2014年3月31日月曜日

アベノミクスの効果について

FTアルファビルに面白いコラムが出てました。

1) 実質GDPの伸びは大したことはないけれど、生産人口1人あたりでは着実に上昇している、つまり、人口の高齢化によってアベノミクスの効果は隠れてしまっている

2) 日本の製造業は、円安になっても価格を輸出価格を下げないので、実質(数量ベース)での輸出が悪化している → 粗利が増えるので国内商品に還元される可能性が高い

と読むんだそうです。ただ、日銀のインフレ期待操作はあまりうまくいってないじゃん!という評価で、まったくそのとおりのような気がします。

「消費税増税の影響は軽微にとどまる」とフィッチが

ほんまかいな、という気もいたしますが…。前回の増税のときの状況を詳しく調べてみると、そういう結論が導かれるんだそうです。

事後的な印象からすると、あの増税で日本のデフレは再度悪化したと見る向きが多いと思うのですが、面白いですね。

2014年3月29日土曜日

イギリスで保険会社が…

新規の契約者受け入れをやめた保険契約(結果としては団体保険ですよね)について、保険契約者が適切な扱いを受けていたかどうかを英FCA(金融行動監視機構)が調査するそうです。現在適切とされている販売手法を過去に遡ってあてはめるものではないとしていますが、保険会社の株は大下がりしたとか

バンクローン投信の裏付け資産について → 米金融当局が懸念?

まだバンクローン投信は流行っているのでしょうか?

バンクローン投信の裏付け資産はレバレッジド・ローンといって要するに投機的格付企業向け融資であって、きちんとした人がきちんと分析をしている分には、ものすごくリスクの高い類型に入るわけではありません。しかし、投資信託になると実際にはマーケットを買っているのと同じであって、ということは、市場がゆるゆるになってくるとその分リスクは高くなっていくと言えましょう。ゆるゆるというのは、具体的には、カネ余りで借り手優位になってくると、貸し手にとっては条件が不利になってくるわけです。

とは言え、日本人投資家のクセとして、行くときはガンガンいく(ま、販売するほうが悪いんですけれど)ので、ちょっと心配もあるわけですが、米国の銀行に対しては、FEDやOCCが警告というか、「ガイドライン」を出しています。ちゃんと見てはいませんが、日本でちゃんと報道されているのか、さらに心配なのは、日本でバンクローン投信を販売するときにちゃんとこの情報が開示されているのかちょっといやですよね。

2014年3月28日金曜日

CLOの「ブーム」

カーライルと、イギリスの3iがCLOを組成したという話がWSJ紙に出てました。CLOがブームだというのは、金融危機前みたいで、なんだか不思議な気がします。もっとも、金融危機後の好パフォーマンスを考慮すると、当然だと思ったほうがいいのかもしれませんね。

2014年3月27日木曜日

差し押さえ一戸建て住宅投資の業界団体

-- Securitisation industry lobbies on rental properties - http://www.ft.com/cms/s/0/1d040a72-b4f5-11e3-af92-00144feabdc0.html

一戸建て賃貸住宅は、資産クラスとしては歴史が浅く、証券化に際しても格付け会社間の意見が分かれているのですが、業界団体を作ったそうです。アメリカって、ダイナミックな国だなぁーって思いますよね。

2014年3月25日火曜日

日本の国債は大丈夫?という話

-- Japanese debt: Still climbing - http://www.ft.com/cms/s/0/1ccc6df2-a86f-11e3-a946-00144feab7de.html

ネタ自体に新鮮味はないものの、高橋(関根)恵子さんが『ピンク映画』のスターだったって、いつの話なんだろうという気がいたしますが。

2014年3月23日日曜日

金利操作で、米当局への表明と民事訴訟での主張とが異なっているという話(英国編)

イギリスの銀行が金利スワップの取引で変動金利を操作していたとして民事訴訟をイギリスで起こされていて、そこで、「金利操作は金融危機が最高潮だった一瞬しかしていない」と主張したそうです。

ところが、米司法当局との和解に際しては「2007年9月から2009年5月の間、少なくとも数回は」実際よりも低い金利に誘導しようとしていたとの表明が公開されていますから「それって、ヘンなんじゃないの」と言われているそうです

訴訟戦略では、どちらの当事者も結構ものすごいことを言うので、その一部かとは思いますが、ちょっと格好悪いですね。英銀の側は、本件の原告はこの種のリスクについて悪意だったと主張するのが趣旨のようですけれど。

2014年3月22日土曜日

失敗する自由とパターナリズム(投資編)

確かに、自由主義・資本主義の下では、投資に失敗する自由があって然るべきなのでしょう。

しかし、素人は知識がないから素人なのであって、それにつけこむプロがボロ儲けすることはあまり許されるべきことではないのでしょう。また、そもそも論として、一般論として誤った判断をすることを放置しておくことは、それはそれであまり許されないような気がします。

私自身は基本的には放置的自由主義者というか、リバタリアンなのだとは思いますけれど、それは自分の知識にある程度自信があるからであって、知識の乏しい人に失敗する自由を与えすぎるのはよくないようにも思います。

言ってみれば、西洋医学を全く信じないという人がいたとき、その人が西洋医学の素晴らしいところと限界を充分に認識した上で、それでも西洋医学を拒絶すると言うのであれば、それは、賛成するかどうかは別としてもその人にとっては正しい判断なのでしょう。しかし、横文字が嫌いだとか、刃物が嫌いだといった情緒的な理由で西洋医学を拒絶する人がいたとすると、一般的には、一所懸命説得を試みるのでしょう。

