2014年1月29日水曜日

コンティンジェント

コンティンジェントとつくものに、ま、ロクなものがないのは金融界では常識でして、コンティンジェント・ライアビリティーズ(偶発債務)は、もっとも現れて欲しくないときに現れますし、一時期某保険会社が得意にしていたコンティンジェント・キャピタル(投資先の自己資本比率が低下したときに引き出される出資義務)も、相手が潰れかけたときに引き出されるわけですから大変ですよね。

CoCoと呼ばれるのはシャネルとは全然関係なく、コンティンジェント・コンバーティブルと呼ばれるヨーロッパの銀行が発行している超劣後債で、銀行の側が勝手に自己資本にしちゃうかもしれないというすごいやつです。ところが、通常の株式と違い、配当原資がある限りは固定利率で配当を支払うため、特にアジアでクレジット投資家に人気なんですね。

世の中に美味しい話がないというのは、80年代後半から90年代前半にかけてリース会社向けに大量に発行されたVRNでみんな気付いているでしょうに、と思っていたら、そもそも90年代のこと覚えている人自体、世の中では化石化しているんですよね。アジア通貨危機とかLTCM危機とかロシア危機とか、みんな、歴史の教科書で読む話だったりするわけで、我々の世代にとっての中南米債務危機やS&L危機と同じなのかもしれません…。

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