Twitterにもいろいろ書いたところではあるのですが、あまりにもブログに書かなさすぎを反省していて、ちょっとだけまとめをと思いまして。
今一つ世の中の人たちと私の感覚がずれているのは、国債というか日本の財政は既に崩壊しているという認識の違いでしょうか。どの数字がどこを超えているから、と定義することが難しいのは確かですが、過去数十年財政黒字を経験したことがない国が、毎年巨額の財政赤字を出し、公的債務がGDPの200%になり、借り換えの金額が税収の3倍近いというのは、どう考えても破たんしています。企業であればすでに銀行の管理下に入っていて、支出を厳しく制限されているでしょう。
結局、日本人が国債を保有しているから格下げは関係ないという議論は正しいのだと思いますが、その正しさの根幹には、有権者が無頓着であるということです。国債の究極の保有者は純貯蓄者である個人であり、個人が国を動かすには選挙を通じるしかないものの、選挙で財政規律を唱えれば落選することが明らか、つまり、国民自体が見て見ぬふりをしているということなのでしょう。
もっとも、実はよく分かっているという説もあり、要するに、日本人しか国債を持っていないのだから、結局は国がデフォルトしても誰にも迷惑をかけないと無意識で考えているのかもしれません。国債の元本20%カットは、ぐるぐる回って、おそらくは預金の20%カット、保険会社の保険金20%カットということになるはずですが、それでもいいと思っているんですよね(そうじゃないと説明がつかない)。
これはこれで形を変えたハイパーインフレであって、そうなると個人の住宅ローンや消費者金融からの借入、はたまた、クレジット・カードの分割払い債務も20%カットしないと割に合わないわけで…。
これが機能するのは国外に債権者がいない場合だけですが、ま、ほとんどいないという説もあり。平成の開国ならず平成の鎖国がふさわしいのでは、少なくとも財政規律の観点からはそう思うのでした。
もちろん、鎖国をすると輸出産業が壊滅するわけで、実際にそうするはずはないのだと思いますが、そこまで気が及ばないのが我々有権者なのかもしれません。
2011年1月29日土曜日
2011年1月22日土曜日
サッカー日本代表
昨日のサッカーを見ていて思ったのは、やはり、日本には日本のよさがあるということでしょうか。チームワークとか和と言葉にすればなるのでしょうし、全体のために個があるんだというと軍隊っぽくて好きではないのですが、そういうことではなくて、皆がひとつになろうとしたときの強さというか、それはそれで日本のよさなんだと思いました。
これを日本の企業社会に当てはめてみたとき、やはり、必ずしも年功序列とか、非成果主義というものを否定すべきではないんだろうと思います。確かに、もともと高度成長・人口増加を前提とした社会システムだったわけですから、それ自体は破壊されなくてはいけなかったんだと思います。ただ、日本人のよさというのは、チームとしてまとまったときの力の強さであり、そのまとまりのためには、年功序列〝的〟なもの、成果主義の否定〝的〟なものは必要なんだと思います。
ま、難しいのは、サッカーと違って、上層部・管理職ですら結果を求められなくなることですよね。なので、株主によるガバナンスという欧米的なものは残すべきかと。理想論でかつ抽象的すぎるのは分かっているのですが、それすらなければ具体性のある提言もできませんしね。
これを日本の企業社会に当てはめてみたとき、やはり、必ずしも年功序列とか、非成果主義というものを否定すべきではないんだろうと思います。確かに、もともと高度成長・人口増加を前提とした社会システムだったわけですから、それ自体は破壊されなくてはいけなかったんだと思います。ただ、日本人のよさというのは、チームとしてまとまったときの力の強さであり、そのまとまりのためには、年功序列〝的〟なもの、成果主義の否定〝的〟なものは必要なんだと思います。
ま、難しいのは、サッカーと違って、上層部・管理職ですら結果を求められなくなることですよね。なので、株主によるガバナンスという欧米的なものは残すべきかと。理想論でかつ抽象的すぎるのは分かっているのですが、それすらなければ具体性のある提言もできませんしね。
2011年1月18日火曜日
博覧強記
アエラの最新号の「子を入れたい業界と会社:人気エコノミスト16人本音アンケート」(私はでてきませんが、http://www.aera-net.jp/summary/110116_002172.htmlにサマリーあり)に登場させてもらってます。博覧強記とご紹介いただいて恐縮しておりますが、そうなりたいとも思います。
しばらく出版物はありませんが、編集中が2冊、執筆中2冊、構想中3冊ということで、比較的好調かと。梅雨 時の大学院非常勤講師に向けて体調も整えなくてはなりませんな。
しばらく出版物はありませんが、編集中が2冊、執筆中2冊、構想中3冊ということで、比較的好調かと。梅雨 時の大学院非常勤講師に向けて体調も整えなくてはなりませんな。
2011年1月10日月曜日
デフレは悪
マネックスの松本さんの今日の日経の寄稿には、同感することが多くありました。短期の政策は巧いが、長期的には合成の誤謬を生むなど、まさに、言い得て妙ですね。
松本さんからもご指摘があったとおり、デフレそのものが悪いことで、まずデフレをやっつけないとなにも起きないという意識が、政策当事者に低すぎると私も思っています。デフレとはなにかの結果であって、たとえば景気がよくなれば解決するとか、そのように思っているのでしょう。しかし、デフレが諸悪の根源であって、デフレを退治しなければなにも始まらないということは、認識したほうがいいのではないかと思います。
結局、人間なんて実質賃金が下がっても、名目賃金が上がったほうが嬉しいと思うのです。デフレは逆で、実質賃金が上がっていても名目が下がっているから皆が不幸感を持ち、それが経済の停滞につながっているわけですから…。
松本さんからもご指摘があったとおり、デフレそのものが悪いことで、まずデフレをやっつけないとなにも起きないという意識が、政策当事者に低すぎると私も思っています。デフレとはなにかの結果であって、たとえば景気がよくなれば解決するとか、そのように思っているのでしょう。しかし、デフレが諸悪の根源であって、デフレを退治しなければなにも始まらないということは、認識したほうがいいのではないかと思います。
結局、人間なんて実質賃金が下がっても、名目賃金が上がったほうが嬉しいと思うのです。デフレは逆で、実質賃金が上がっていても名目が下がっているから皆が不幸感を持ち、それが経済の停滞につながっているわけですから…。
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