米ジャンク債の利回りが6%を下回ったというのでそれなりに大騒ぎになっているようです。ジャンク債の定義とか本質的な意味(必ずしも、日本で直訳されている「屑」という意味ではない)は置いておくにしても、デフォルトの確率が高い分、見た目の利回りが高くなければ期待リターンが他の安全な債券に劣ってしまいますが、その利回りが下がっているということで「買われ過ぎ」という議論になりかけているわけです。
もちろん、実際には、デフォルトの確率(リスク)は利回りそのものではなくて利回り格差に現れますし、その意味ではCDS料率のほうが適切な指標ではあるのでしょうけれど。
ただ、クレジットに「割安・割高」はないという考えかたもあって、ま、正確に言うと「割安・割高」はあるのだろうけれど、割安なものを買っておけばよい、割高なものを買ってはいけないという発想をする人は、長期的にはクレジット投資には向いていないという流派があるのです。詳細は省きますが、要するに、世の中で必要とされるモノやサービスを提供している(=存在意義がある)会社で、かつ、フリー・キャッシュ・フロー(これにもいろいろな意味がありますが、ここでは単純に「営業キャッシュ・フローから投資キャッシュ・フローを控除したものと考えましょう)を生んで借金を返済している会社は、そんな簡単には潰れないと考えるのです。その上で、投資適格でない銘柄の利回りはどっちにせよ高いのだから、割安とか割高とかを考えてもあまりしょうがなく、デフォルトを極小化できれば超過リターンが得られると考えるのです。
ちなみに、米国では、投資適格未満(投機的格付)の中では格付の高いダブルB格に投資資金が集中しているよう(http://ftalphaville.ft.com/2013/01/07/1322823/the-zombie-credit-mispricing/)で、所詮、なんだかんだ言っても、みな、格付依存なんですよね。
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