2013年8月31日土曜日

ロンドン郊外としてのパリ

私はユーロスターで3時間かかる時しかパリ⇔ロンドンをしたことがないのであまりピンとこないのですが、確かに2時間15分だと「通える」とは言えないまでも、充分に近いですよね。しかも住宅価格がそれだけ違うのであればなおさらですか。

でも、パリってそんな窮屈な街なんですかね。確かにロンドンが異常なんだとは思いますけれど。

危ないBIITS → 日本の個人投資家がヤラれているものばかり?

ドイチェバンクがBIITSという略称を考えたそうです。ブラジル、インドネシア、インド、トルコ、南アフリカで、今回の新興市場危機でヤラれている国の一覧ということで。あら、よく見たら、インド以外はなんか個人向けの外債が大量に発行されてませんでしたっけ? と思うと、本当にわが国の投資家は、あるいは投資家に(不思議なものを)売(りつけ)る人たちの節操のなさが目立つわね、っていう感じです。

バンカメ・メリルはCRASHというのを考えたそうで、Cはコンフリクト(紛争)、Rはレイツ(金利→米テーパリングですね)、Aはアジア、Sはスペキュレーション(投機)、Hはハウジング(住宅市場)だそうで、これらが秋の危機感の元になると。ま、別にいいんですけど。

元ネタはFT紙です。

略語は証券化の世界でも一時期流行りましたね。

ちなみに、『危ないBIITS』は正確にはfragile five biitsで、fragileは「危ない、壊れやすい」(割れ物注意の意味でも使います)でbitはthingとかstuffとかの表現のひとつで、危ない5つの国々という意味なんでしょうけれど…。

有料番号を勧誘電話受け用に使う

イギリスで有料の電話番号(通話料だけでなくて聴取料がかかる番号)を個人が取得、勧誘の電話をそちらで受けるようにしてカネ儲けをしているそうです。ふむ…。

イギリスの経済指標と賭け屋

イギリスのアダムスミス研究所が、同国のインフレ率と失業率についての『市場』を開設したそうです。実際には賭け屋(ブックメーカー)で賭けができるということなのですが、カーニー総裁よりも正確性は高いはずだと鼻息荒いです。

不勉強で同研究所については初めて聞いたのですが、ホームページを見てみると小さな政府主義っぽくて、私ごのみではありそうです。

テストステロンと収入(双子を観察)

男性ホルモンの一種であるテストステロンが多いほうが収入が多く、これが収入のジェンダー・ギャップの元なのではないかという点についての論文が出てました。もちろん、自分で見つけられるわけはなく、フリーコノミクスのブログからの紹介ですが…。

で、双子で比べてみると、男の子は、もう片割れも男の子だったほうが収入が高く、出生前のテストステロンへのエクスポージャーが大きいと収入が高いと言えそうなものの、女の子の場合は、片割れが男の子だと若干収入が減る傾向が見られたとか。

一卵性と二卵性の差かもしれないなぁと見ていて思ったのですが、その点については分析できておらず、筆者によればデータがないし、過去の研究からは一卵性と二卵性とに差はないということだし…ということのようです。

アルゼンチンどうなるかしら

特に新しい話があったわけではないのですが、NYT紙にこないだの連邦控訴審決定についての分析があったので…。

ソブリンの場合、イングランド法よりもNY州法を選択する傾向が強いと思うのですが、個人的には前者のほうが好きなので、これでソブリン債がイングランド法に偏るとしても、別にいいじゃんという感じでしょうか。

2013年8月30日金曜日

上場会社の倒産

倒産といっても、普通は民事再生法、最近は以前より楽になったので会社更生法も増えてきたようですが、上場会社の破産は珍しいように思いました。ま、特殊なケースではあるようですけれど。

2013年8月29日木曜日

新型劣後債(別名『突発死』債)

‘Sudden death’ bank bonds on increase - http://www.ft.com/cms/cbc58026-0fd3-11e3-a258-00144feabdc0.html

銀行にとって質の高い資本としてみなされるには、自己資本比率が下がったときに株に変わるタイプか、元本がゼロになるタイプかのいずれかで、後者がアジアの投資家に人気だそうです。ただ、アメリカではティア1資本に算入できない可能性のほうが高いそうです。

