金融理論的には、社債投資は、発行会社の(会計上というよりは時価としての)資産の価値を対象としたプット・オプションの売りであるという解釈が可能です。会社が倒産すると、資産を売却して、まず債務に充当されるのが理屈ですが、社債(を含めた負債)が資産の(売却)額を下回っている限り、社債は償還されるからです。
その意味では、格付けが低い(信用度が低い)というのは、オプションでいえばイントリンジック・バリューが大きいと意味になります。また、ボラティリティ(世の中のごたごた度でしょう)が高まればオプションの価値は高くなります。つまり、このような場合、オプションの売りの対価を表す社債の利回りは高くなります。
ということを、ポルトガルの銀行の話で思い出しました。日本でも少しずつ広がり始める新型劣後債とか、もっと言えば、個人向け社債も、程度が異なるだけで、リスクの質は同じなんですよね。
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