2013年12月30日月曜日

ディストレス債権投資(ヨーロッパ編)

US distress debt investors target Europe - http://www.ft.com/cms/0322d550-6f0b-11e3-9ac9-00144feabdc0.html

米国のディストレス債権投資家が、ヨーロッパで活動を活発化しているとか。昔は日本がそういう楽しい国だと思われていたのですけど。

2013年12月29日日曜日

「他人の助言を聞くな」という助言は自己矛盾ですが…

WSJ紙に「これまで聞いた最高の投資アドバイス」という22人の話が出てました。誰かが翻訳して、広めるべきだと思いますが、それはともかく、面白いです。

2013年12月28日土曜日

米国債利回り上昇

アメリカで10年債の利回りが3%を越えてきたみたいですね。FT紙WSJ紙も、景気の見通しがよくなってきているんだから当然じゃん、という論調のようです。

先日のFOMC後の声明を見る限り、雇用環境が悪化すればテーパリングは中断(金融緩和の終結作業の中断=緩和継続・巻き戻し)、雇用環境が好転んすればテーパリング継続ということで、要するに、FEDが景気≒株式市場の番人になることを宣言していると見るべきだと思っていまして、しばらく株は買い続けてもいいのかも、という気もしています。もちろん、景気が急激に悪化するとなにをしても無理というか、さらなる金融緩和は難しいので、手の打ちようがないというのはあるのですが。

2013年12月27日金曜日

資金調達は銀行でするか、持株会社でするか

Banks address ‘too big to fail’ question - http://www.ft.com/cms/df877896-6c7e-11e3-ad36-00144feabdc0.html

イギリスの銀行は、かつては米銀と異な持株会社方式でなかったので、この話は出なかったのですが、今や時代は変わったということですね。ただ、他の欧州諸国の銀行が引き続き親会社=銀行ですから、競争上どうよ、という気もいたしますが

韓国のプライベート・エクイティ

South Korea funds flourish as rivals fade - http://www.ft.com/cms/872ce12a-6631-11e3-aa10-00144feabdc0.html

日本でも日本のファンドが頑張っているとは思うのですが…。

次は保険会社?

"Insurers pose risk for next big crisis" http://feedly.com/k/1eGQBHO
保険会社は直接は決済機能を持っていないので、銀行ほどは破綻時の影響は大きくないのですが、結局、デリバティブやレポで金融セクターに組み込まれちゃうんすよね。

来年は証券化復活?

https://www.globalcreditportal.com/ratingsdirect/renderArticle.do?articleId=1230310&SctArtId=204231&from=CM&nsl_code=LM&sp_mid=26243&sp_rid=53700

株価も上がってきたし、世の中のリスク許容度も高まるといいですね、業界の末端にいる人間としては。

2013年12月26日木曜日

はずれることもあるので自慢にすらなりませんが…

4月のAERAに掲載されていた、今年の株式相場予想、このままだとほぼ当たったと言えそうです。ちなみに、以前も書きましたが、来年は2万円だと読んでまして、3月に1万8000円、6月に1万6000円、9月に1万8000円を回復して、年末に2万円ってところです。

2013年12月24日火曜日

米クレジット市場

US corporate bonds rally on Fed taper - http://www.ft.com/cms/8d9d7e02-6992-11e3-89ce-00144feabdc0.html

アメリカで社債のスプレッドが縮小しているようですね。景気の方向を考えれば当然なんでしょうけれど。

2013年12月21日土曜日

銀行のリスク移転取引

NYT紙のディールブック欄に出ていて気付いたのですが、米連邦準備制度理事会(いわゆるFEDですね)が、大銀行の「リスク移転取引」に懸念を表明しています。

連結対象ではなくてもスポンサーとなっている会社にリスクを移した場合は、「実際には自分がリスクかぶるんでしょ?」という話であって、これは会計ルールとは別の実質を見ると言う宣言なので、結構画期的なように思います。結局、エンロンとかもみなこの手の話なわけで…。会計的には「その手の先は連結しろ」という議論なのでしょうけれど、ここでは会計ルールとしてではなく、監督上の自己資本の考えかたですが、いずれにせよ、形式ではなく実態に踏み込もうというのはアメリカにしてはすごいなという感じでしょうか。

また、証券化等で行われるSPCへの売却についても、結構厳しい内容になっています。というのも、リスク・ウェイト100の資産を売却したら、8の資本が浮くというのは基本的な考えかたであって、要は、真正売買とかそういう議論になるわけですが、今回のFEDの関心は、「SPCの資本が(今の話であれば)8ないと、結局はその損失って、誰もかぶらないよね?」ということであって、その場合、SPCの資本と8との差は、再度銀行がかぶれといっているわけです。

これは、そもそものリスク・ウェイトが正しいのかという議論を避けてとおれないのですが、これが実現すれば、証券化が内在的に持っているキャピタル・アービトラージの議論を根本的に覆しますよね。

格付け会社のいがみあい

久しぶりに見ました。ムーディーズが「New Single Property CMBS Lacks Structural Protections for Aaa」(今度出る単一物件型CMBSは、案件構造が弱くてトリプルAは付けられない)というタイトルのレポートを出していますね。これまで、この手の話が出てくるときは、クロールとかモーニングスターといった新興のストラクチャード・ファイナンス格付け会社や、DBRSという、古参だけれどもメイン・ストリームとは言えない格付け会社を(実質的には)けなすケースが多かったように思いますが、今回は、フィッチS&PもトリプルAを付けているところがちょっと面白いです。

2013年12月18日水曜日

ロング・ショート

FTアルファビルに、ロング・ショート戦略のヘッジ・ファンドがたいしたことないというが出てますね。個人的には、きちんと分析すればいい会社と悪い会社はあるはずであって、その好さ・悪さを市場が見逃すこともあり得るとは思っていて、その意味ではロング・ショートは面白い戦略だとは思うのですが、一方で、基本的にはサルと同じという話を常日頃ことあるごとに書いたり言ったりしていることを考えれば、このような結果には納得しなくてはいけないのかもしれません。

1番最初の「所詮、マーケットと同じじゃん」というのは、おそらくレバレッジのファンクションであって、市場がいいときにはレバレッジが安い(簡単におカネが借りられる)ですし、そうでないときはタイトになるため、仮に、レバレッジ前の戦略的リターンは同じであっても、レバレッジのせいでリターンが変わってしまうのではないかと。であれば、基本的にはリーマン・ショック以降ブル・マーケットだったわけですから、説明は付きますよね。

2013年12月16日月曜日

米債務上限問題

'New GOP': More Hostage Threats - http://huff.to/1cKitao

アメリカで予算で妥協案まとまったようですが、債務上限とは関係ないわけで、来年2月以降、汗になりそうですね。

2013年12月15日日曜日

クック諸島

NYTimes: Cook Islands, a Paradise of Untouchable Assets http://nyti.ms/1fu4pCh

クック諸島の信託が面白いらしいです。お金持ちの人にしか関係ないんでしょうけれど。

2013年12月14日土曜日

ムーア・キャピタルとスキー・リゾート

ムーア・キャピタル「が」ではなく、ムーア・キャピタル「の人が」というところが凄いのですが、まるまるスキー・リゾートをひとつ買っちゃったそうです。

ベネズエラの格下げ

ベネズエラって、正式にはBolivarian Republic of Venezuelaで、ベネズエラ・ボリバル共和国なんですね。まだまだ知らないこと多いです…。

格下げ自体は政局と外貨準備が原因ということのようです。

2013年12月11日水曜日

血のつながりがないことは明らかだが…

性転換をした元女性が、結婚した女性の産んだ子を嫡出子と戸籍上分かるようにしろという裁判の結果が出たましたね。最初は「えっ」と思ったのですが、少し考えてみると、結論に賛成するかどうかはともかく、確かに理屈としては筋が通っているんでしょうね。

というのも、科学的に生殖能力のない夫であっても、今の制度であれば妻が産んだ子は嫡出子と推定されるわけで、(妻が産んだという点を証明するにはどうするかはともかくとして)ということは、たまたま、記録上元女性であることが残っているからといって、その夫が同じ扱いを受けないことはおかしいというのは分かるような気がします。最初は「養子にしろよ」と思ったのですが、もう少し根は深いんですよね。家族というのは、妻と夫が、妻の産んだ子を我が子として育てようとするから家族なんだっていうことなんでしょうけれど、そう考えると、重たいテーマなんですね。

ただ、「男女差別じゃないの」という感がまだ拭えておらず、明日、もう一度読み直してみようと思っています。

2013年12月9日月曜日

緑債券

グリーンなプロジェクトのための資金調達をする債券発行が流行っているという話がFT紙に出ていました。

どうせ「絶対にツブれない」と思って(それは事実ではありませんがそれはさておき)投資するのでしょうから、投資家から見て、別に勘定が分かれていようが分かれていまいが関係ないというか、デフォルトリスクには関係ないんだから、気分がよければいいんでしょ、ということですよね。それはそれで確かに正しいのですが、債券を売りやすくして、証券会社を儲けさせているだけのような。

グリーンだというなら、証券会社はそういう債券のマーケティングをする際には冷暖房をつかわないとか、車で移動しないとか、すればいいのに、そういうことをしないところが嫌なんですよね、口ばっかりで。

2013年12月7日土曜日

スマート・ベータと新株式指数

アクティブ運用は儲からないというのは私の信念ですし、多くの人が同意すると思います。一方、世の中にはアクティブ・マネージャーは沢山いて、自分たちことアルファを生み出されると思ってますよね。ま、そういう人たちがいるからこそ、平均としてのインデックスに意味があるわけであって、なので、インデックス運用がますます流行るということは言えます。

最近いわれているものに「スマート・ベータ」というのがあって、ベータの基がマーケット・キャピタリゼーション(いわゆるマーケット・キャップ、要するに、時価総額)加重の指数なのは実は正しくなく、そこをもっと賢く(=スマートに)やれば、儲かる(=リスクを上げずにリターンを上げられる、あるいは、リターンを犠牲にせずにリスクを下げられる)と主張する人たちが増えています。

FTアルファビルでは、スマート・ベータもアクティブのうちじゃん、という話を紹介していて、なるほどとも思うのですが、やはり、そもそもの指数自体がなにげに恣意的なので、どっちもどっちだよなぁーと言う気がします。で思い出したのが、日本の新指数JPX日経400で、私自身は非常に懐疑的というか、収益性とかそういう一見科学的だけれども所詮会計的なものであって目に見えない、つまり、すごく恣意的なものを指数の選定基準に入れることは反対であって、これって一種のスマート・ベータで、結局、誰かの商売道具なんだよなー、と思いました。

<追伸>
スマート・ベータは「ダム・ベータ+スマート・マーケティング」だという面白いコメントを見つけましたので、リンク貼っておきます。ダムというのはスマートの反対ですね。(ジム・キャリーの「ダム&ダマー」っていう映画がありましたよね。)

投資銀行とコモディティ

ドイツ銀行が、コモディティ取引事業を売却することが発表されていて、結構、業界の中では(業界の中だけでは)話題になっています。儲からないし、資本賦課は大きいし、という話なので理屈には合っているのでしょう。投資銀行の業務とは親和性があって、日本では商品先物=ブローカーなので、証券会社と同じように、若干(相当?)胡散臭い感じがありますが(それは正当化できないとは思うものの、たしかにそう思われてもしかたのない行動をする人・会社が多いことは否定できない)、自己ポジションで価格の動くものを取引するのは、いわば投資銀行のロマンであって、その意味ではコモディティも金融と同じなんですよね。

