(フェースブックにも同じ内容を投稿してま)
10万円給付の話ですが、景気刺激策として効果があるか否かは「その10万円が、その人(あるいは家計)にとって、『追加的な』支出につながるかどうか」にかかってきますよね。たとえば、今回の騒動で所得が減り、食うや食わずになっている人からすれば、「この10万円がなければしなかった」消費に向かうでしょう。牛丼屋さんでおしんこを追加するとか、暇つぶしの本を買うとか、なんでもいいんですけど。なので、ある程度以上の余裕がある人に支給しても、あまり意味はないわけです。もちろん、消費性向を事前に知ることは難しいですし、線引きもしにくいうえに、線引きしても手続きが煩雑になる(30万円の話を見ればわかる)ので、実行できるかどうかは別の話ではありますが、理屈はそうです。消費に回すためには、ま、商品券ですよね。都会であれば、地域限定商品券にするのがなおいいのですが、これも、田舎だと難しいという話が出ることは明らかで、だとすると、Eコマースとの組み合わせが望ましいという話になるのでしょうが、そうすると「お年寄りはどうするんだ」とい議論になって収集がつかなくなることも目に見えてますが。
むろん、今回の10万円の話は政治の話なのであって、ということは、景気刺激策ではなくて社会福祉政策ですよね。この場合、このおカネや貯蓄に回ってもいいわけです。というのも、10万円貯金が増えるということで、精神的な余裕が増えるというだけでも、このご時勢、ありがたいでしょう。なるほど、所得が減ってもまだ家計黒字(貯蓄ができる)人にとっては、この10万円は貯蓄が増えるだけでしょうし、赤字になっていない人でも、今回の件でいかに貯蓄が大切かが身に染みたでしょうから、10万円の相当分が貯蓄に回る可能性も否定できません。というのも、人間、生きていかなくてはいけませんから、この10万円があってもなくても、生きていくだけの支出はしているはずだからです。
結局、外出自粛で困っているのは売上がなくなっている事業者と、その事業者から給与を受け取っている人たちなわけで(事業者間取引という意味でも、結局、売り上げが減るので同じと定義しましょう)、これを助けてあげるためには、事業者に売り上げという形で直接おカネを流すしかないんですよね。
不動産オーナーに賃料減額を要請すると、今度は不動産オーナーの側で売り上げが減って、そこの従業員どうするんだという議論になるわけで。不動産持っているひとは金持ち=悪者って、農地改革のときの議論じゃないんだから、と思ったりもしますが、結構、海外でも似たような議論がありますけどね