子さん

 いままで、芸能人のかたが亡くなってここまで悲しくなったことはありませんでした。キャンディーズが解散したのも調べてみないと何年生のときだったか憶えていない(78年4月ってことは小学6年生になったばかり)のですが、おそらくは、8時だよ全員集合を見ていたからなのでしょう、こうやって考えると実はものすごく身近だったんだと気付きました。伊藤蘭さんは事件記者チャボでお美しいかただと思いましたし、藤村美樹さんは1曲だけだしたシングルが結構好きでしたが、でも、キャンディーズの中で一番(小学生ながらに)好きだったのはスーちゃんでした。

 また、今回は、ご自身の最期の言葉がインターネットで聴け、あの苦しそうな声に悲しくなり、さらにあの中身、また、弔辞、特に、藤村美樹さんの「私たちは永遠にキャンディーズ」というのも、たまらなく悲しくなりました。もっというと、日本人がなかなか使わない「愛してる」という表現、英語のI love youを訳したものと考えると、日本語の愛してるよりももっと深い意味があると思いますし、スーちゃんも、ミキちゃんも、ランちゃんも、英語のI love youだったのでしょう。

 なんの結論もない話で恐縮なのですが、さっきYouTubeで「微笑みがえし」を見ていたら涙がとまらなくなってしまって…。おっさんが気持ち悪いですね。すいません。

国債の格付けについて

 今問われているのは、財政状態そのものではないでしょう。なぜなら、それだけが問題なら、今頃とっくにトリプルBになっている(さすがにジャンクにはならない)からです。

 日本が財政的に行き詰っていることは皆分かっているものの「国債を国内の投資家が買い続けている間はデフォルトしない」という自己完結的な理屈だけでデフォルトしないことを所与とし、本質的なことに手を付けていないところが海外の格付け会社は(というか、私もですが)気に食わないわけです。

 ではなにをすべきなのか。本当の意味での政治主導っていうのは、こういうときに発揮されるのではないですか? 主導=リーダーシップですよね? でも、それがないから格付け屋さん達に攻撃されるのです。

 私自身は、国債の日銀引受を含めリフレ論者ですが、とにかく、なにもしないでいるうちになんとかなるという今の政府の姿勢自体が一番問題なんだと思いますよ。なにもしないことを責められるのではなくて、なにかしたことを責められるようになってほしいものです。もちろん、まっとうなことという前提付きですが…。経済学者が論争を起こすようなことを、しっかりとした信念をもってやり遂げる決意を持つ人がこの国を主導すべきなんです。(別に、現在の担当者が向いていないと申し上げているわけではないことは申し添えておきますが…)

2011年4月26日火曜日

東京電力…

 とある人から、東京電力が今後どのようになるかの見立てを尋ねられたので回答したのですが、せっかくなので…。

~東京電力の今後について~

 東電さん単体では、直接・間接の賠償金の支払いは無理だろうとは思っています。一方、賠償金を払えないから倒産するということが許されるはずもない。

 ということは、国が関与して、賠償金をしっかり払う仕組みをつくるということで、これは、どのような形であれ実質的には国有化だと思います。

 よくある議論で「東電は絶対に儲かるんだから長期的には賠償金負担はできる」というのがありますが、あれは消費者と資本主義を軽視した話であって、仮に 東電がずっと儲け続けられるんだとすると、そういう制度・枠組みだからであり、結局恣意的・政治的なものに過ぎません。米国のように独立系の発電会社がいくらもあったら地域独占の電力会社など要らないかもしれないわけで、議論の出発点が間違っています。電力会社が必ず儲かるのだとすると、それは、形を変えた税金に過ぎない(制度設計で税金に見えなくしているだけ)と思います。

 ですから、今後どうなるかは政治決着でしかありえなく、予想をしてもしょうが ないとは思いますが、ま、先送り、つまり、政府がとりあえず負担しておいて、あとは東電に利益を上げ続けさせて回収するという仕組みでしょう。どうあるべ きかではなくて、どうなるかの予想はここです。つまり、社債はデフォルトしないと。となると、完全な国有化はなく、せいぜい、優先株でしょう。普通株で希 薄させてもいいのですが、そうすると、国への配当金を増やすと一般投資家の配 当も増えるわけで、さすがにそれには抵抗はあります。上場は維持されるということでしょうね。

 言ってみれば、体のいい証券化ですね。アメリカのタバコ訴訟のときのように、 州政府への賠償金は長期分割払いだけれども、州政府はその受け取り権を証券化してしまって手前で受け取るというのがありましたが、それに近いことが起きるのでしょう。まずは政府(なり新しいなんちゃら機構)が負担しておいて、東電が時間をかけて返済すると。

 なお、なにがフェアかという意味で考えると、株主・債権者の負担はもっとどうどうと議論されるべきであり、社債の一部元本カットと利息の棚あげくらいは当然ではないかと思います。仮に東電に利益を上げ続けさせるのだとすると、関東地方の人だけが負担することになりますが、原発は国の問題でもあったわけで、 その失策を関東の人だけが負担することは公平ではありません。たとえば社債の10%カットで5000億円を捻出、また、利息の棚上げ分を新株にして既存株主を希薄化させる、くらいはすべきだと思います。

 繰り返しになりますが、これはもう政治の話なので、私が(特にクレジット系)市場のプロとかそういう問題ではなく、(増税による被害者への補償を含め)だれが負担するかというだけの話だと思います。社債権者が一定の負担をするのは当然だと思うのですが?

 なお、当然そのときには特別立法が必要ですね。東京電力更生法(あるいは、原子力事業者の更生手続きに関する法律)とかを作ればいいのですが、ま、政治主導というお題目が行動力につながるとは思っていません。