特に、我々の世代ですと、伝説のソロモン・ブラザーズ(興味がある人は、マイケル・ルイスの「ライアーズ・ポーカー」や「マネー・カルチャー」を読みましょう)が、コモディティ事業の大手ファイブロの子会社だったことを覚えているわけで、なんかコモディティが異端視されるのはちょっと寂しいです。

ま、日本では、ブローカーはブローカーでしかないんですけど。

2013年12月2日月曜日

UBSが市場から劣後債を買い戻すとか

残存が5年を切った劣後債をリファイナンスするか買い戻しできないかしら、というプロジェクトを当時の勤務先の某英系金融機関でやっていたことをふと思い出しました。

米国では、自己資本比率規制の変更が「諸般の事情の変更」だといって、米銀が劣後債(優先株だったかな?)を額面で償還しているというのがありましたが、この記事を見る限り、UBSは市場価格で買い戻すということのようですね。それはそれでありなんでしょう。

というので、某商社が、銀行から借りたおカネでディストレストになった自分の社債を市場から買い取り、償却して大儲けしていたという話も思い出しました。90年代末の話ですけれど。

CMBSの発行が増えているとか

"CMBS issuance at highest since crisis" http://feedly.com/k/1b6QAJc そろそろ、時期的にはそうですよね。不動産投資や不動産のリファイナンスそのものは悪くないわけで

2013年11月30日土曜日

へんな人たち

不動産担保があって、そこに、不動産価格の一定割合までの融資をするのであれば、それなりに安全です。

それなりに安全であることを利用して、その融資を信託して、証券化しました。証券化によって発行されるのは信託受益権です。

ところが、証券とか信託受益権という形では、投資ができない金融機関が存在します。「投資家」ではないというか、融資をするのが本業だとかいう理由のようです。

そのような金融機関のために、せっかく証券化して発行された信託受益権を再度信託し、その受託者が、信託された信託受益権を裏付け(≒担保)におカネを借ります。

なんか、へんな感じですよね。

http://www.moodys.co.jp/PDF/10000/PR_4263_P.pdf
http://www.moodys.co.jp/PDF/10000/PR_4261_P.pdf

銀行の長短ミスマッチとノンバンク

WSJ紙のHeard on the Streetコラムで、イェレン氏の議長就任に際してFEDが金融機関の長短ミスマッチに注目して追加的な資本賦課を検討する可能性が指摘されていて、一方、あまりにそこを厳格化すると、ヘッジ・ファンドとかが悪用するのではというのがあり、さらにそれに対して、じゃ、ヘアカット(担保掛目)を厳格にしようという議論があるようです。

長短ミスマッチは銀行の基本的な機能なのですが、確かに、それによって金融システムが瓦解することがあったら元も子もないので、資本賦課あたりが現実的な解決策なのは分かるような気がします。ノンバンクは、うーん、SIF指定で規制していく手もあるような気がする一方で、規制外であることが存在意義で、かつ、資本主義のダイナミズムでもあるわけで、一筋縄ではいかないんでしょうね。「一筋縄ではいかない」で終わらせてしまっていては、ただの評論家なのですが…。

代替リスク移転と再保険

FT紙のこの話を見ていて、10年ほど前「ART」という言葉がはやったのを思い出しました。クレジットとかストラクチャード・ファイナンスの世界はある程度確率の議論が重要ですし、リスクを移転したときのリスクの引き受け手のリスクというのも重要な論点なので、保険との親和性が高いからです。

ま、証券化(広義も狭義も)がどれだけ進んでも銀行はなくならないというのと同じで、代替再保険商品がどれだけ進んでも、記事にあるとおり、モデラブルなものだけというのはそうなんでしょうけれど、今後も注目かもしれませんね。

中小企業融資と当局

イギリスで某大銀行が融資先の中小企業の業況悪化を奇貨として、不動産を安価で手に入れていたという話が結構な騒ぎになっていますね。イギリスの金融行動監督機構(FCA:もっとましな訳はないのかしらん、とも思いますが)は、融資には管轄がいかないらしいですが、でも、憤慨しているんだそうです。で、問題となった銀行に対して、いろいろな説明を求めるだけでなく、他の銀行に対しても「中小企業融資で、あまりへんなことやってないよね?」というお尋ねのお手紙を出してます。

前も書いたかもしれませんが、某ファンド系銀行は、融資先のノンバンクを倒産に追い込み、あるいは、自ら倒産手続きを申し立てる一方で、それらノンバンクを再度自分のものにしようとするなどしていましたが、日本の当局がそのこと自体を非難したという話はなかったですよね。日本って、変なところで情緒的なのに、変なところでドライなので、正直、よくわかんないことも多いです。

LBO融資がジャンク債の発行で借り換えされているとか

Sponsors off the hook as junk market recycles boom-time LBOs | Capital City | IFRe

IFR誌の話ですが、ヨーロッパでもジャンク債市場が相当復活しているみたいですね。日本で資本市場が発展しないのはなぜかしら、といつも思いますし、一部の人はファンド組成で頑張っているみたいなのですが、なかなかだめですね。銀行が強すぎるのが原因なのか、銀行を強すぎるようにしている私たち投資家が問題なのか。

結局のところ、資産運用というものにたいする根本的な信頼感の欠如も少しは要因としてあって、投資=怪しい=まっとうな会社は近付かない、みたいなのがあるのかもしれませんね。銀行の貸付債権とかもっとファンド化されてもいいのですが、なかなかどうして。

2013年11月29日金曜日

オーストラリア政府が米企業による豪企業買収を認可せず

アメリカのADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)がオーストラリアの小麦取扱の大手業者グレインコープを買収しようとしていたのですが、豪政府がこれを認めず、グレインコープの株は大下がりしたみたいですね。豪東部の輸出に大きなシェアを占めているため、その会社を外国人が100%コントロールするのは国益に反するそうです。

一方、現在ADMはグレインコープの19.85%の株式を所有していて、これを増やさないようにすることもできたものの、上限の24.9%までは増やしてもいいですよとも言っています。外国人嫌いでないことを示したいのでしょうけれど、どうですかね。

オランダがトリプルAでなくなっている…

しまった、全然気づいていなかったというか、恥ずかしすぎますね、今頃知るなんて。

S&Pのリリースはこちらですが、ちょうど、こないだ出たこの本に、ヨーロッパ経済はオランダに注意と書いたばかりだったので、ちょっと「へへっ」という感じでしょうか。

円安再来?

ま、当然そう思いたい人はいるわな、というのがWSJ紙の記事を見た感想でしょうか。

私自身は、日本株に対してはそこそこ強気ですが、円はどうかなぁー。日銀とFEDの議論は分からなくはないのですが、日銀のさらなる緩和期待ってなによ、という感じでしょうか。

ま、確かにネガティブ金利導入というのはまったく否定できないわけではありませんが、さてどうなることやら。

2013年11月27日水曜日

BDCがリスキー投資ビークルとは

"Risky Investment Vehicle With High Yields Gains Prominence" http://dealbook.nytimes.com/2013/11/26/risky-investment-vehicle-with-high-yields-gains-prominence/

確かに、傍から見ればそうなのかもしれないとも思いますが、BDCもきちんと銘柄を選べばそれなりに良いと思うんですよね。十把一絡げはどうなのかなぁー。

カーライルがヘッジ・ファンド運営会社を買収

"Carlyle to Buy Investor in Hedge Funds" http://feedly.com/k/1idhB36 旧来からある投資運用会社のビジネスモデルにも一理あるということなんでしょうね。販売に手を出さなければ、運用ビジネスはリテールではないですもんね。

2013年11月25日月曜日

マイナス預金金利

US banks threaten to charge for deposits - http://www.ft.com/cms/b1d409d0-5399-11e3-b425-00144feabdc0.html

米国の民間銀行が、再度利下げがあったら、預金に保管料を課すと言っているとか。正直な分、日本よか健全な気がします。

2013年11月23日土曜日

社債取引所

ま、実際には取引所というほど凄いものではないのですが、米国で大手金融機関が社債取引のプラットフォームを作ろうという話がWSJ紙に出てました

あまり法律家の方には賛同いただけないようなのですが、価格の透明性というのは金融市場の健全性を保つ上では極めて重要なコンセプトであって、そのためには、本来、すべての取引は取引所でなされてもいいくらいではないかという極端な意見を持っている私としては、このような動きは歓迎されるものだと思っています。

ま、実際には日本の公社債価格みたいに、1日1回、言い訳のために価格が公表されるだけっていうふうになるのかもしれませんけれど。

新型Exchangeable Bonds

Sponsor enters exchangeable bond market | Top News | IFRe

IFR誌オンライン版でこんな記事を見つけました。日本でEB債と呼ばれているものは、もともとはExchangealbe Bondの略だったのでしょうが、海外のExchangeable Bondは本当の意味での他社株転換社債であって、投資家の側が、株価上昇を追随できるというものです。

この記事で紹介されている債券の面白いところは、債券を発行するのがSPCで、償還原資が株しかないことなんですね。簡単に言えば、株価100円のときに転換価格130円で1株に転換できる債券を発行、ただ、SPCは2株を保有しているというものです。償還日までに転換されなかったら(株価が上がらなかったら)、SPCが保有している株式を売却して償還するしかないのですが、この計算で言えば、株価が50円を下回ったら元本が毀損するというものです。

上値があるという意味では日本のEB債とは明らかに異なる商品性ですが、誰も返済に責任と持たないという点がポイントなわけです。発行に関与しているのはプライベート・エクイティ投資会社で、投資先が上場した後でまだ手元に残っている株を、適宜処分するのに有効だということのようです。半分とは言え、すぐにおカネが入るのが魅力ということですね。

2013年11月19日火曜日

外為スキャンダルの話

UK foreign exchange probe turns personal - http://www.ft.com/cms/8d9c9dc2-5081-11e3-9f0d-00144feabdc0.html

外為スキャンダルの話で、ディーラーが個人でも儲けてたという話があるようですね。罪悪感のなさは、マイナス材料とは限らないような気もしないでもないですが(刑法的にはどうなのかしら)

2013年11月18日月曜日

コメント掲載誌がネットに(またまた宣伝で恐縮ですが)

先週のAERAに個人向け国債変動10年についてのコメントが掲載されていたのですが、ネットに登場したので、恥知らずに宣伝しますです…。

ちなみに(言い訳ですが)、雑誌のほうはこのあと別の方のコメントも掲載されていて、金利が上がらなかった場合のリスクや、金利が下がってもキャピタル・ゲインが取れないリスクについて触れられています。

2013年11月16日土曜日

機を見るに敏(アメリカの話ですが)

ニュースを見ていたら、ブラックストーンが、米国の一戸建て住宅を投資目的で取得しようとする人たちに対する「融資」を始めることが出てました。

ブラックストーン自身が同セクターの投資家でもあって、証券化に際してS&Pとフィッチは格付けしないわ、モーニングスターとクロールは格付けするわけで話題になっていることは以前ご紹介したとおりなのですが、融資プログラムの立ち上げとはさすがです。

言ってみれば、KKR、カーライル、ブラックストーン、いずれもクレジット投資部門がそれなりにでかいですし、エリーズなんかはプライベート・エクイティよりもクレジット投資部門のほうが知れていたりしたわけですから、投資もする、融資もするというのは不思議な話ではないのですが、ま、すごいですね。こういうところ(まず得意分野を作って、そこから派生するビジネスを着実に進めていく)は、見習いたいものです。

クレジット・アナリスト

日本の中小証券会社は、仕組債(外債でもいいですけど)をやたらと個人とかセミプロ(ま、金商法上はアマなんでしょうけれど、金額がでかい)に販売しているわけですが、当然、発行体には信用リスクがありますよね。

で、たいていの証券会社は調査センターとか調査部とかがあって株の分析レポートを発行しているわけですが、クレジットのアナリストがいないのはなんでなんですかね? 株価が上がったり下がったりするのと同じように市場が判断する信用度も上下しますし、株価のファンダメンタルズ分析と同じように、クレジットもファンダメンタルズ分析必要なんですけどね。

英語だから? というのが結論だったりして…

アメリカの大手金融機関の格付け

ムーディーズが米大手金融機関の格付けをいろいろといじっていますね。

バンカメ 持ち株会社Baa2のまま 銀行A3からA2に〝格上げ〟
シティ 同上
ゴールドマン A3からBaa1に格下げ
モルガンスタンレー Baa1からBaa2に格下げ
JP 持ち株会社A2からA3 銀行シニアはAa3のまま、劣後はA1からA2

ま、別にいいんですけど…。

2013年11月12日火曜日

ミドル・リスク、ミドル・リターン

今朝の新聞に、某銀行がバンク・ローン投信を提供し始めるという話が出てましたね。債務者が投機的格付けなので、これまでは個人向け勧誘は控えてきたけれども、ミドル・リスク、ミドル・リターンの商品が市場に必要だから導入を決意したという美談仕立てになってました。

じゃ、これまで販売していたジャンク・ボンド(ハイ・イールド債)投信ってなんなの?って思いませんか?

