米国で事業債の市況があまり芳しくないという話がWSJ紙に出ています。ひとつの要因は米金融政策の変化によるものと思われ、あとは、原油価格の下落によって米ジャンク債市場の16%(!)を占める同セクターの影響が出ていると。
ついこないだまでは、欧米の事業債市場の動き(国債との信用スプレッドですね)はほぼ同じだったのが、ここにきて米国だけが不芳というのがキナ臭いというのが結論のようです。しかし、そもそも米国の事業債市場が不芳というニュース自体、日本ではほとんど流れず、同じ発行者・債務者を対象にしているバンクローン投信の発行は続いてますね。
2014年11月25日火曜日
2014年11月22日土曜日
2014年11月15日土曜日
市場の過熱~クレジット投資編
機会があるたびに申し上げていることではあるのですが、債券投資というのは、本質的にオプションの売りの性格を有しています。儲かってもそこそこ、損をするときはとことんというものです。なるほど、マイナス金利が出てきたので、儲かってもそこそこというのは理論的には言えないというのはあるので相対的な話でしかありませんが、たとえば、10年国債の利回りが0.5%だとすると、どれだけ儲かっても、この国債を保有していることによる利益は額面の5%(0.5%/年×10年)が最大です。一方、利回りが2%になれば、単純計算ですが、額面の15%の損をすることになります。「儲かってもそこそこ、損をするときはとことん」というのは分かりやすいものの言いかたでしかありませんが、別の言いかたをすると「利益と損失とで、損失のほうに偏っている」となるでしょうか。
これはクレジット投資でも同じです。クレジット投資の場合、投資の対象は金利そのものではなく、無リスク金利(たとえば国債利回り)との差です。10年で利回り1.2%という社債があれば、国債の利回りが0.5%だとすると、投資の対象は両者の差である0.7%というわけです。この差の部分についても利益と損失の間に偏りがあることはあきらかで、社債の発行会社が倒産しない場合にのみ、最大の利益である7%が得られますが、倒産したら損失は大きいわけです。
ところで、他の市場と同じようにクレジット市場も過熱します。不動産関連と異なり、金融危機時も企業の信用度は相対的に安定していたこともあり、また、米国では事業用不動産に限れば金融危機前の水準に回復しているという背景もあり、企業に対する融資はまさに過熱状態ということのようです。
私は、専門がクレジット分野なので、こういうときこそ銘柄選択の見せ所だとも考えるのですが、いかんせん、市場が過熱しているときには、銘柄選択=投資しない銘柄がある=おかしい、という議論になりやすく、真面目な人ほど苦労しているという状況が容易に想像できます。
それにしても、こんな状況でも、喜んでジャンク債投信を買ったり、バンクローン投信を買ったりする人がいるわけで、それが個人投資家なのだとすると販売している側が売っているからなのですが、この辺の状況、理解しないで販売することってどうなんでしょうかね。
これはクレジット投資でも同じです。クレジット投資の場合、投資の対象は金利そのものではなく、無リスク金利(たとえば国債利回り)との差です。10年で利回り1.2%という社債があれば、国債の利回りが0.5%だとすると、投資の対象は両者の差である0.7%というわけです。この差の部分についても利益と損失の間に偏りがあることはあきらかで、社債の発行会社が倒産しない場合にのみ、最大の利益である7%が得られますが、倒産したら損失は大きいわけです。
ところで、他の市場と同じようにクレジット市場も過熱します。不動産関連と異なり、金融危機時も企業の信用度は相対的に安定していたこともあり、また、米国では事業用不動産に限れば金融危機前の水準に回復しているという背景もあり、企業に対する融資はまさに過熱状態ということのようです。
私は、専門がクレジット分野なので、こういうときこそ銘柄選択の見せ所だとも考えるのですが、いかんせん、市場が過熱しているときには、銘柄選択=投資しない銘柄がある=おかしい、という議論になりやすく、真面目な人ほど苦労しているという状況が容易に想像できます。
それにしても、こんな状況でも、喜んでジャンク債投信を買ったり、バンクローン投信を買ったりする人がいるわけで、それが個人投資家なのだとすると販売している側が売っているからなのですが、この辺の状況、理解しないで販売することってどうなんでしょうかね。
プライベート・エクイティと長期安定保有
ヨーロッパのプライベート・エクイティ大手スポンサーのひとつCVCが、一般的なPEファンドではなく、長期保有による安定的なリターンを目指したファンドの組成をしているという話がFT紙に出てました。