2013年8月27日火曜日

会議の中心はおじさんばかり

消費税とかアベノミクスとか、いろいろ思うのは、名成り功遂げた人の意見なんか、これまでのデフレの張本人たちの話を聞いてもしょうがないと思うんですが。

消費税については、私は引き上げ反対ですが、なんか賛成派も情緒的だし、反対派に経済学的な意見を述べた人がいなさそうなのは、人選が意図的なんでしょうけれど。

2013年8月24日土曜日

すべての金融危機の源

すべての金融危機の源は、海外からの低利の資金であると。まったくその通りですね。日本のバブル崩壊だけは例外といいたいところですが、あれも、経常黒字という形で海外から資金が入っていたと考えるのかもしれませんね。ちょっとこじつけですが。

アメリカのサブ・プライム問題は、経常赤字→資本収支黒字で中国からの資金が入り、サブ・プライムRMBSをドイツの投資家がいっぱい買っていたっていうことなんでしょうし。

アルゼンチンとヘッジ・ファンド

NYT紙のディールブック・コラムに、アルゼンチンが連邦控訴審でヘッジ・ファンドに負けたという記事が出てました。債務交換に応じなかった人たちが、債務交換後に発行された債券に元利払いするんだったら俺たちにも払え!という主張をしていたものですが、重要なのは、アルゼンチン→米銀行→投資家、と渡るおカネの流れの中で、仮に米銀行が投資家におカネを支払い、かつ、ヘッジ・ファンドがおカネを受け取れないのであれば、それは法定侮辱に該当するとしていることなんだそうです。

実際問題としては、最近発行されるソブリン債では債務交換に応じないこと自体が難しくなっているのですが、気を付けたほうがいいですよ!という話ということのようです。

<追加:10時45分>
FTアルファビルのコラムもありました。

金融サービスと信頼

 英FCAが、一般の個人顧客の利益を重視することで金融サービスに対する信頼を取り戻すんだという話がFT紙に出てました。

 日本では、個人の利益を守るんだということを声高に主張するのは消費者庁くらいで、消費者庁の金融関係の主張はただどうしても金融庁とぶつかりやすいようですけれど、もう少しパターナリスティックな行政があってもいいのかなぁーというのは、公表されている訴訟の内容を見ると思います。著名な弁護士が「自己責任」「結果だけで訴えるやつはけしからん」という趣旨の論文をたびたび発表しているなかで大変なのは分かりますけれど。

2013年8月21日水曜日

レポ市場の影響

US repo pullback could have wider effects - http://www.ft.com/cms/e15bf36a-093a-11e3-ad07-00144feabdc0.html

銀行にレバレッジ規制が導入されると、レポ市場の回転が悪くなって、資産価格に影響を与えるという説です。機能としては預金準備率と同じで、無限の信用創造ができない、あおの程度問題を議論しているわけで、通常はヘアカットとして処理される問題ですよね。記事の言いたいことは分かるものの、いざという時に市場が収縮するのは自律的出、あまり意味のある反論とは思えないのですが。

2013年8月20日火曜日

銀行を健全にしたら

"Safe banks do not mean slow growth" http://feedly.com/k/18GbGuX

金融危機後に思ったのですが、キャピタルの価格が上がるとローンの収益性を上げないわけにはいかず、それに対応できれば銀行の健全性のメリットのほうが大きいのかもしれませんね。

なんでもオークションにすべき?

"Rent at Public Markets" http://feedly.com/k/13zvbXP

もっとも、それはそれで取引コストがあるのでいかがかとは思いますが。

2013年8月19日月曜日

講義要綱:テレビドラマから見る、アメリカ現代文化論

 テレビドラマで展開される現代劇は、社会の縮図である。2時間程度で完結し、大画面で投影されることを前提に製作される映画と異なり、原則として毎週同じ曜日の同じ時間に放映されるテレビの現代劇は、視聴者による登場人物に対する感情移入や視聴者の生活との類似性に対する要求度合いが映画より高く、そのときの社会情勢の反映度が濃い。