ミドル・リスク、ミドル・リターンという性格付けにも疑問ですけれど。

2013年11月11日月曜日

証券化と格付け

格付けって、順番付けでもあるのですが、トリプルAを付けない場合というのは、一定の割合でデフォルトが起きてくれないと、格付け会社の側でも格好が悪いわけです。たいていの会社はデフォルトしないので、そうなると、トリプルAじゃないというのは格付け間違っていたということになりかねないわけですが、そこを確率という話で逃げるわけですね。

という話を、ムーディーズが今日発表していた日本のRMBS格付け手法というレポートを見ていてふと思い出しました。32ページに「想定デフォルト率」「想定損失率」(「理想的な」という意味の英単語が使ってありますが、実際には想定ぐらいの意味です)の表が出ているのですが、これに合わせて格付けをしているんですよね。たとえば、Aaaは10年で1万件に1件ぐらいデフォルトが出る(この場合は「出てもしょうがない」)という感じですし、Baa3だと、100件に6件ぐらいはデフォルトしてくれないと、こんな低い格付けを付ける意味がないということになるわけです。

バンクローン投信の元

Wall Street feeds the ravenous debt beast again - http://www.ft.com/cms/s/0/281b36f6-4637-11e3-9487-00144feabdc0.html

アメリカでレバレッジド・バイ・アウトが再度流行り始め、投機的格付け企業の信用度に懸念が高まっているという話。私自身は、上手な人がきちんと見ている限り、この資産クラスは相応に安全だと思ってますが、投信って、基本的にはなんでも食うんですよね。

バンクローン投信を勧誘している人、されている人、誰もこんなニュース見てないんだろうなぁー、と思う今日この頃。

ABSが溶けていく?

Ex-Moody’s staff raise alarm over ABS - http://www.ft.com/cms/6b8cfc2c-4861-11e3-a3ef-00144feabdc0.html

証券化ではデリバティブ契約が不可欠なのですが、その相手となっている金融機関がデフォルトしたらどうなるか?という懸念がクローズアップされているそうです。

2013年11月9日土曜日

イギリスのサラ金問題

イギリスで、サラ金が政治問題化して大変なことになっています。

ただ、このコラムが指摘するように、問題は業者ではなくて、利用者であり社会の側にあるというのは正しい分析だと思っています。日本では、政治問題になる前に社会問題となり、立法ではなくて司法が先導することになりましたが、政治問題化したことは健全なのかもしれません。

もっとも、食品虚偽表示とか、マスコミが先導して煽動し、政治問題かするのが健全化どうかはよく分からないし、どちらがいいとは言えないんですかね。

ルールというのは社会のあり方ともつながっていますから比較は難しいですね。法律上は簡単なのに自己破産をよしとしない自己規律を持っている人が多い日本と、そうでない西欧とはルールが異なっても然るべきなような気がしますし、一方で、講学上は「資本主義は資本主義でしょ」という正論もありうるわけで。

ちょうど、銀行と中小企業との関係を、法律上は対等だからといって杓子定規に判断してしまうのと同じなのかもしれませんね。

恥知らずな自己宣伝

今朝の日経朝刊の1面に広告をしていただいたおかげで、拙著「新版 プロが絶対買わない金融商品」がアマゾンの「一般・投資読み物」部門で1位になりました!!!

一瞬なのでしょうけれど、ちょっと嬉しいです。

バブル(自分のカネじゃないし)

「バブルを見つけるのは簡単だが、バブルがいつはじけるのかを当てるのは不可能だ」という話がFT紙のコラムに出てました。量的緩和のテーパリングについてコメントなのですが、資産価格が先に上昇したあとで、長期平均に戻っていくというのがバンク・オブ・イングランドの見立てで「そりゃそうだわな」という結論です。

結局、バブルを指摘しても、バブルで儲けている人がいる間はCrying "Wolf"でしかないわけで、どちらが得かというと、長期的には間違っている人のほうがサラリーマンとしては正しい態度ですよね。自分のカネを賭けている真の投資家はまた別なのですが、世の中にはそんな人はたくさんはいないわけです。

日本の国債の利回りの話とか思い出しちゃいますよね。

変動利付米国債

NYタイムズ紙のディールブック・コラムに面白いが出てました。

アメリカが来年から2年の変動利付国債を発行することにしていて、利率は「13週間(4分の1年ですね)の短期米国債利回り+スプレッド」になるのですが、このスプレッドがどのくらいになるかしら?というのはどう考えるべきなのでしょう。

資金が2年寝るのだから、いつでも抜けられる13週間国債と比較するとスプレッドがあるほうが自然だというのが、「金利は右上がりが当然」説から導かれると思うのですが、このコラムの筆者はそこにはあまりこだわりがないようで、13週間国債と同じことなんだからスプレッドはゼロでいいじゃんという意見のようですね。あるいは、買い替えの必要がないからスプレッドはネガティブでもいいと。

ただ、実際には、アメリカ政府がデフォルトしないわけではないというのが共和党側が下院の過半巣を握っている限り…ということなのでというのがオチなのですけれど。

2013年11月8日金曜日

フランスの格下げについて

報道されているとおり、S&PがフランスをAA+(上から2番目)からAA(上から3番目)に格下げしてまして、要するに、財政再建のために増税をするだけだと柔軟性がなくなるので、ちゃんと歳出削減もしなきゃダメよんという話のようですね。

日本はAA-(上から4番目)なので、もう少しですね。

一戸建て賃貸住宅証券化が人気だとか

US rentals sliced and diced into new asset - http://www.ft.com/cms/b4d3a65a-4731-11e3-b4d3-00144feabdc0.html

新しいものに懐疑的になるのは誰でもそうなのでしょうが、実際、どうなんですかね。私自身は、人はドコかに住まなくてはならないし、中古の一戸建て住宅の流通性は日本よりあるし、おもしろいとは思いますよね。ただ、GSOではなくてブラックストーンですから、いざとなったときの逃げ足も速いことは確かで、LBOの従兄弟だと考えれば…。うーん、悩ましいところですね。

2013年11月7日木曜日

バンクローン投信

バンクローン投信、なんか日本でも流行ってるみたいですね。アメリカでは以前からある商品なのですが、金融危機後もレバレッジド・ローンのパフォーマンスは好調だというのは知っている人は知っていた話で、特に、金利上昇懸念の話もありますから、ここ1年くらいは人気みたいです。

しかし、これを日本に持ち込んで売れると思う人達、あるいは、実際に持ち込んで人気商品にしてしまう人たちも凄いですね。というのも、日本の場合、まともなクレジット商品市場がありませんから、銀行が持っている貸付債権に投資するというのは一定の意味がありますが、アメリカには立派なジャンク債市場があるわけで、わざわざバンクローンでクレジット・リスクを取る意味はあまりありません。

もちろん、金利上昇に強いという側面もないわけではないのですが、最近は、まともなバンクローンはすべてLIBORフロアが付いていて、金利が多少上昇したくらいではフロアを超えてこないので利回りは上がりません。また、確かにクレジット・リスクはジャンク債よりもまし(シニア・セキュアードだから)ですが、それを前面に出しているわけでもなさそうですね。

要するに、目先を変えた商品を出して、それに飛びつく無邪気な投資家が一定数出てくれば、バンドワゴン効果で人気商品になるということなのでしょう。別に日本だけで起きていることだとは思いませんが、いつものことながら偏頭痛しそうです。

米変国(その2)

US floating rate debt: take note - http://www.ft.com/cms/fedb4da0-4701-11e3-9c1b-00144feabdc0.html

テーパリングによって、インフレにならないのに金利の上昇がありうるのだから、変動利付国債は有効なのかもという話。クレジット・リスクはどうなりますかねという最後の一文について、解答はないんでしょうけれど。

アメリカの変動利付国債

US to sell $15bn of floating rate debt - http://www.ft.com/cms/5d9c3116-462f-11e3-9487-00144feabdc0.html

アメリカが2年の変動利付国債を発行するんだそうです。日本の不思議な(かつてのフランスのような)長期債利回りに連動するのではなく、短期債利回りに連動するというまともなものみたいですね。当初の利回りが低すぎて日本ではウケないでしょうけれど(生保が為替で遊ぶのは別)

利用者数≠利益

Tech user numbers do not equal profit, warns SEC - http://www.ft.com/cms/884ede66-4708-11e3-9c1b-00144feabdc0.html

某テック会社の上場を念頭に置いたわけではないらしいのですが、SECがわざわざ『利用者数が増えてても儲かるわけじゃない』っていう必要があるような市場の状況なのでしょうか

株価指数

日経新聞と東証が新指数を開発したという話、今朝のNHKでもやってましたが、そこまで騒ぐ話なんですかね。1年後には誰も話題にしていない可能性が75%以上あると思うんですけど。

為替レートスキャンダル

The forex market encourages crime - http://www.ft.com/cms/3cb91cd8-46df-11e3-9c1b-00144feabdc0.html

考えてみれば、金利と為替はともに取引所がないという点では共通していて、市場性という意味ではスポット為替の取引量が凄まじいのも間違いないですよね。日本は、邦銀で転職が少ないし報酬体型も違うのでここまでのことは起きにくい市場なのでしょうけれど。

2013年11月5日火曜日

エクセル依存について

The siren call of Microsoft Excel - http://www.ft.com/cms/0131b426-42df-11e3-8350-00144feabdc0.html

私は最初はロータス1-2-3でしたが、それはさておき、確かに、ある程度算数がわかる人にとってエクセルは便利ですよね。ただ、ロンドン鯨のミスの一つはスプレッドシートのミスだったわけで、独自ソフトが必要というのも確かですね。

2013年11月4日月曜日

プエルトリコ債

なんか、プエルトリコの債券がちょっと心配らしいです。

米国では利息に税金がかからないので、それなりに人気があるようですが、財政的にはちょっと懸念があるみたいですね。

一戸建て賃貸住宅証券化

FT紙によれば、ブラックストーンの一戸建て賃貸住宅証券化案件に結構な投資需要が集まっているそうです。

この間、フィッチが「トリプルAを付けるのは難しいよね」という話を出していたばかりなのですが、ムーディーズクロールモーニングスターの3社はトリプルAを付けていると。このあたり、以前のショッピング・モール証券化と同じ顔触れで、フィッチとS&Pが腰が引けぎみのところを、この3社が比較的アグレッシブにストラクチャード・ファイナンスの格付けを付けていますね。

ま、格付けも商売なので、意見の相違そのものもビジネスの一環なんでしょうけれど。こういうのを見ると:

1) 格付け会社の専門家ですら意見が分かれる、特に、少なくともS&Pやフィッチの分析ではトリプルAに堪えない(S&Pは私の知る限り公式のコメントはしていないようですが、ま、推して知るべしと)とされている証券を、ほいほい買うのか? (要するに、投資家は、専門性をもって自分で分析したのか?)