もともと、年金基金のような、長期的な資金を有している人の投資先としてPEファンドは向いているのでしょうけれど、その投資先が短期(とはいっても5年くらいでしょうけれど)の投資回収ばかり気にしているというのは、エコシステムとして不自然というのは確かなんでしょう。ソブリン・ウェルス・ファンドとなると、あるカネを増やしたいという目的しかないわけでしょうから、投資ホライズンは一層長く、このような投資形態にも意味があるということですね。
もともと、年金基金のような、長期的な資金を有している人の投資先としてPEファンドは向いているのでしょうけれど、その投資先が短期(とはいっても5年くらいでしょうけれど)の投資回収ばかり気にしているというのは、エコシステムとして不自然というのは確かなんでしょう。ソブリン・ウェルス・ファンドとなると、あるカネを増やしたいという目的しかないわけでしょうから、投資ホライズンは一層長く、このような投資形態にも意味があるということですね。
2014年11月13日木曜日
日本のプライベート・エクイティ
WSJ紙の「プライベート・エクイティ・ピート」欄に、日本でのPE投資は盛り上がりを見せているようだが、LP(投資家ですね)のノリがいまいちというのが出てました。ま、これを見るまで、カーライルがSBIモーゲージを買収したことを知らなかったというのはどうなのよ、と自責の念もあるわけですが…
それにしても、TPGの日本の責任者の方がお辞めになって、自らファンドを立ち上げようとなさっている話は相当な話題なんですね。ま、先進国の中ではPE投資活動が相当低調なのは間違いないわけで、もう少しなんとかなってほしいですね。私の専門はクレジットなので、クレジット投資ももっと活発になってほしいのですが、それはちょっと無理そうです。
それにしても、TPGの日本の責任者の方がお辞めになって、自らファンドを立ち上げようとなさっている話は相当な話題なんですね。ま、先進国の中ではPE投資活動が相当低調なのは間違いないわけで、もう少しなんとかなってほしいですね。私の専門はクレジットなので、クレジット投資ももっと活発になってほしいのですが、それはちょっと無理そうです。
2014年11月4日火曜日
黒田総裁の会見を見て
株高もびっくりしましたけれど、それよりも円安ですかね。こんなすごい動きかたは初めてではないにしても、久しぶりに見たような気がします。
必要があって黒田総裁の会見の冒頭部分を見ていたのですが、わかる人にはわかるものの、わからない人にはチンプンカンプンかも、と少し思いました。おっしゃっていることは、要するに:
① デフレは諸悪の根源である
② デフレの原因はデフレ期待である
③ デフレ期待の反対はインフレ期待である
④ 日本にインフレ期待を植え付けなくてはならない
⑤ 日本ではインフレ期待が持続するためにはインフレにならなくてはならない
⑥ 消費税増税後の若干の景気停滞と原油価格安で、(実際の)インフレ率が(総裁の望むほど)高くない
⑦ モノの価格が上がるような手を打たなくてはならない
ということですかね。で、④、⑤の説明として、アメリカではインフレ期待として2%のアンカーがある(世の中の人が、中・長期的には当然のように物価上昇を期待していて、それ(予想値)が2%を下回らない)一方で、日本にはそのようなものがないというか、長期・慢性的なデフレによって深層心理としてデフレ期待が形成されてしまっているから、実際のインフレを見ない限りはインフレ期待を形成できないという考えのようです。
ま、そうなんでしょうね。というか、まず①を声高に言ってくれる日銀総裁が今までいなかったこと自体が問題なんでしょうけれど。
必要があって黒田総裁の会見の冒頭部分を見ていたのですが、わかる人にはわかるものの、わからない人にはチンプンカンプンかも、と少し思いました。おっしゃっていることは、要するに:
① デフレは諸悪の根源である
② デフレの原因はデフレ期待である
③ デフレ期待の反対はインフレ期待である
④ 日本にインフレ期待を植え付けなくてはならない
⑤ 日本ではインフレ期待が持続するためにはインフレにならなくてはならない
⑥ 消費税増税後の若干の景気停滞と原油価格安で、(実際の)インフレ率が(総裁の望むほど)高くない
⑦ モノの価格が上がるような手を打たなくてはならない
ということですかね。で、④、⑤の説明として、アメリカではインフレ期待として2%のアンカーがある(世の中の人が、中・長期的には当然のように物価上昇を期待していて、それ(予想値)が2%を下回らない)一方で、日本にはそのようなものがないというか、長期・慢性的なデフレによって深層心理としてデフレ期待が形成されてしまっているから、実際のインフレを見ない限りはインフレ期待を形成できないという考えのようです。
ま、そうなんでしょうね。というか、まず①を声高に言ってくれる日銀総裁が今までいなかったこと自体が問題なんでしょうけれど。
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