いわゆるデリバティブが金融機関の中枢業務のひとつになってから四半世紀ですが、デリバティブ関連の入門書とか通信教育は、いまだに、金利スワップ、通貨スワップの2つがスワップの中心であって、クーポン・スワップは通貨スワップの亜流という考えかたをしている一方、いわゆるベーシス・スワップについてはほとんど触れないという状況が続いていますね。少なくとも日本で対顧客ビジネスをやるという意味では:
① 金利スワップ → 確かに、ブート・ストラッピングとかディスカウント・ファクターとかの金融工学の基本を知る上では有効な考えかたが多いし、市場での(=銀行間での)取引量は圧倒的に多いので有用
② 為替予約
の2つを教えた上で、実際の取引量としては多いクーポン・スワップを中心に説明すべきなんでしょうね。だって、世の中の多くは中小企業であって、中小企業相手のデリバティブなんて、ほとんどがクーポン・スワップ(というか長期平均為替)の変形ばっかりですもんね。
もちろん、ちゃんと教えたからといって担当者がちゃんと理解するとは限らず、ちゃんと説明できるとも限りませんし、まして、レシオだギャップだノック・アウトだなんていうのを顧客に覚悟させるだけの説明ができているかどうは別の話なのですが。
ただ、業者の側がちゃんと説明しているのに、顧客の側が凝り固まって聞く耳持たない(リスクの説明を聞かずに、メリットばかり追求する)ときがあるのも確かなので、それはそれでどうしようもないらしいです。
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