2) ムーディーズ、クロール、モーニングスターがトリプルAと言っているんだから、当然安全だろう

という2つの意見が対立すべきなんでしょうね、投資家の側でも、などと思いますが。実際には圧倒的に2)のケースが多いんでしょうけれど。

2013年11月1日金曜日

LIBORに続いて為替もですって

日本ではまだ報道が少ないようですが、英欧では、外国為替レートの操作が相当広範囲に広がるのではないかと言われています。LIBORの件ではオランダのラボバンクがあげられてましたが、それはさておき、外国為替の取引ボリュームは凄まじいですから、影響も大きいわけです。

問題とされているのは、午後4時に決まるという引け値で、各銀行がレートを持ち寄ってそれを平均するという意味ではLIBORと同じで、かつ、その引け値で売りたい・買いたいという客が沢山いることを利用して、どちらかのオーダーが偏っている銀行がレートを操作していたという疑いですね。というか、もう疑いというよりも当然起きていたかのような報道のされかたです。

日本でも、ロイターのページでレートが出ていて、それを用いてたとえばオプションの行使の有無や決済額が決まるという契約があるらしいですから、それに近いのかもしれませんが、イメージするとしたら、TTB/TTM/TTSの世界の話ですかね。銀行とデリバティブやっていると、「その銀行」のTTMを用いて決済金額が決まるというケースが多いと思いますが、ことデリバティブで言えば銀行は円高にレートを設定する強いインセンティブを持っています。他の取引もあるのでデリバティブだけで決めているわけではありませんが、仮に、どちらかにものすごく偏っていたら、そちらの方向にレートを動かしたくなるわけで、それをみんなでやる(あるいは、変わりバンコにいい思いをするように助け合っていた)という構造なんだというのが、報道を見る限りの話ですね。

証券決算

上半期を昨年と比較したら、それは今年のほうがいいに決まっていますよね。でも、第1四半期と第2四半期を比較すると、やはり7~9月は相当苦戦してますね、大手は。このままだと大変かも、と思いました。

CLOの危機

Plea over new rules for boom era debt - http://www.ft.com/cms/3a7e5b94-4235-11e3-bb85-00144feabdc0.html

アメリカのリスク・リテンション規制で、CLOがヤバいかもという話。運用会社がエクイティ投資家のための運用としてやっているアービトラージCLOと、モーゲージやバランスシートCLOとは違うのではというのはそのとおりなのでしょうけれど。

2013年10月31日木曜日

野球の神様

今日の日本シリーズを見ていて、野球の神様っていうのはいるのかも、とちょっと思いました。9回裏に追いついたところで、延長戦のことを考えて二塁ランナーに代走を送らなかったのは、結果としては正しかった(次の2打者とも凡退した)ものの、あそこで勝ちに行かなかった助平心が気勢を殺いだように思えてしょうがありません。また、二死一・二塁で代打を出さなかったのも同じですよね。

もちろん、結果論でしかないのですが、結局、それが10回表の投手の気概に現れてしまい、若い投手走者を勝ち越しのホームインさせてアドレナリン前回にさせてしまったということですよね。

楽天は、折角野球の神様の機嫌を取ったのだから、ここは田中で決めにいくべきですね。巨人は、ま、後がないのだから頑張るしかないのですけれど。

もっとも、根本的には巨人打てなさすぎだし、投手も点こそあまりとられていないものの、ピリッとしなささが楽天の投手とは違い過ぎますよね。これで巨人が日本一になるとしたらよほど勝負のアヤですが、さてどうなることやら。

ちなみに、巨人ファンなんですけれど…。

2013年10月30日水曜日

一戸建て賃貸住宅の証券化

Fitch pushes back on Blackstone bond - http://www.ft.com/cms/9cfbf6d0-40a2-11e3-ae19-00144feabdc0.html

フィッチによると、過去データの欠如が一番大きなポイントで、スポンサーが、借り換えできなきゃデフォルトするじゃんっていうのが二番目のポイントですかね。

フィッチの話を見る限り、格付け手法的にはRMBSというよりはCMBSという感じなんですね。賃貸事業という意味では、その観点からは、アパートの亜流というイメージなのでしょう。

2013年10月29日火曜日

バンク・ローン・ファンド

なんか、バンク・ローン・ファンドって突然すごい流行りだしたみたいですが、まず最初に「投資対象は、投機的格付けの企業を債務者とする貸付債権で、デフォルト・リスクは結構高いです」って大きく書くべきですよね。

2013年10月28日月曜日

アメリカのモーゲージREIT

Fed probes banks’ exposure to MReits - http://www.ft.com/cms/44e9cdfa-3e72-11e3-9744-00144feabdc0.html

アメリカではモーゲージREITというカテゴリーがあって、不動産そのものではなく、不動産担保融資で運用する投資法人にも税制メリットがあるんですね。ま、SPCっちゃそれまでですが、自国の法制でできたほうが望ましいということなのでしょう。M-REITに気を付けろというのは以前フィッチも言ってましたが、要はSIVと同じ構造ですね。SIV自体死語だという説もありますが。

ドイツの経常収支

No end to the euro crisis in sight - http://www.ft.com/cms/s/0/7d03e40c-3c9a-11e3-86ef-00144feab7de.html

ヨーロッパおソブリン危機を議論する際、ドイツの経常収支黒字が他国の赤字になっている状況が根本的に変化しない限りは本質的な解決はないという話をするのですが、この記事によると多少は調整が進んでいるとか。ユーロ圏が経常収支黒字を増やしていて、ユーロが強くなるのも当然というのも納得です。

2013年10月27日日曜日

バフェットの投資アドバイス

USAトゥデー紙によれば

1) タイミングを読もうとするな(読めないから)

2) すぐに利喰うな

3) くだらん手数料を払うな(投資信託で)

ということのようで、要するに、ドル・コスト平均法で長期の資産形成をしろと。御意。

長寿と資産運用

平均余命が伸びると、その分、社会の中で運用しなくてはならない金融資産が増えるので、資産運用業界にとってはメリットだというのがFTに出てました。この手の議論で、「ところで日本では、人口の高齢化が進み、貯蓄率が高いのだけれども、おそらくその結果、経済が低迷し…」と引き合いに出されるのは忸怩たるものがありますが、それはさておき、(いや、日本だって)、人口の高齢化は、それだけ資産運用を真剣に考えなくてはならないという意味で重要ですよね。

今書きかけている本は、まさにそのような人達を対象にしたものなのですが、これがなかなか難しくって…。経済学部卒業ではあるのですが、「結局、経済学って科学じゃないじゃん」というは金融界で半分正しいのもまた事実であり、誰も儲けられないはずということを知らない個人投資家がなぜこんなにいるのだとろうと仕組債訴訟を見るたびに思ったりするわけですが…。

と、最近更新をさぼっていたのでよもやま話でございました。

2013年10月23日水曜日

貸家賃料証券化

アメリカで、サブプライム問題によって大量の住宅が差し押さえられたわけですが、それを大量に購入して貸家にした上で、その賃料を証券化しようという話は結構前から出ていました。それがやった日の目を見そうだという話がほうぼうで出始めていますが、ロイターによれば、格付けを付与するのが、ムーディーズの他、モーニングスターとクロールなんだそうです

格付け会社規制の関係で、格付け会社自体、どのような案件ならどうやって格付けするかみたいなものを公表しなくてはならず、云々というのがニュースの趣旨ですが、ま、そもそもこの資産が証券化されること自体に意味があるらしく…。

ま、堅牢なつくりの集合住宅ではなく、一戸建て住居が対象ということですから、本当にキャッシュ・フロー持つのかしらっていうのがポイントなんでしょうね。住宅ローンの従妹みたいなもんだとは思いますが、一戸建てを借りて住むというライフ・スタイルが、その賃料で元利金を支払い終えるような長い期間続くのか、興味深いところですね。

2013年10月21日月曜日

本当に食糧はムダにされているのか

一般論としては、世の中に飢えで苦しんでいる人がたくさんいるのに、多くの食糧が捨てられているのはもったいないですよね。

一方、昔は家庭で捨てられていたものが、現在は家庭に届く前に既に集められてリサイクルされているんだという説が、アダム・スミス研究所のブログに出てました。本当だといいですね。

景気が好くなると金利は上がる

アベノミクスなるものの目標が、インフレと実質GDP成長の両方だとすると、名目GDPの伸びは凄まじくなって、金利は上昇します。金利が上昇すると、果たして日本は国債の利息を払い続けられるのかしら?という話がFTアルファビルに出てました。

経常収支が黒字の限り云々の議論は私もいろいろなところでしているので、特に目新しくはありませんが、確かに、名目金利が上昇したらどうするのよ?という議論は重要かもしれませんね。結局、インフレでは逃げ切れないという意味でもあるのですが。

2013年10月20日日曜日

アクティブ運用万歳(の反対)

イギリスで資産クラスを14に分けて、アクティブ運用とインデックス運用との差を比較すると、14のうち13でインデックス運用が買ったんだそうです。投信ではなくて年金運用の話らしいですが、「アホくさ」と思うのはみんなおんなじですよね。

ノーベル経済学賞(経済学におけるノーベル記念賞)についてのこのコラムも面白くて、要は、市場で勝つのは難しいけど、長期投資をする気があれば、安いものを見つけられるかもということじゃんというのが、今回の受賞者のうち、ファーマ教授とシラー教授の説を足したものだとか。ただ、ここでもインデックス・ファンドがいいじゃんという結論は同じみたいです。

今度出る本で「アクティブ運用→絶対ムダ→猿がやっても同じ」という話を何度も書いていて、ちょっと言い切りすぎたかしらと若干反省していたのですが、そうも限らないようで安心しました。

2013年10月19日土曜日

米国債デフォルトの可能性について

 いろいろな人がいろいろなことを言っているので、私がなにを言ってもあまり関係ないのですが、米国債が仮にテクニカル・デフォルト(手持ちのカネがないので、一旦、返済ができなくなる)をしたからといって、本当になにかとんでもないことだったのかしらというと、そんな気はしていないのです。もちろん、間違っている可能性もあるし、なにも起きなかった後からはなんでも言えるのですが、こういうところの議論にもあるように、別に、有効な代替があるわけでなし、あまり哲学的なことを考えてもしょうがいないんではないかなぁーと。

KKRがAvocaを買収

Avocaはダブリンのクレジット投資会社で、その世界ではそれなりに知られているのですが、KKRがAvocaを買収してクレジット投資業務をさらに拡充するそうです。独立系のクレジット投資会社というのはそれなりに魅力なので、それを活かせる形になればいいですね。