という話を、イギリスの年金改革の話についての記事を見て思いました。どの国も大変ですよね。この記事にあるように、確かに自由は確保しなきゃいけないのだろうけれど、一般論として正しい方向に導いてあげるというのは大事ですよね。

ただ、年金≒投資、ですから、これってもっと大きな意味があるようにも思います。要するに、「アホな投資はするな」というのをどこまでパターナリスティック的に押し付けるかです。高名な弁護士で金融機関側の人などは、どんどん失敗させろという論のようですが、それでいいんですかね。

2014年3月21日金曜日

一戸建て賃貸住宅の証券化とビジネスとしての格付け

ブラックストーンによる一戸建て賃貸住宅証券化はそれなりに物議を醸したわけですが、今度はコロニー・キャピタルによる類似案件が出ていて、クロールモーニング・スターがそれぞれ格付けを発表しています。

以前のフィッチがそうだったように、格付け会社もビジネスですから目立つというだけでひとつの存在意義になりますよね。その意味では、新興格付け会社としてはニッチを見つけたということなのかもしれませんね。

2014年3月18日火曜日

毎月分配型投資信託

日経朝刊に、毎月分配型投資信託で受益者勝訴判決が出たって出てますね。ちょっと、全文見てみたいです。

2014年3月15日土曜日

日本の銀行とPEファンド投資

Japan banks to sidestep Volcker private equity restrictions - Risk.net



ボルカー・ルールは面倒くさいですね。日本の銀行が米PEファンドに投資するのが煩雑になるというのは、誰のためにもプラスにならないような気はします。ただ、所詮その程度のプレゼンスでしかないというのもまた事実であり、それはそれで80年代後半の勢いを知っているとどうなのかしら、という気もしますが…。

2014年3月12日水曜日

英独利回り格差

-- UK and German bond yield gap widest since 1998 - http://www.ft.com/cms/s/0/fd8368f4-a93d-11e3-b87c-00144feab7de.html

昔は、利回りが高いほうはアカん国だったのですが、今は、ユーロ圏のデフレ期待・懸念象徴ですよね。世の中、変わるものです。個人的には、記事にあるとおり、英国債売り・独国債買い(ユーロ圏デフレ深刻化)のほうが可能性が高いように思います。

2014年3月11日火曜日

プライベート・エクイティとクレジット投資

-- Private equity: Apollo’s charge to the top - http://www.ft.com/cms/s/0/dd3c8c42-a825-11e3-8ce1-00144feab7de.html

出自がクレジットの人間としては、共感できる部分が多いですね。ピュアなエクイティとは発想の根幹が違うし、一方で『安全な』案件をやろうとして失敗する銀行屋さんとも違うと。

2014年3月10日月曜日

経常収支赤字は定着するのかしら?

「年度」というのがどのくらい適切な区切り方なのかは分かりませんが、H25年度の経常収支は赤字になりそうですね。

経常収支赤字は、簡単に言えば企業でいう経常赤字なので、これまで営業赤字の分を営業外の投資収益で経常黒字にしていたのが、そういうわけにはいかなくなってきたということですか…。

個人的には、まだ日本の産業を信じているところがあって、そもそも貿易赤字が定着するとも思いたくないし、ましてや経常収支赤字が恒常的になるとも思っていないのですが、仮にこの読みが間違っているとすると、日本の財政、少しだけ心配ですね。まだ大丈夫だとは思いますけれど、センチメントですからね、市場は最終的には…。

LIBORのときより凄いことに

日本で、為替レートを大銀行が操作していたという話が大騒ぎになっていないのはなぜなのでしょう。

LIBORはロンドンの話で、行儀悪い外国人の話ですから興味本位で騒げたのでしょうが、為替は直接、多くの個人・企業に影響を与えるため、大きな問題にしたくないという力がどこかからかかっているのかもしれませんね。

2014年3月7日金曜日

劣後債の実質的な買い戻し

Lloyds Bank Seeks to Swap More than $8 Billion of Bonds http://feedly.com/e/IeXIoixv

米銀は『状況の変化』コールで額面で償還してしまうという乱暴もするようですが、こちらはもっと穏当ですね。

2014年3月2日日曜日

年金が国債をすべて売却?

FT紙によれば、イギリスの大手年金基金が英国債をすべて売却して、アルセントラあたりが運用している中堅企業向け融資ファンドに切り替えたそうです。金利上昇による価格下落を気にしているというのもあるようですが、えっらい大胆なんですね。

私自身は、投資信託としてのバンク・ローンには実は相当懐疑的なのですが、クレジット投資専門の運用会社がやっているものはまた別だと思っていまして、その意味では、鋭い投資かもしれないとは思いますね。

法人格否認の法理

著作の一環で法人格否認の法理を調べようと思い民法を見ていたら:

756条
夫婦が法定財産制と異なる契約をしたときは、婚姻の届出までにその登記をしなければ、これを夫婦の承継人及び第三者に対抗することができない

というのを見つけました。英語でいうプリーナップ(prenuptial agreement)かいなーと思って、そういえば日本でも離婚増えてそうだし、などと思って登記統計を見てみると、平成15年からの10年間で、登記数は69件しかありませんでした。芸能人と結婚するIT長者の人とか、ちゃんとした弁護士が付いているのかしらん?などと思った次第です。