 本講義では、原則として1回に1つの米テレビドラマ番組を扱い、現代米社会について「皮膚感覚」を身に付けることを目標とする。

教材(予定)
  • Family Ties:アメリカの二大政党制と、その典型的な支持層
  • thirtysomething30代が中年の始まりだった80年代
  • Melrose Place:ロサンゼルスの富裕層を知る
  • Spin City:アメリカの地方政治のありかたを考える
  • Mad About You:アメリカにもある嫁・姑
  • Friends:ニューヨ~クの家賃制限について知る
  • The West Wing:アメリカの大統領選挙と副大統領
  • Full House:アメリカの小学生はなにを勉強しているのか
  • Life Goes On:アメリカの障害児教育
  • The Wonder Years:ベトナム戦争と一般家庭
  • Glee:アメリカの地域性
  • Criminal Minds:捜査権から見る連邦制
  • Numb3rs:学士以上の学位をとることの一般性
  • Covert AffairsCIAとはなにをやるところか
  • Big Bang Theory:アメリカのおタク文化
  • Bones:女性の上司を持つということ
  • House:アメリカで「基金」を運営する意味
  • Doogie Howser MD:飛び級について
  • ER:有色人種と高度専門職
  • Suddenly Susan:サンフランシスコとリベラル
  • LOST:家庭崩壊は一般的なのか
  • Frasier:職業としてのシュリンク
  • how i met your mother:リレーションシップとはなにか
  • Burn Notice:アクティブ・シニアとフロリダ
  • NCIS:米海兵隊を知る
  • CSI:テレビドラマとフランチャイズについて
  • White Collar:アメリカの「コンサルタント」文化
  • Chuck:米社会での"awesome"の蔓延
  • Leverage:ハッカーとはなにをしているのか
  • Desperate Housewives:主婦=隷属、とは限らない米社会
  • JAG:軍人と民間との接点が意外に多いことを知る
  • Northern Exposure:アラスカもアメリカ
  • Magnum PI:アメリカ人がハワイに対して持っているイメージを知る
  • Ally McBeal:対決型司法制度について
  • Boston Legal:ボストンとニューヨークの差、北東部の共通性
  • Dharma & Greg:東海岸の富裕層について


講義の進めかた
 初回の講義の際に受講生を4つのグループに分け、各グループで担当番組を決定。担当となったグループは、教官が指定するエピソード(回)について当該ドラマを視聴の上、あらすじを日本語で作成すること。

 講義当日は、該当のエピソードを原語(英語字幕)で鑑賞した上で、クラス内で討議を行う。

日本人はなんでも割高に買う

Private equity: Last of the risk-takers? - http://www.ft.com/cms/675bd9d4-ee11-11e2-a325-00144feabdc0.html

TPGの共同創業者のお言葉らしいです。私も同意見です。

2013年8月18日日曜日

リバース・モーゲージっていいよん!という話(米国版)

FT紙に「自宅は年金の代わりにはならん」という話が出ていたことはご紹介しましたが、WSJ紙に、リバース・モーゲージは検討すべきだ!という話も出てました

リバース・モーゲージの利点は明らかだとは思いますが、なかなか「絶対、これおすすめです」と言いたくなるまでは研究できていないのです。ちょっと考えなきゃって感じでしょうかね。

<8月26日追加> 武蔵野市は、リバース・モーゲージで回収が思うに任せないため、廃止の方向だとか…。

シェアソン・リーマン・ハットン

私が大学4年生だった(当時は就職活動は4年生になってからだった)1988年には、シェアソン・リーマン・ハットンという会社があり、帝国大学の大学院を卒業したバイリンガルのお兄さんから、高商でかつ英語もできない庶民としてさんざん蔑んだ目で見られたものでした。当時はアメックスがリーマンの親会社だったんですね。シティコープはスクリムジャーズ・ビッカーズとくっついてましたし、プルデンシャル・ベーチェとか、SGウォーバーグとかもありましたね。バークレーズはBZWと言われていて、クレディ・スイス・ファースト・ボストンなんていうのもありました。もちろん、アレックス・ブラウンもあったし、バンカーズ・トラストもありましたしね。

ソロモン・ブラザーズがなくなったのは最近で、キダー・ピーボディとかスミス・バーニーとか、DLJとかドレクセルとか、サミュエル・モンタギューとか、ベアリングとか、言い始めるとキリなないですね。


今回の話のいいところは、法律的にはエンティティがなくなったとしても、ブランド名は残してくれるらしいこと。メリル・リンチくらいは確かに名前としては残っていないとね、という感じでしょうか。日本ではどうするんですかね。一応、銀行と証券は別エンティティにしておくほうが都合がいいでしょうから、証券のほうをメリル・リンチのままにしておくんですかね。