CDOエクイティ

なかなか分かりにくい話ですが…。

CDOのエクイティというのは、証券化をした際に一番最初に損をする人です。なので、もっと格付けの高い証券を買った人は、エクイティの人がまともだったら、格付けの高い証券はもっとまともに違いないという想定をします。

ところが、アメリカで起きたのは、エクイティを持っている人が、同時に、格付けの高い証券を空売りしていたというのです。なぜか? 簡単で、エクイティは全体の数%である一方、格付の高い証券は全体の50%以上を占めるからで、エクイティを全損しても、格付けの高い証券が大きく値下がりすれば、もの凄い得をするわけです。

という背景がよく分からないと、この話って理解しづらいですよね。

2013年10月17日木曜日

Botox for Men

アメリカで、美容整形を受ける男性が増えているとか。雇用環境が厳しくて若く見えることがプラスになるんだそうです。

格好いい背広来たいと思うのと何が異なるのか、悩む今日この頃なのでした…。

エマージング・マーケットとしてのアメリカ

別に、政府が機能していないからとか、国債がデフォルト直前になったからではなく、ヨーグルト市場の伸びが新興国なみなんだそうです

しかも、最近の為替の動きも新興国みたいだそうで。対ユーロですが。

2013年10月15日火曜日

プエルトリコ債

プエルトリコはジャンク債一歩手前の格付けなのに、ジャンク格付けの事業債よりも利回りが高いということで、ヘッジ・ファンドなどの興味を集めているという話がFT紙に出てますね。

私自身は分析できないものは買わないという主義なのですが、たっくさーんの投資資金を持っている人が、分散投資の一環として当たるとデカいという債券を買いたくなる気持ちは分かります。

インフレ調整後の住宅価格

イギリスで、インフレ調整後の住宅価格が07年以降暴落したが、やっともちなおしてきたという話がFTアルファビルに出てました。シラー教授のノーベル経済学賞受賞を受けて住宅価格を見直したということのようです(ケース・シラー指数のシラーですもんね)。

ま、コラムにもあるように、本来的には住宅価格はインフレととんとんでいけばいいほうなんだと思いますし、それ以上ってバブルっていうことなんでしょうけれど。

2013年10月8日火曜日

ダメなものはダメ

私は以前からリフレ派であって、日本のデフレは必ずしも構造的なものではないし、日本の人口が再度増えていくことも決して不可能ではないし、少子・高齢化だって不可避ではないと思っています。そのためにも、閉塞感を打ち破るデフレ解消は不可欠だと思っているのです。

しかし、世の中には、基本的には悲観論から入っている人がいて、その人たちにとってインフレは破滅への道筋に見えることも分かっています。しかし、普段は冷静なことが多いように思える外国のマスコミに書かれると、ちょっとなぁーと思う気持ちが少しだけ強くなります。

2013年10月6日日曜日

大量推奨販売の是非

何の気なしに規制を調べていたのですが、大量推奨販売そのものは、別に禁止されていないんですね。禁止されているのは、「行き過ぎた」大量推奨販売によって「相場を動かす」「利益を上げる」ことを目的とすることなんだそうで…。それってどうなんだろうと思いますが…。

「国債利回り>預金金利」の理由

預金金利は同じくらいの年限の債券と比較してなぜ低いのか? 答は、債券を満期前に換金しようとすると元本割れの可能性がある一方で、預金は(仕組預金を除くと)元本割れがないからです。国と銀行の信用度の違いがあるにもかかわらず、預金金利のほうが低いのは、このオプション性が大きいんですね。

なので、「個人向け『社債』は預金よりも利回りが高いですね!、それは、発行体のリスクがあるからです」というのは正確には間違いであって:

1) 金利が上がって換金しようとしたときに、元本割れのリスクがある
2) 発行体の信用度が悪化して換金しようとしたときに、元本割れのリスクがある
3) 国債と違って流動性に劣るため、仮に金利の低下や信用度の向上があっても、キャピタル・ゲインを得るのは難しい

といったあたりの複合要因で社債の利回りは預金金利よりも高いわけです。ちなみに、現在の金利水準を考えれば、金利低下と金利上昇の確率はどちらが大きいかは明白ですよね。また、仮に確率は低くても「ブラック・スワン」リスクを考えると、債券というのは結構難しい投資対象なわけです。これは「満期まで持つことが前提」というのでも同じで、確かに満期まで持てばという議論は正しいのですが、いつ必要になるか分からないからおカネなのであって、そんな前提が当然のように置けるのであれば「事故に遭わなければ保険は不要」というめちゃくちゃな理屈も建てられるわけで…。

ということを、さっき見ていたネットの記事で思いました。

2013年10月5日土曜日

金利スワップの最高裁判決が民集ではなく集民

今日、ひさびさに必要があって最高裁のホームページを見ていたのですが、3月の金利スワップの判決、ふたつとも民集ではなくて集民に掲載されているんですね。裁判所の側では、前例としての重要性が高くないと判断していると考えるのが普通のはずですが、どうなんでしょう。

3月7日のは http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83047&hanreiKbn=02
3月26日のは http://www.courts.go.jp/search/jhsp0030?hanreiid=83106&hanreiKbn=02

債務上限問題

アメリカでは、連邦政府の一時閉鎖の問題だけでなく、再来週末には政府に現金(正確には連銀にある政府の預金口座の残高)がなくなるのでカネを借りなくてはならないという事態になっているとされています。

ニューヨーク・タイムズ紙のディール・ブック欄への寄稿によると、次の3つのうちのいずれかを破ることにはなるんだろうという話です。

1) 債務上限 - 1917年第2リバティ・ボンド法

2) 連銀の政府貸付禁止 - 連銀法

3) 米国政府は適法に負った債務は履行する - 合衆国憲法修正14条

の3つで、政治家は3番目を中心に考えているみたいですね。憲法にそう書いてあるんだから、大統領が決めちゃえばいいんだと。

なお、個人的には、多くの人がいっているようなパニックはないんではないかと思っていて、別にテクニカル・デフォルトなんていいじゃんと軽く考えているのですが、重要視している人が多いとふざけていると思われそうなので、あまり大きな声では言えないみたいです。

2013年10月4日金曜日

訴訟ファンド

Litigation funders feel the pain of defeat - http://www.ft.com/cms/7901991c-9387-11e0-922e-00144feab49a.html

民事訴訟を提起するとやたらとお金がかかるのは万国共通ですが、勝訴すれば儲かるかもしれませんよね。それを投資として行うファンドが海外にはあるのですが、敗訴したら損しますよね!という話。

イギリスのサラ金

Payday lenders face fresh restrictions - http://www.ft.com/cms/e110b148-2bf4-11e3-acf4-00144feab7de.html

イギリスで、サラ金規制を厳格化しようとしているようです。返済能力に調査を厳格にしろとか、リスク換気をせよとかいうのは可愛いほうですかね。借り換えは2回までとか、債務者銀行口座へのアクセスは2回までとかは、貸す側からしたらしんどいかも、とも思います。実態がわからないので感想でしかないですが。

2013年10月3日木曜日

担保資産の売却と金融市場

"Repo ‘fire sale’ risk worries regulators - FT.com" http://feedly.com/k/19ZQYWL

レポ市場で、金利上昇→担保価格下落→担保不足→担保売却→担保価格下落→担保不足→… というシナリオが懸念されているとか。日本の不良債権問題、中国の影の銀行、SIV、みな一緒じゃんと言ってしまうとそれまでなのでしょうけれど。

2013年10月2日水曜日

Shameless Self Promotion

最新作がアマゾンに出ました。「恥知らずの自己宣伝」でございました…。

タイミングはたまたまですが

また株下がっちゃいましたね。旬刊経理情報という雑誌の最新号に掲載されたコラムがどんぴしゃで、要は催促相場なんでしょというものなのですが、確かに、消費税上げの決断自体は、是非はともかく立派だと思いますが、負の決断はともかく、正の決断を実は見せて頂いていないような気がするんですよね。

「所得倍増」とか言っている私が少数派なのはよく分かっているのですが、もっとおっちょこちょいな経済政策を出していかないと、ヤバいんじゃないでしょうか?

アメリカ予算案

どうなりますかね、アメリカ。意地の張り合いなんでしょうけれど、ベイナーの指導力もちょっとねーっていう感じですか。ケネディ氏の大使就任が外交委員会を通過したのもニュースになんなかったですね。

2013年9月30日月曜日

新著の宣伝

えぇー、久々の単行本として『ファイナンスの実務と法』という本が中央経済さんから絶賛発売中なのですが、今度、7年前に書いた『プロが絶対買わない金融商品~あなたはカモられている!」の新版が(当然のことですが)同じく扶桑社さんから出ます。コンセプトは同じですが、内容はすべて書き直してますので、前著をご覧いただいたかたも是非読んでいただければと思います。価格は据置で1,400円+税です。

宣伝でした。

投資用マンションと格付け

ムーディーズのレポートを見ていたら「中古物件が担保になっている投資用マンション取得用融資証券化のほうが、新築物件担保のものよりも信用度が高い」というのが出てました。分かっている人には当然分かっている話なのですが、新築なんて割高で、業者が儲かるだけなのですが、それがこのような形でおおっぴらに指摘する人が出てくるのは結構珍しいように思います。

「新築好きが多い」ことと「業者がえっらい儲けている」ことから、中古は新築よりも40%安いにもかかわらず「賃料には大きな差はない」んですって。

これ、新築を手掛けない不動産屋さん、訳してもらって配ったほうがいいですよね。

もうひとつのポイントは、証券化の対象になっているということは、ちゃんとローンを付けている金融会社があるっていうことですよね。それはそれで、いいことだと思います。

米予算・債務上限

ま、円高はしょうがないんでしょうけれど、今後はどうなりますかね。ガバメント・シャットダウンは(若い人は覚えていないでしょうが)昔もありましたが、デフォルトは…。

実は、個人的には一時的なデフォルトの影響はみんながいうほどは大きくないような気がしているのですが、こればかりは起きてみないとわかりませんね。1500年から1800年の間にフランスは8回、1500年から1900年の間にスペインは13回デフォルトしたという説もあるようですが。

CLO

"CLO issuance highest since 2007" http://feedly.com/k/1bU37RW

アメリカでCLOの発行が増えているようですね。トラックレコードを見れば当然なのでしょうか。

2013年9月28日土曜日

ロンドン一極集中の解消

アメリカとかドイツは、連邦制だからなのでしょうか、大都市が国中にちらばっていて、たとえば大企業の本社もいろいろなところにありますよね。ところが、日本では東京、イギリスではロンドンにいろいろなものが集中している傾向が見られます。不動産価格もそれを反映していて、たとえば日本ではファンド・バブルのとき、もう東京で不動産買うのがバカらしいとなった人達が郊外、(大阪を含めた)地方都市に出て行ったわけですが、ま、成功したという話はあまり聞きません。

FT紙に、イギリスでロンドンではなくてイングランド北部都市の安い不動産に投資するというヘッジ・ファンドの話が出ています。ロンドンと北部との差は広がりすぎで、今後、その揺り戻しがあるというものです。

私はこれに対して正否を論じるほど詳しくはないのですが、この手の話というのは、あたれば神格化され、はずれても忘れられるだけという、市場予測の典型例のような気がしています。ま、相場というか、世の中そんな人ばかりと言ってしまえばそれまでなのですが。

