2014年7月19日土曜日

仕組債は「ハイ・リスク、ハイ・リターン」ではない

金融理論的には、投資のリスクとは「発生しうるリターンのぶれ方」、投資のリターンは「発生しうるぶれ方のパターンを平均したときのリターン」となります。たとえば、100の投資をして、50%の確率で120、50%の確率で80になるという投資は、「発生しうるリターンのぶれ方」は比較的大きいのでリスクは高いですが、一方、リターンはマイナス20%とプラス20%の平均なので0となります。リターンがゼロということは、なにもしないのと同じです。

仕組債のセールスをする側では、上記のような商品性を捉えて「ハイ・リスク、ハイ・リターン」と表現することがあります。しかし、それは金融理論的には大きな間違いです。リターンは高くないからです。仮に、このような商品を「ハイ・リスク、ハイ・リターン」といって紹介し、かつ、それが金融の常識であるかのように勧誘しているとすると、それは虚偽の表明をしているということになります。また、事後的に、つまり、裁判の場でこのような商品性を「ハイ・リスク、ハイ・リターン」と説明する人がいるようですが、それも同じ理由で誤りです。

ちなみに、仕組債のリターン、つまり、平均的に期待できる投資収益は大きなマイナスです。

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