2013年8月17日土曜日

アメリカンとUSエアーの合併阻止と地方空港

アメリカの話ですが、航空業界の統合の動きが弱まると、地方空港は助かるんだそうです。合併すると合理化によって本数が減るからというのがその理由で、なんだかそれが社会的なプラスなのかは若干疑問だとは思うのですが…。

合成CDOの格付け手法変更(ムーディーズ編)

ムーディーズが企業債務を参照する合成CDOの格付け手法を変更するそうです。背景には、金融危機前に組成された案件で、逆選好が多く見られたことと、予想よりもコリレーションが高かったことなんだそうです。

この手の商品について、格付けの精緻さを議論するのはもちろん有益なのですが、ムーディーズが問題視している論点は、実は投資家側は分かって無視をしていたのではないかという気もとてもします。現実に合わせて格付け手法を見直すのはもちろん大事ですが、結局、なかなか投資家の欲に勝つ方法はないということなんでしょうね。

「家は年金の代わりにはならん」という話(英国版)

FT紙のコラムで、自宅を売って老後の生活のタシにしようとする考えは危険だというのが出ていました。簡単に言えば、価格は下がることがあるし、どこかには住まなきゃいけないし、離婚したりしてそもそも自分のものではなくなるかもしれないんだから…ということなのですが、そんなことを言い始めたらキリがないので、極論として危機感を煽る、つまり、「それだけを頼りにしちゃだめよ」ということだと考えればいいのでしょう。

投資用マンションはやめとけという最後のほうの意見には基本的には賛成ですかね。

住宅ローンと強制収用(強制収容ではない)

カリフォルニア州のリッチモンド市が、「住宅価格<<住宅ローン残高」になっている不動産を強制収容収用によって時価で取得して、既存の住宅ローンの残高を住宅価格まで減額してしまおうという試みをしているのですが、それに対して、アメリカのHUD(住宅都市開発庁)が様子見の姿勢というのがWSJ紙に出てました。

関心を持って展開を注目しているというのが内容なのですが、全くその通りですね。

ババを引くのは誰?(ヨーロッパの銀行編)

ココスという条件付き強制転換権付劣後社債をヨーロッパの銀行が発行していまして、要するに、最近はやりのベイル・インが内包されている劣後債です。発行銀行になにかあれば普通株に転換されてしまう永久債なので、「質の高い」自己資本になるんですね。

FT紙に面白いコラムが出ていて、ココスは熱力学の第二法則(永久機関は存在しない)に反しているというのです。ココスの利息を払い続けるためには、定義として銀行の顧客が銀行に利息を払い続けられるだけの名目成長が必要なわけですが、そんなに先進国の経済が成長するはずはなく、どこかで破綻するんちゃうの?という話ですね。ココスを発行するのが一部の銀行であればともかく、我も我もということであれば、最終的には株になっちゃうっていうことなんでしょうね。

で、ババを引いているのはヨーロッパの年金基金だということなのですが、実際にはココスはアジアの投資家が多く買っているという報道も見たことがあり。

2013年8月16日金曜日

金利と住宅取得の容易さ

http://www.fitchratings.com/gws/en/fitchwire/fitchwirearticle/Low-Rates-Make?pr_id=799596

オーストラリアで、金利が低くて家が買いやすくなってるけど、金利があがったらアブないよという話なのですが、別にオーストラリアだけの話でもないですよね。

2013年8月15日木曜日

プレゼント交換

"Buyout Firms Stop Passing The Parcel" http://feedly.com/k/16LLUUJ

プライベート・エクイティ案件で、ファンド間転売の割合が減っているそうです。ただ、案件の少なさは変わらないようでして、一時的な現象だろうとも指摘されてますが。

2013年8月14日水曜日

英国債利回り上昇

Gilt yields hit two-year high - http://www.ft.com/cms/s/0/d2e1ff42-043e-11e3-8aab-00144feab7de.html

英中銀としては『将来展望』によって予見性を高め、不確実性プレミアムを抑制することでプラスの効果を狙ったのでしょうが、景気が思ったよりも好調で、かえって予見性を悪化させているということのようで。

2013年8月13日火曜日

ヨーロッパで事業債が好調

WSJ紙のHeard on the Street Europeコラムによると、ヨーロッパで事業債が好調なんだそうです。ブンズとのスプレッドが金融危機以前の水準まで回復しているそうで、背景には、久しぶりにソブリン危機の心配がない夏休みだというのがあるそうで、言われてみればそのとおりですね。