2013年9月27日金曜日

アメリカで不動産市場が少しずつ熱くなっているらしい

S&Pによれば、アメリカでは主要地域だけではなく、周辺地域(っていうか、要するに地方都市とか郊外)でも不動産市況に回復が見られるそうです。

日本でも、不動産ファンド・バブルのとき、東京だけでは飽き足らず、地方都市(一応は県庁所在地)のビジネス・ホテルとか、開発物件とかに手を出して、痛い目に遭った人達がいたことをふと思い出しました。

2013年9月25日水曜日

フィッチはときたま不思議なことをする

フィッチは、日本のことでも英語でしかリリースを出さなかったりと不思議なことをなさる格付け会社なのですが、今日たまたま見ていたら、日本でのギャンブル業界が東京オリンピックの招致成功によって盛り上がるかも!というのがありました。

それにしても、パチンコや競馬・競輪・競艇・オートレースを「確立したギャンブル産業」と言い切るとは…。在香港のアナリストの人が書いているのですが、さすがフィッチっていう感じですね。ムーディーズやS&Pには怖くて書けまいという気がいたします。

2013年9月23日月曜日

ドイツの総選挙

メルケル首相率いる与党が大勝利で第一党となるものの過半数にはとどかず、連立与党を組んでいた小政党が(ルールの内容はともかく)議席を獲得できずということで、少数与党としえ政権を運営するか、あるいは、最大野党と連結するのかという決断を迫られるみたいですね。政権の構成が決まるまでは、もう少し時間がかかるようです。

2013年9月22日日曜日

契約締結前交付書面と懲役

調べものがあって金商法を見ていたのですが、契約締結前交付書面を交付しなければいけないのに交付しない場合(たとえば、上場有価証券等書面も交付していないのであれば、契約締結前交付書面の交付義務がある)には、懲役がありうるんですね(205条12号)。銀行や証券会社の人が、全員が全員、守っているのかしら????

2013年9月21日土曜日

投機的格付け企業向け融資が熱くなっている件

投機的格付け企業向け融資はレバレッジド・ローンと呼ばれてまして、「レバレッジド」という言葉から、金融危機に際してはヤバいのではないかという議論がありました。多くの金融機関が、転売目的だけではなく自分でも融資していて、当然、マーク・トゥ・マーケット(時価評価)をすると含み損になっていたわけですから、サブ・プライム系のRMBSやCDOスクエアードと同じ構造だと思われていたわけです。サブ・プライム住宅ローンと同じように証券化の材料としても広範に用いられていて、いわゆるCLOはその意味では純粋な証券化だと思えなくもないですから、やはり、ヤバいと思われたのです。

知っている人は知っている話ですが、90年代後半に銀行が自己資本対策で発行したCLOはバランスシートCLOと呼ばれ、できるだけ臭いローンを対象にするなど逆選好の対象になりやすさが内在していました。ところが、ノーティーズ(いたずらものという意味ではなく、ゼロを英語でノートということに由来する2000~2009年のこと)の前半に出てきたアービトラージCLOというのは、要するに、クレジット投資会社が、エクイティのリターンを上げるためにレバレッジをかける手段であって、エクイティの人たちは逆選好をするインセンティブがなく、むしろ、適切な運用をする強い動機を有していました。

さらに、レバレッジド・ローンは投機的格付け企業向けですが、企業は自社を潰そうとして経営していることは稀なので(日本で、失敗例がある粉飾会社向け企業融資はさておき)、金融危機だろうがなんだろうが、債務者の側は一所懸命経営をして、結果として借金は返そうとしているのです。借金を返そうとして経営しているわけではないのでしょうが、貸している側から見れば同じことです。

その結果、レバレッジド・ローンは金融危機でもパフォーマンスが好調だったんですね。その結果、この資産は安全性が確認されたということで、ここにきて投資資金が流入しているようです。ロイターには、ヒルトンやデルでカネが借りやすくて困っているっぽい話が報道され、また、コベナンツの軽いローンも流行していることが報道されてます

クレジット投資も本質的にはオプションの売りなので警戒が肝心なんですが、プロがやる分には自業自得なんでしょうね。ま、ブラック・スワンの著者からするとちゃんちゃらおかしいっていう話なんでしょうけれど。

剰余金の処分と借入

剰余金の処分は一般的には配当という形でなされるわけですが、配当をするにはおカネが必要です。多くの会社の場合、剰余金はおカネの形になっていなくって、おカネにするには借入が必要です。

そこで行われるのがディビデンド・リキャップと呼ばれるレバレッジド・ローンで、通常は(というか、日本では)レバレッジド・ローンというのは企業買収のための融資ですが、会計上の剰余金を配当するために借り入れをするやつです。海外ではめちゃくちゃポピュラーで、プライベート・エクイティが上場や転売することが難しいときに、おカネを抜き取る手段として用いられます。もちろん、格付けは悪くなりますが。

日本の場合は自社株買いを用いるのが一般的みたいですね。自社株買いも剰余金の処分としてなされるべきですから本質的には同じなんですけど。そうか、自社株買いのための融資は前著にも前々著にも入れるのを忘れていたので、次回作には入れとかなきゃ…。

2013年9月20日金曜日

PEファンドのセカンダリー

"Morgan Stanley Deal Latest Drop In Structured Secondary Bucket - Private Equity Beat - WSJ" http://feedly.com/k/18enKDa

プライマリー案件のほうが格好いいのでしょうが、本当に儲かるのはセカンダリーですよね。

2013年9月19日木曜日

資産運用と70+世代の蓄財動機

ある出版社の人と、資産運用リテラシーの企画についてやり取りをしていてふと思ったのですが、「私は資産運用で儲けました」とエバる人はいるけれど「私は、儲けた(殖やした)カネをこんなふうに使いました」とか「…取り崩しました」という自慢をする人はいませんよね。

ところで、今の70歳以上の人たちって、高校や大学卒業したら働いて、親のスネなんかかじろうにもなくて、っていう人たちで、ヘタしたら親御さんからなにも相続していなかったりするわけですよね? その人たちが、自分たちはおカネを貯めて、しかも、それをスネかじられたりした上で、子孫に残そうと。それをアテにする信託ビジネスとかもあって、それはそれでやむを得ないのでしょうけれど。

でも、そのおカネって、使っちゃったほうがいいのでは?とも思うわけです。景気を好くするには、おカネを貯めないで使うのがポイントなわけで、景気が悪いことが今の若い人たちのスネかじりにもつながっているんですよね? 70前後の世代の人が、おカネを貯め込んでいるから景気が悪くなって、だから若い人たちが将来に希望が持てなくなって、だからなおさら70前後の人がおカネを貯め込むという悪循環になっていないでしょうか?

おカネは貯めるよりも使うほうがいいと皆に思わせることが景気浮揚のカギであって、リフレはその典型かと思います。これは世代間でも考えなくてはいけないことであって、もしかすると、相続税のありかたを考えることで、おカネがより消費に回るという効果も期待できるかもしれませんよね。

2013年9月18日水曜日

LIBORと格付け

EUがベンチマークの監督を強めようとしていて、新規制案が昨日発表されています。LIBOR操作の話があったのだから当然ではあるのですが、結構ドラスティックよねという印象のようです。

単純に考えると、ベンチマークなどもともとは「デ・ファクト・スタンダード」でしかなく、多くの人が使うからベンチマークとして意味があるのであって、みんながベンチマークとして活用しなくなったらベンチマークじゃなくなるじゃんという気もするのですが、インサイダー取引をする人がいても株式市場は存在していて、やはりインサイダー取引は犯罪なわけで、あまりに広範に広がると規制すべきという議論になるのでしょう。

私は、格付け規制には基本的反対でして、格付けも信じる人がいなくなれば価値がなくなるんだから規制なんかする必要はないと思っているのです。しかし、あまりに広範になると、本来はプロが適当にやっておけばよかったのとはまた規制の有りようが違ってくるのかもしれませんね。

流動性(いつでも取引できること)を神聖視すべきでない

A fixation on liquidity is not healthy - http://www.ft.com/cms/5e70c3b8-1f83-11e3-aa36-00144feab7de.html

バスとか電気の議論とはちょっと違うと思うのですが、流動性は幻想の上に乗っかった概念だというのはそのとおりですね。

2013年9月16日月曜日

来年の株価・為替レート

昨日の午後は原稿書きで、来年の株価と為替レートを予想してました。いろいろなところで「他人のいうことを信じるな」と言っておきながら、頼まれればホイホイ予想を書くってどうなのよとも自分で思いますが、予想するのは勝手で、『信じちゃダメですよ』っていうことなんですかね?

ということで:

為替 → つまらんですが、100円を中心に90円から110円で推移、ただし、オーバー・シュートは円安方向ではなくて円高方向のリスクが高い。

株価 → 3月末に1万8000円、6月末に1万6000円、9月末に1万8000円、年末に2万円

としてます。あたりますかね?

人前でほめることは危険

他人が褒められるといい気分がしない、というのは人間の悲しい性ですが、一方、多くの「上司術」本では、「ほめるのは皆の前で、叱るのはこっそり」を推奨しているようですね。

FT紙のこのコラムを見ると、近しい人が褒められると、その人に対する同僚の敵意が増して逆効果になるとか。「○×賞」とかも逆効果になりうると。営業成績で表彰することがモチベーションになると思っている人たちがすべて間違っているとは思いませんが、効果を疑いもしないっていうのはどうかということなんでしょうね。

2013年9月14日土曜日

来年の国債利回り

時期的に、来年の相場を占えという依頼が増えてくる時期なのですが、国債利回りについては、来年中に1.2%から1.5%をめざすというのが私の予想です。景気に楽観的過ぎるという噂はありますが、東京オリンピックも来るし、インフレにもなりそうだし、私みたいなおっちょこちょいがいてもいいのでは、と思っています。

ちなみに、FT紙には思いっきり反対のコメントが出てますね。国債ショート(空売り)はウィドウ・メーカーだと…。ま、逆円キャリーにはなるので、為替の空売りにもなっていてそこで儲かるじゃんというオチもついてますが(私は逆にそちらは反対で、円高論者なのですが)。

いい話も、悪い話も

市場が正常に機能している場合、ある時点の価格が高いとか安いという評価はできません。簡単に言えば、上がり続けている株であっても、「だから上がる」可能性は半分しかありませんし、「だから下がる」可能性も半分しかありません。その時点の価格は市場の総意なので、そこから上がるも下がるも確率は半々だからです。

ところが、金融商品の勧誘をする人は『絶対に』そんなことはいいません。新興市場通貨が一時期ぼろぼろになって、ここにきて少し回復しているようですが、どうせ「もう大丈夫」と言っているに決まっているんです。実際にはこのFT紙のコラムにあるように、慎重派もいっぱいいるのにです。

もっとも、市場全体が強気なんだとしても、それを信じてはいけないのは当然で、というのは、市場全体が強気だとしたら誰も持っている株や通貨を売りませんから、すぐに価格が高騰します。売っている人がいるということ自体、全体が強気ではないということの証明ですよね。

こういうまともなことばかり言っているからが売れないんだということはよく分かってはいるのですが…。

2013年9月13日金曜日

スマート・ベータ

βというのは、簡単に言えば、市場全体に対する特定の商品価格変化の感応度のことなのですが、分散投資をする際の組入比率を決めるときに、これまでと異なる手法を採ることを総じてスマート・ベータというんだそうです(不勉強で知りませんでした)。

で、コモディティのETFでスマート・ベータ戦略を採用したものが登場したという話がFT紙に出てました。コモディティの世界も深く探求すると面白そうですよね。

2013年9月12日木曜日

金利上昇と債券

"Pimco listed bond funds tumble in value - FT.com" http://feedly.com/k/1d6q4iH

金利上昇局面では債券投資はつらいのですが、日本で言う上場投資法人が、純資産価格を下回って取引されているそうです。PIMCO運用でも例外ではないと。

2013年9月11日水曜日

社債のマーケットメーク

Markets: The debt penalty - http://www.ft.com/cms/0d1c9b38-195a-11e3-83b9-00144feab7de.html

債券には取引所取引がほとんどなく、ディーラー(金券屋ですね)が価格を提示するから取引が成立するのですが、規制が厳しくなってディーラーが在庫を減らしており、取引しづらくなっていると。金券屋さんはなくなっても困らないでしょうが、債券の取引ができなくなると困るよね、という話。

イギリスがデフォルトするはずはない?

