2011年6月26日日曜日

復興支援と「フェア」さ

 被災者の方々にとって、なにがフェアなのか、法律に書いてあることだけではなく、人としてどうあるべきかを含めて考えなくてはいけません。難しいことを『難しい』と言うだけでは評論家であって、なんの解決にもならないのですが、しかし、実際の困難さは想像を絶するのでしょう。
 たとえば、住宅がうけた被害。程度によって自治体からの補償金などの額が違っているようですが、その線引き基準がまちまちだとか。本来であれば、あれだけの災害だったわけですから、原状(元の状態)回復は民間の責任ではないような気がしますし、震災前の状態にまで戻すのは公・官の責務のように思います。しかし、そうなると民間の保険会社に入っていた人はそれまでの保険料が払い損になりますし、また、保険会社は逆に保険金を払わなくて済むことになりそうです。
 また、実際問題としては、原状回復は机上の空論であって、建物を新築せざるを得ない人も多いのでしょうが、修繕して古い家に住む人と、新築の家に住む人とは不公平だという話になるでしょう。公平感を保つために元の家よりも狭い新築にするというのも本末転倒でしょうし。
 さらに言えば、終戦直後に国が民間を助けてくれたわけでなし、焼け野原は焼け野原でしかなかったところで皆で頑張ったわけですよね。それとの比較を始めると、あれはあれで復興という意味では成功体験なわけで、あの成功体験を基に議論をしてしまうと(「戦後だって〇〇だった、××した」というやつです)、すべて民間でやれという話になりかねない。
 確かに、報道というのはミクロのレベルで「ひどい」「あんまりだ」という話を集めてくるのであって、マクロ的な視点は大切なのでしょうが、それにしても、もう少しなにか考えるべきですよね。議論が平行線をたどっている間は経済活動も停滞してしまうわけですし…。