信用保証保険の復活

Muni bond insurers target bankruptcy boon - http://www.ft.com/cms/595985b6-012b-11e3-8918-00144feab7de.html

デトロイト市の財政破綻で投資家が信用保証保険の意義を再認識、ビジネスが復興する予想が高まっているとか。デトロイトそのものからの損失は微小(担保で守られると踏んでいる)という見積なのも好材料とか。

ファクタリングを利用すると客が逃げる

Asset-based lending fear holds back SMEs - http://www.ft.com/cms/943b3bd0-f446-11e2-a62e-00144feabdc0.html

売掛債権を担保に融資を受ける(証券化や手形担保も同じですね)と、客が警戒して、ビジネスにマイナスになるんだそうです。日本の手形割引は割引依頼者に遡及するのでこのようなことは起きませんし、手形の取立ては銀行に依頼するので手形であれば問題ないんでしょうけれど、売掛金だと確かにそうですね。

しかし、イギリスの話ですからねえ。ちょっと驚き。

政治家の失言がアジアの平和を脅かす?

Gaffe-prone Japan threatens Asian peace - http://www.ft.com/cms/c4d9e34c-033a-11e3-9a46-00144feab7de.html

書いてあることにすべて賛成はしませんが、どう思われるかを計算しながら発言するのも外交のうちですよね。石原さんとか確信犯なんでしょうし。

2013年8月12日月曜日

バーゼルIII債

いわゆるベイル・インを許す債券というのでしょうか? 債権者の損失負担の可能性が極めて高いことが明確な債券の発行はちょっとずつヨーロッパの銀行がやっていて、それをアジアの金持ち投資家が一所懸命買っているらしいです。

で、FT紙によると、ルールも固まらないうちから、とのんびり構えていると、アジアの銀行がこのような債券を発行しようとしても投資家がのこっていないよん、ということがありうるとか。

全然関係ないですが、1990年、邦銀が生保から劣後ローンを借りてよくなったこと、そして、住友銀行が劣後「債券」を海外で発行するといって大騒ぎになったことをふと思い出しました。

2013年8月10日土曜日

経済成長なければ、財政健全化なし(しかし十分条件ではない)

ムーディーズによれば、経済が成長しなければ財政は好くならないが、十分条件ではないとのこと。ま、あたりまえっちゃあたりまえなんでしょうし、Howがない限り、どうしようもないような気もいたしますが。

景気がよくなれば、地方財政にもプラス

景気が好くなれば財政にプラスなことは明白だと思っています。消費税をこのタイミングで上げるのかどうかというのは多分にジャッジメント・コールではあるのですが、その意思決定には、少なくとも:

消費税増税 → 消費減退に伴う景気悪化 → 直接の税収のプラスとどちらが大きいか

消費税を増税しない(むしろ財政支出を増やす) → 景気を刺激 → 税収増 → 増税しない(あるいは財政支出増)のマイナスとどちらが大きいか

という議論があって然るべきです。このバランスを取るのが難しいのは皆知っていて、それを決断するのが選挙で選ばれた政治家のはず(逆に言えば、選挙で選ばれていない学者は好き勝手というか、自分が正しいと思うことを、特に根拠がなくても言い続ければいい)なんですね。

ということを、ふと、地方財政の話を見て思いました。

2013年8月5日月曜日

アクティブ運用をする人は必要

私自身は、アクティブ運用は無駄だという意見の持ち主ですが、だからといって、アクティブ運用が悪いといういうつもりはありません。資本主義の前提として、他の人よりも儲けたい、他の人よりも自分が儲けられる、と思ってリスクを負う人がエラいわけで、アクティブ運用はそれと同じです。アクティブ運用の否定は、財産をひとつの株式に投資する、つまり起業の否定なわけで、まともな資本主義者で(ということは、某国の前政権は入らないという説がありえますが、それは置いておいて)起業スピリットを否定する人は皆無でしょう。

また、アクティブ運用批判は、要するに、アクティブの半分はパッシブに勝ち、半分はパッシブに負けるというもので、しかも、その勝ち負けは偶然だというものです。しかし、それは当り前で、パッシブの定義が平均なのですから、中間値と平均が同じであれば(違うと思うには金融はあまりにも完全市場に近すぎますね)、半分が負けるのは当然なのです。アクティブを進める私のような人間が存在するためには、アクティブ運用をする人が必要なんですね。