The power of the bond markets is a bluff - http://www.ft.com/cms/46978a60-1961-11e3-83b9-00144feab7de.html

債券市場の力というのは現場にいたことのない人には想像しがたいんでしぃうね。でもこのコラムでは、そんなもの気にするなと。イギリスがデフォルトするわけがないというのは、確かに、一理ある議論ではありますね。

2013年9月10日火曜日

ダウ工業株平均(バンカメ脱落の噂)

NYダウとして私たちが知っている株価指数はもともとは工業株平均だったのですが、実際はアメリカを代表すると思われる会社30社の株価を基に計算されています。で、報道によれば、バンカメ、アルコア、H-Pが構成銘柄から外れて、ナイキ、ビザ、ゴールドマンが入るんだそうです。

2013年9月9日月曜日

新刊の宣伝

長らく間が空きましたが、やっと、新刊にこぎつけることができました…。

今日あたりから、出版社のホームページに掲載、アマゾンにも出てます。

前回の東京オリンピックと相場

前回の東京オリンピックによって日本の市場がどのように反応したのか、ちょっと見てみました。

Wikipediaによれば、東京オリンピックの開催が決まったのは1959(昭和34)年5月26日のことだそうで、日経のHPによると翌営業日の日経平均の終値は793.57。そこから、一本調子ではないものの、ほぼほぼ傾向的にはしばらく上昇を続けて翌1960年末には1,356.71、61年7月には1,829.74までいくものの、同年末には1,432.60、62年はほぼ横ばい、63年は5月に1,608.16まで行くものの年末には1,225.10なんですね。今回はどうでしょう。すぐに2万円というヘッドラインの業界紙もあったようですが…。

ちなみに、当時は均衡予算だったので国債の利回りはなく、為替も固定相場制だったので為替相場もありません。公定歩合は6.94%だったのが59年末には7.3%、60年半ばに再度6.94%、翌61年には6.57%まで下げられましたが、同年中に6.94%、7.3%と利上げがあり、その後、62年10月にはまた利下げに転じ、6.94%→6.57%→6.21%から63年4月には5.84%になりますが、64年には3月に6.57%となってオリンピックを迎えています。

要するに、一本調子はあり得ないっていうことなんでしょうね。前回はカラーテレビが普及するきっかけとなったみたいですが、今回はなんでしょう?

2013年9月8日日曜日

MMFの格付け

ヨーロッパでMMFが格付けを利用することを違法にしようとする動きがあるそうです。

確かに、理屈はまったくわからないわけではないのですが:

(1) そもそも、おカネを払って格付けを取得するという現在の慣行をやめさせたい

というのがある中での動きらしく、その上で

(2) 運用対象資産の格下げによるファイヤー・セール(パニック売り)によるMMFの一層の信頼度の低下(銀行の取り付け騒ぎと同じ→SIVで起きたことですね)

を避けたいんだろうということです。格付け悪玉論はエキセントリックだと私は思っているので、なんだかな感はいなめませんね。

2013年9月4日水曜日

イギリスでの金利スワップの不適切契約の話

イギリスの金融行動監視機構(ちょっとヘンな訳ですが、他に適切な訳しようがないのは確かですね)が、英銀による金利ヘッジ商品の不適切契約問題の進展をアップデートしてます。詳細を見ると、これまで30,169契約について適切性を見て、10件だけが和解しているとか…。ま、今後どうなるかですね。

で、銀行ごとにみると、RBSがダントツで件数が多いと。深読みしすぎは禁物らしいですが…。

2013年9月3日火曜日

デリバティブと担保

昨日の日経の一面というのもびっくりしましたが、こんなに早くBISから出るとは意外でした(知らなかっただけですが)。

内容を見ると(今頃初見とはいかがなものか!という誹りはともかく):

・ 相互に当初の担保提供
・ 定期的(毎営業日)な値洗い

ということで、清算集中の対象になっていればともかく、そうでないと計算・事務の負担は増えることになりそうですね。要は清算集中に誘導したいっていうことなのでしょうけれど。

為替が対象外なのは、ボラティリティが高すぎて現実的でないというか、面倒すぎることが要因のようですが、それも本末転倒だし、今後に注目です。

2013年9月2日月曜日

MMFは影の銀行なのか

EU tightens noose on money funds - http://www.ft.com/cms/ec11b26a-10bd-11e3-b291-00144feabdc0.html

レポ規制もそうなのですが、いわゆるシャドー・バンキングの規制強化が(日本以外では)強烈ですね。MMFは、直接は信用創造にタッチしないのですが、バックを割れないという妙な信頼感が悪い方向に働きがちだというのは事実なので当局の関心も分かりますけどね。

2013年8月31日土曜日

ロンドン郊外としてのパリ

私はユーロスターで3時間かかる時しかパリ⇔ロンドンをしたことがないのであまりピンとこないのですが、確かに2時間15分だと「通える」とは言えないまでも、充分に近いですよね。しかも住宅価格がそれだけ違うのであればなおさらですか。

でも、パリってそんな窮屈な街なんですかね。確かにロンドンが異常なんだとは思いますけれど。

危ないBIITS → 日本の個人投資家がヤラれているものばかり?

ドイチェバンクがBIITSという略称を考えたそうです。ブラジル、インドネシア、インド、トルコ、南アフリカで、今回の新興市場危機でヤラれている国の一覧ということで。あら、よく見たら、インド以外はなんか個人向けの外債が大量に発行されてませんでしたっけ? と思うと、本当にわが国の投資家は、あるいは投資家に(不思議なものを)売(りつけ)る人たちの節操のなさが目立つわね、っていう感じです。

バンカメ・メリルはCRASHというのを考えたそうで、Cはコンフリクト(紛争)、Rはレイツ(金利→米テーパリングですね)、Aはアジア、Sはスペキュレーション(投機)、Hはハウジング(住宅市場)だそうで、これらが秋の危機感の元になると。ま、別にいいんですけど。

元ネタはFT紙です。

略語は証券化の世界でも一時期流行りましたね。

ちなみに、『危ないBIITS』は正確にはfragile five biitsで、fragileは「危ない、壊れやすい」(割れ物注意の意味でも使います)でbitはthingとかstuffとかの表現のひとつで、危ない5つの国々という意味なんでしょうけれど…。

有料番号を勧誘電話受け用に使う

イギリスで有料の電話番号(通話料だけでなくて聴取料がかかる番号)を個人が取得、勧誘の電話をそちらで受けるようにしてカネ儲けをしているそうです。ふむ…。

イギリスの経済指標と賭け屋

イギリスのアダムスミス研究所が、同国のインフレ率と失業率についての『市場』を開設したそうです。実際には賭け屋(ブックメーカー)で賭けができるということなのですが、カーニー総裁よりも正確性は高いはずだと鼻息荒いです。

不勉強で同研究所については初めて聞いたのですが、ホームページを見てみると小さな政府主義っぽくて、私ごのみではありそうです。

テストステロンと収入(双子を観察)

男性ホルモンの一種であるテストステロンが多いほうが収入が多く、これが収入のジェンダー・ギャップの元なのではないかという点についての論文が出てました。もちろん、自分で見つけられるわけはなく、フリーコノミクスのブログからの紹介ですが…。

で、双子で比べてみると、男の子は、もう片割れも男の子だったほうが収入が高く、出生前のテストステロンへのエクスポージャーが大きいと収入が高いと言えそうなものの、女の子の場合は、片割れが男の子だと若干収入が減る傾向が見られたとか。

一卵性と二卵性の差かもしれないなぁと見ていて思ったのですが、その点については分析できておらず、筆者によればデータがないし、過去の研究からは一卵性と二卵性とに差はないということだし…ということのようです。

アルゼンチンどうなるかしら

特に新しい話があったわけではないのですが、NYT紙にこないだの連邦控訴審決定についての分析があったので…。

ソブリンの場合、イングランド法よりもNY州法を選択する傾向が強いと思うのですが、個人的には前者のほうが好きなので、これでソブリン債がイングランド法に偏るとしても、別にいいじゃんという感じでしょうか。

2013年8月30日金曜日

上場会社の倒産

倒産といっても、普通は民事再生法、最近は以前より楽になったので会社更生法も増えてきたようですが、上場会社の破産は珍しいように思いました。ま、特殊なケースではあるようですけれど。

2013年8月29日木曜日

新型劣後債(別名『突発死』債)

‘Sudden death’ bank bonds on increase - http://www.ft.com/cms/cbc58026-0fd3-11e3-a258-00144feabdc0.html

銀行にとって質の高い資本としてみなされるには、自己資本比率が下がったときに株に変わるタイプか、元本がゼロになるタイプかのいずれかで、後者がアジアの投資家に人気だそうです。ただ、アメリカではティア1資本に算入できない可能性のほうが高いそうです。

2013年8月27日火曜日

会議の中心はおじさんばかり

消費税とかアベノミクスとか、いろいろ思うのは、名成り功遂げた人の意見なんか、これまでのデフレの張本人たちの話を聞いてもしょうがないと思うんですが。

消費税については、私は引き上げ反対ですが、なんか賛成派も情緒的だし、反対派に経済学的な意見を述べた人がいなさそうなのは、人選が意図的なんでしょうけれど。

2013年8月24日土曜日

すべての金融危機の源

すべての金融危機の源は、海外からの低利の資金であると。まったくその通りですね。日本のバブル崩壊だけは例外といいたいところですが、あれも、経常黒字という形で海外から資金が入っていたと考えるのかもしれませんね。ちょっとこじつけですが。

アメリカのサブ・プライム問題は、経常赤字→資本収支黒字で中国からの資金が入り、サブ・プライムRMBSをドイツの投資家がいっぱい買っていたっていうことなんでしょうし。

アルゼンチンとヘッジ・ファンド

NYT紙のディールブック・コラムに、アルゼンチンが連邦控訴審でヘッジ・ファンドに負けたという記事が出てました。債務交換に応じなかった人たちが、債務交換後に発行された債券に元利払いするんだったら俺たちにも払え!という主張をしていたものですが、重要なのは、アルゼンチン→米銀行→投資家、と渡るおカネの流れの中で、仮に米銀行が投資家におカネを支払い、かつ、ヘッジ・ファンドがおカネを受け取れないのであれば、それは法定侮辱に該当するとしていることなんだそうです。

実際問題としては、最近発行されるソブリン債では債務交換に応じないこと自体が難しくなっているのですが、気を付けたほうがいいですよ!という話ということのようです。

<追加:10時45分>
FTアルファビルのコラムもありました。

金融サービスと信頼

 英FCAが、一般の個人顧客の利益を重視することで金融サービスに対する信頼を取り戻すんだという話がFT紙に出てました。

 日本では、個人の利益を守るんだということを声高に主張するのは消費者庁くらいで、消費者庁の金融関係の主張はただどうしても金融庁とぶつかりやすいようですけれど、もう少しパターナリスティックな行政があってもいいのかなぁーというのは、公表されている訴訟の内容を見ると思います。著名な弁護士が「自己責任」「結果だけで訴えるやつはけしからん」という趣旨の論文をたびたび発表しているなかで大変なのは分かりますけれど。

2013年8月21日水曜日

レポ市場の影響

US repo pullback could have wider effects - http://www.ft.com/cms/e15bf36a-093a-11e3-ad07-00144feabdc0.html

銀行にレバレッジ規制が導入されると、レポ市場の回転が悪くなって、資産価格に影響を与えるという説です。機能としては預金準備率と同じで、無限の信用創造ができない、あおの程度問題を議論しているわけで、通常はヘアカットとして処理される問題ですよね。記事の言いたいことは分かるものの、いざという時に市場が収縮するのは自律的出、あまり意味のある反論とは思えないのですが。

2013年8月20日火曜日

銀行を健全にしたら

"Safe banks do not mean slow growth" http://feedly.com/k/18GbGuX

金融危機後に思ったのですが、キャピタルの価格が上がるとローンの収益性を上げないわけにはいかず、それに対応できれば銀行の健全性のメリットのほうが大きいのかもしれませんね。

なんでもオークションにすべき?

