2013年1月7日月曜日
米ジャンク債利回り
もちろん、実際には、デフォルトの確率(リスク)は利回りそのものではなくて利回り格差に現れますし、その意味ではCDS料率のほうが適切な指標ではあるのでしょうけれど。
ただ、クレジットに「割安・割高」はないという考えかたもあって、ま、正確に言うと「割安・割高」はあるのだろうけれど、割安なものを買っておけばよい、割高なものを買ってはいけないという発想をする人は、長期的にはクレジット投資には向いていないという流派があるのです。詳細は省きますが、要するに、世の中で必要とされるモノやサービスを提供している(=存在意義がある)会社で、かつ、フリー・キャッシュ・フロー(これにもいろいろな意味がありますが、ここでは単純に「営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フローを控除したものと考えましょう)を生んで借金を返済している会社は、そんな簡単には潰れないと考えるのです。その上で、投資適格でない銘柄の利回りはどっちにせよ高いのだから、割安とか割高とかを考えてもあまりしょうがなく、デフォルトを極小化できれば超過リターンが得られると考えるのです。
ちなみに、米国では、投資適格未満(投機的格付)の中では格付の高いダブルB格に投資資金が集中しているよう(http://ftalphaville.ft.com/2013/01/07/1322823/the-zombie-credit-mispricing/)で、所詮、なんだかんだ言っても、みな、格付依存なんですよね。
財政赤字
財政赤字(単年度)が問題なのはなぜか? 日本の場合、国債の大部分が国内で消化されているわけで、税金であろうと国債であろうと民間から国にお金が移動するのは同じですよね。外国に借金しているのでない限り、あんまり心配しなくてもいいようにも思います。
債務残高についても、同じことが言えます。借金を返済するには、資産を売却するか、返済しなくてもよい資金を調達するかどちらかしかないわけで、前者は、国民にとって別にプラスではないし、後者は増税です。これらを避けるには、借り換えを続けるしかありません。債務残高の問題は、元本という意味では、借り換えを続けられるかどうかということなのです。債務残高が多いと、借り換えなくてはならない金額が増え、そのときの資金供給者の思惑にデフォルト発生の如何が依存します。そこが問題なんですね。
もちろん、債務残高が多いと、利払いという固定費が増え、財政運営が硬直化します。それも問題です。ただ、国債の大部分が国内で保有されていると考えると、結局、利息を受け取っているのは日本人なので、国として問題
とは必ずしも言えないですよね。
2013年1月5日土曜日
確率と「ハイ・リスク、ハイ・リターン」
金融理論でいう「ハイ・リスク、ハイ・リターン」は『リターンの分布における標準偏差(や分散)』が大きい投資は『期待リターンも高くなければならない』と言い換えることができます。デフォルト・リスクの高い債券というのは、その分、元本の期待毀損額(デフォルトの確率×デフォルト時の元本毀損額)が大きいですから、利回りが高かったとしても、期待リターンは高くないのです。
同じことは仕組債でも言えて、仕組債の(見た目の)利率が高いことを「ハイ・リスク、ハイ・リターン」と説明するのは間違いです。仕組債の期待リターンは、業者が利益を上げていなくても、同じ発行者が発行する同じ年限の債券と同じでしかないため、ハイ・リターンではないのです。さらに、実際には、業者が(無リスクで、あるいは無リスクに近く)利益を上げているため、仕組債の実際の期待リターンは同じ発行者が発行する同じ年限の債券よりも低くなります。
さらに、金融理論的な意味でのリスクは、通常、仕組債のほうが大きくなります。ということは、金融理論的には仕組債は割りの合わない投資対象なわけです。もちろん、割に合わない行動というのは私たちは沢山していて、宝くじや競馬というのは、テラ銭の分、期待リターンは必ずマイナスですから合理的な人間がやるべきものではないのですが、業界でいう「合理的根拠適合性」でいう『合理的』というのはこの意味での経済合理性までは含んでいないわけです。
ま、いいんですけどね。
「直ちに」「速やかに」「遅滞なく」
『「速やか」との用語は、「直ちに」ほどではないものの「遅滞なく」よりも早い場合を指します。したが
って、顧客からの照会時に回答しなければならないものではありますが、遅くとも、2~3日程度以内には…』
つまり:
直ちに → すぐに
速やかに → 2~3日程度以内
遅滞なく → ??? 1週間以内???
なんでしょうね。
為替レートと中央銀行
新聞報道によると、首相は日銀に為替レートも責任を負わせるとかおっしゃっているみたいです。お気持ちは分かるのですが、ちょっと調子に乗り過ぎなのかなぁーという気もします。期待インフレ率の上昇や名目経済成長率の上昇(プラス転換?)で株価は上がっていますし、そうすると世の中も明るくなってきたように見えるのも確かなのですが、神通力というか、そんなものが自分にあると思ってらっしゃるように見えて、若干危険だなぁーと。リップサービスというか、とりあえずこれまではマーケットは反応していますが、経済政策は日銀の専管ではないですよね。財政政策の方も責任というか、ちゃんと理屈に合うことをやってくれないと、今からスケープゴートを作ろうとしているだけのように思ってしまうのですが。
それに、市場で決まる為替レートを誰かのせいにできるのであれば、国債利回りとか、物価連動国債のブレークイーブンインフレ率とか、日経平均とか、不動産価格とか、原油価格とか、すべて誰かのせいにできるわけで、さすがにそこまで非資本主義的な国ではないように思いますが。
2013年1月1日火曜日
丁寧な説明
そこで思うのですが、細かい説明をしたら誰も買わなくなるようなものであるということは、裏を返すと、そのようなものを買う人というのは細かい説明を受けていないことはおろか、細かい説明に含まれる正確な状況を把握しないで購入を決めていることになりますよね。
「説明したら売れない」というのは業界の側も感じていることのようで、そもそも、金融商品取引法のコンセプトは「ちゃんと説明したら売ってもよい」というものなので、当局もなかなかそこから踏み込めないようではあります。
でも、今年はなんとかならないかしら…なんていうのが初夢ですかね。