という話がFT紙に出てました。こういうファンダメンタルな議論をすることも、たまには重要ですね。もっとも『寄生』とまで言わなくてもいいでしょ、という気もしますが。

Living will って

"Banks’ ‘living wills’ start to take shape" http://feedly.com/k/13R33sN

大銀行は、いざというとき自身をどうやって解体するかの計画をたてておかなくてはいけないとされていて、それがだんだんと頻繁に見られるようになったという話です。 Living wills って、死後ではなく、生きていながらの財産分与っていうニュアンスなんですかね。

2013年8月4日日曜日

資産運用に大切なのは、いかに使うか!

資産をどのように増やすかではなくて、どのように使うかのほうがはるかに大切であるという話がFT紙に出てました。必ずしも節約しろという意味ではないものの、「資産」を保有すると、それに伴う出費が発生する(携帯音楽プレーヤー、携帯電話、車、家、などなど)ので、それを抑制することは重要だということですね。

これは資産を保有しない場合にも通用する話ですが、日本の投資信託でものすごく高い手数料がかかっていることを考えると、ふむふむと思うところではないでしょうか。

親族の資産運用

ソロス氏が、運用する著名なヘッジ・ファンドについて外部の投資家から委託されていた資金を返してしまい、親族の資金だけを運用するようにしたというのがあったのですが、規制環境が厳しくなる中、そのような動きが加速しているという話がFT紙に出てました

もっとも、同じ記事によれば、実際の理由はアンダー・パフォーマンスによる名声リスクであったり、あるいは、外部の投資家がいなくなってしまって、事実上、親族の資金しかなくなったりしているケースもあるらしいです。

2013年8月3日土曜日

投資信託と成功報酬

イギリスの話ですが、インベストメント・トラスト(伝統的な意味での『会社型投信』)で、運用報酬(日本では『信託報酬』っていいますよね。販売会社が半分以上持っていくのに)における成功報酬を廃止する動きが加速しているようです

そもそも、成功報酬という体系はリスクに好意的、つまり、リスクをとって儲かったら報酬が増え、失敗してもマイナスの報酬になりませんから、上手いと思える人と組んだとき以外はあまり適切ではないし、特にリテール向け商品だとなおさらという性質を持っています。今回の動きはそれとは直接関係ありませんが、期中のコストに気を配る運用会社がいるというのは日本にいると新鮮ですね。

ま、日本の場合、販売手数料高いのそもそもどうすんのよ?というか、それによって業界全体が歪んでいることをどうするのかを考えなきゃいけないんでしょうけれど。

ビルディング・ソサエティ

最初にビルディング・ソサイエティという言葉を聞いたのは1989年のことで、そのときは建築に従事する人の組合かと思ってました。その後、このブログに出ているブリタニアとか、今や名高いノーザン・ロックなどの劣後債の販売に携わったり、PIBSのことを研究したりという時期があってクレジット商品の世界に入っていくのですが、結構懐かしい話ですね。

20年前に発行されたブリタニアのPIBSは「これは超々劣後で危ないよ」と書いてあるんだから、投資家は当然それに気付いていたでしょ?というのが英当局の考えで、それに対して、個人投資家側からは「だって、状況が違うじゃん」という反論が出ているとか。状況が違うことがありうるからこそ、このような劣後性(あるいはエクイティ性)のある証券を発行するんじゃないの?という気がするのですけど、どうなることやら。

2013年8月2日金曜日

格付けのない社債

Unrated bond issues double in Europe - http://www.ft.com/cms/9372ca6a-faa9-11e2-87b9-00144feabdc0.html

FT紙によると、ヨーロッパで格付けを取得しない社債の発行が増えているそうです。銀行の融資だと思えば不思議ではないのでしょうけれど。

消費税引き上げ

Japan needs reminding of its lost decade - http://www.ft.com/cms/f80a2eba-fa8a-11e2-87b9-00144feabdc0.html

私『も』というとアレですが、消費税引き上げは時期が悪いと思うんですよね。日本の財政状況が喧伝されているほど悪くないとは必ずしも思わないものの、破綻の議論はプロパガンダだという評価には賛成ですし。まず、景気好くしようよ!ってことですよね。