"Rent at Public Markets" http://feedly.com/k/13zvbXP

もっとも、それはそれで取引コストがあるのでいかがかとは思いますが。

2013年8月19日月曜日

講義要綱:テレビドラマから見る、アメリカ現代文化論

 テレビドラマで展開される現代劇は、社会の縮図である。2時間程度で完結し、大画面で投影されることを前提に製作される映画と異なり、原則として毎週同じ曜日の同じ時間に放映されるテレビの現代劇は、視聴者による登場人物に対する感情移入や視聴者の生活との類似性に対する要求度合いが映画より高く、そのときの社会情勢の反映度が濃い。

 本講義では、原則として1回に1つの米テレビドラマ番組を扱い、現代米社会について「皮膚感覚」を身に付けることを目標とする。

教材(予定)
  • Family Ties:アメリカの二大政党制と、その典型的な支持層
  • thirtysomething30代が中年の始まりだった80年代
  • Melrose Place:ロサンゼルスの富裕層を知る
  • Spin City:アメリカの地方政治のありかたを考える
  • Mad About You:アメリカにもある嫁・姑
  • Friends:ニューヨ~クの家賃制限について知る
  • The West Wing:アメリカの大統領選挙と副大統領
  • Full House:アメリカの小学生はなにを勉強しているのか
  • Life Goes On:アメリカの障害児教育
  • The Wonder Years:ベトナム戦争と一般家庭
  • Glee:アメリカの地域性
  • Criminal Minds:捜査権から見る連邦制
  • Numb3rs:学士以上の学位をとることの一般性
  • Covert AffairsCIAとはなにをやるところか
  • Big Bang Theory:アメリカのおタク文化
  • Bones:女性の上司を持つということ
  • House:アメリカで「基金」を運営する意味
  • Doogie Howser MD:飛び級について
  • ER:有色人種と高度専門職
  • Suddenly Susan:サンフランシスコとリベラル
  • LOST:家庭崩壊は一般的なのか
  • Frasier:職業としてのシュリンク
  • how i met your mother:リレーションシップとはなにか
  • Burn Notice:アクティブ・シニアとフロリダ
  • NCIS:米海兵隊を知る
  • CSI:テレビドラマとフランチャイズについて
  • White Collar:アメリカの「コンサルタント」文化
  • Chuck:米社会での"awesome"の蔓延
  • Leverage:ハッカーとはなにをしているのか
  • Desperate Housewives:主婦=隷属、とは限らない米社会
  • JAG:軍人と民間との接点が意外に多いことを知る
  • Northern Exposure:アラスカもアメリカ
  • Magnum PI:アメリカ人がハワイに対して持っているイメージを知る
  • Ally McBeal:対決型司法制度について
  • Boston Legal:ボストンとニューヨークの差、北東部の共通性
  • Dharma & Greg:東海岸の富裕層について


講義の進めかた
 初回の講義の際に受講生を4つのグループに分け、各グループで担当番組を決定。担当となったグループは、教官が指定するエピソード(回)について当該ドラマを視聴の上、あらすじを日本語で作成すること。

 講義当日は、該当のエピソードを原語(英語字幕)で鑑賞した上で、クラス内で討議を行う。

日本人はなんでも割高に買う

Private equity: Last of the risk-takers? - http://www.ft.com/cms/675bd9d4-ee11-11e2-a325-00144feabdc0.html

TPGの共同創業者のお言葉らしいです。私も同意見です。

2013年8月18日日曜日

リバース・モーゲージっていいよん!という話(米国版)

FT紙に「自宅は年金の代わりにはならん」という話が出ていたことはご紹介しましたが、WSJ紙に、リバース・モーゲージは検討すべきだ!という話も出てました

リバース・モーゲージの利点は明らかだとは思いますが、なかなか「絶対、これおすすめです」と言いたくなるまでは研究できていないのです。ちょっと考えなきゃって感じでしょうかね。

<8月26日追加> 武蔵野市は、リバース・モーゲージで回収が思うに任せないため、廃止の方向だとか…。

シェアソン・リーマン・ハットン

私が大学4年生だった(当時は就職活動は4年生になってからだった)1988年には、シェアソン・リーマン・ハットンという会社があり、帝国大学の大学院を卒業したバイリンガルのお兄さんから、高商でかつ英語もできない庶民としてさんざん蔑んだ目で見られたものでした。当時はアメックスがリーマンの親会社だったんですね。シティコープはスクリムジャーズ・ビッカーズとくっついてましたし、プルデンシャル・ベーチェとか、SGウォーバーグとかもありましたね。バークレーズはBZWと言われていて、クレディ・スイス・ファースト・ボストンなんていうのもありました。もちろん、アレックス・ブラウンもあったし、バンカーズ・トラストもありましたしね。

ソロモン・ブラザーズがなくなったのは最近で、キダー・ピーボディとかスミス・バーニーとか、DLJとかドレクセルとか、サミュエル・モンタギューとか、ベアリングとか、言い始めるとキリなないですね。


今回の話のいいところは、法律的にはエンティティがなくなったとしても、ブランド名は残してくれるらしいこと。メリル・リンチくらいは確かに名前としては残っていないとね、という感じでしょうか。日本ではどうするんですかね。一応、銀行と証券は別エンティティにしておくほうが都合がいいでしょうから、証券のほうをメリル・リンチのままにしておくんですかね。

2013年8月17日土曜日

アメリカンとUSエアーの合併阻止と地方空港

アメリカの話ですが、航空業界の統合の動きが弱まると、地方空港は助かるんだそうです。合併すると合理化によって本数が減るからというのがその理由で、なんだかそれが社会的なプラスなのかは若干疑問だとは思うのですが…。

合成CDOの格付け手法変更(ムーディーズ編)

ムーディーズが企業債務を参照する合成CDOの格付け手法を変更するそうです。背景には、金融危機前に組成された案件で、逆選好が多く見られたことと、予想よりもコリレーションが高かったことなんだそうです。

この手の商品について、格付けの精緻さを議論するのはもちろん有益なのですが、ムーディーズが問題視している論点は、実は投資家側は分かって無視をしていたのではないかという気もとてもします。現実に合わせて格付け手法を見直すのはもちろん大事ですが、結局、なかなか投資家の欲に勝つ方法はないということなんでしょうね。

「家は年金の代わりにはならん」という話(英国版)

FT紙のコラムで、自宅を売って老後の生活のタシにしようとする考えは危険だというのが出ていました。簡単に言えば、価格は下がることがあるし、どこかには住まなきゃいけないし、離婚したりしてそもそも自分のものではなくなるかもしれないんだから…ということなのですが、そんなことを言い始めたらキリがないので、極論として危機感を煽る、つまり、「それだけを頼りにしちゃだめよ」ということだと考えればいいのでしょう。

投資用マンションはやめとけという最後のほうの意見には基本的には賛成ですかね。

住宅ローンと強制収用(強制収容ではない)

カリフォルニア州のリッチモンド市が、「住宅価格<<住宅ローン残高」になっている不動産を強制収容収用によって時価で取得して、既存の住宅ローンの残高を住宅価格まで減額してしまおうという試みをしているのですが、それに対して、アメリカのHUD(住宅都市開発庁)が様子見の姿勢というのがWSJ紙に出てました。

関心を持って展開を注目しているというのが内容なのですが、全くその通りですね。

ババを引くのは誰?(ヨーロッパの銀行編)

ココスという条件付き強制転換権付劣後社債をヨーロッパの銀行が発行していまして、要するに、最近はやりのベイル・インが内包されている劣後債です。発行銀行になにかあれば普通株に転換されてしまう永久債なので、「質の高い」自己資本になるんですね。

FT紙に面白いコラムが出ていて、ココスは熱力学の第二法則(永久機関は存在しない)に反しているというのです。ココスの利息を払い続けるためには、定義として銀行の顧客が銀行に利息を払い続けられるだけの名目成長が必要なわけですが、そんなに先進国の経済が成長するはずはなく、どこかで破綻するんちゃうの?という話ですね。ココスを発行するのが一部の銀行であればともかく、我も我もということであれば、最終的には株になっちゃうっていうことなんでしょうね。

で、ババを引いているのはヨーロッパの年金基金だということなのですが、実際にはココスはアジアの投資家が多く買っているという報道も見たことがあり。

2013年8月16日金曜日

金利と住宅取得の容易さ

http://www.fitchratings.com/gws/en/fitchwire/fitchwirearticle/Low-Rates-Make?pr_id=799596

オーストラリアで、金利が低くて家が買いやすくなってるけど、金利があがったらアブないよという話なのですが、別にオーストラリアだけの話でもないですよね。

2013年8月15日木曜日

プレゼント交換

"Buyout Firms Stop Passing The Parcel" http://feedly.com/k/16LLUUJ

プライベート・エクイティ案件で、ファンド間転売の割合が減っているそうです。ただ、案件の少なさは変わらないようでして、一時的な現象だろうとも指摘されてますが。

2013年8月14日水曜日

英国債利回り上昇

Gilt yields hit two-year high - http://www.ft.com/cms/s/0/d2e1ff42-043e-11e3-8aab-00144feab7de.html

英中銀としては『将来展望』によって予見性を高め、不確実性プレミアムを抑制することでプラスの効果を狙ったのでしょうが、景気が思ったよりも好調で、かえって予見性を悪化させているということのようで。

2013年8月13日火曜日

ヨーロッパで事業債が好調

WSJ紙のHeard on the Street Europeコラムによると、ヨーロッパで事業債が好調なんだそうです。ブンズとのスプレッドが金融危機以前の水準まで回復しているそうで、背景には、久しぶりにソブリン危機の心配がない夏休みだというのがあるそうで、言われてみればそのとおりですね。

信用保証保険の復活

Muni bond insurers target bankruptcy boon - http://www.ft.com/cms/595985b6-012b-11e3-8918-00144feab7de.html

デトロイト市の財政破綻で投資家が信用保証保険の意義を再認識、ビジネスが復興する予想が高まっているとか。デトロイトそのものからの損失は微小(担保で守られると踏んでいる)という見積なのも好材料とか。