ネガティブ金利が存在しないという前提に立つと、固定利付債券への投資はすべからくオプションの売りという特徴を持っています。損をすることはあっても儲かることはない(あるいは儲けが限定されている)からです。
たとえば、10年国債の利回りが0.3%(定義として年率)だとすると、10年間で得られるリターンは最大でも額面の3%です。利回りが0%になったとしても、債券価格は3%しか上昇しません。ところが、債券価格は理論的には0まで下がります。極端な例ですが、儲かったとしても3%、損するとしたら100%損する可能性があるわけで、この非対称性はオプションの売却に典型的と言っていいでしょう。
ところが、ネガティブ金利を想起すると、この前提は大きく異なります。たとえば、利回り(単利)がマイナス4.85%になれば債券の価格は200になります。つまり、債券投資は額面全額を失う可能性もある一方で、額面と同額の利益が出る可能性もあるわけです。ネガティブ金利が4.85%でとどまる保証はありませんから、価格は200を超えていくこともあり得ます。ということは、債券投資にはオプションの買いとしての意味があるとさえいえることになります。
ま、必ずしもこんなことを信じているわけではないのですが、ネガティブ金利が長期継続するはずはないと思っていたので、昨今の状況は結構衝撃的だったりします。ただ、常識的に考えれば、利回り0.3%とかの段階で、既に債券投資に「意味はない」ことになります。ですから、多少のマイナス金利であれば、その意味のなさの程度が異なるだけという解釈になるだけかもしれません。
2015年1月23日金曜日
2015年1月22日木曜日
2015年1月21日水曜日
カルパースとプライベート・エクイティ
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