HP and Autonomy: how to lose $8.8bn - http://www.ft.com/cms/7a52adb4-b70d-11e2-a249-00144feabdc0.html 戦略の定まっていない会社が、拙い戦術の失敗を繰り返す例とまで言われるかどうかはともかく、確かに凄いかもしれません。いつまでコア業務が見つけられない某銀行とか、証券業界全体とかに共通しているともいえますが。
2013年5月9日木曜日
2013年5月8日水曜日
価格弾力性
円高になっても日本の産業が壊滅するわけではないのは、日本の製品がそれなりに価格競争力があるからであって、結局、なんやかんやでアジャストするのが国の競争優位性だったりするわけです。FTアルファビルのこのエントリーを見てなるほどと思ったのは、それって実は逆も真理なわけで、円安になったからといって強烈に輸出競争力が回復するわけではないんですよね。
ということは円安は日本経済にプラスにならないのかというと、それは誤りで、仮に需要に価格弾力性があまりないんだとすると、価格を下げてもそれ以上に輸出は増えないわけで、であれば価格を据え置くほうが賢いと考えるほうが自然です。となると、ドル建ての価格が同じならば、円安になれば円建ての売上が増え、利益も伸びるわけです(今日、どっかの自動車会社の営業利益が凄まじいという話が報道されてましたが)。
通常、企業というのは互助組織としての側面を持っていて、利益水準が同じであれば売上が伸びるほうが従業員を数多くハッピーにできるので、価格弾力性の議論は一層複雑になりますし、厳密な経済学的議論をするときっと頭痛がするのだと思いますが、ま、輸出で日本企業がうるおい、それによって日本人が潤うことで内需も拡大することも期待してもいいような気がしますけど。
ということは円安は日本経済にプラスにならないのかというと、それは誤りで、仮に需要に価格弾力性があまりないんだとすると、価格を下げてもそれ以上に輸出は増えないわけで、であれば価格を据え置くほうが賢いと考えるほうが自然です。となると、ドル建ての価格が同じならば、円安になれば円建ての売上が増え、利益も伸びるわけです(今日、どっかの自動車会社の営業利益が凄まじいという話が報道されてましたが)。
通常、企業というのは互助組織としての側面を持っていて、利益水準が同じであれば売上が伸びるほうが従業員を数多くハッピーにできるので、価格弾力性の議論は一層複雑になりますし、厳密な経済学的議論をするときっと頭痛がするのだと思いますが、ま、輸出で日本企業がうるおい、それによって日本人が潤うことで内需も拡大することも期待してもいいような気がしますけど。
ゾンビ続編
世の中では、新規の案件のほうが上等で格好いいという風潮もあるのですが、やってみると流通市場のほうが面白かったりします。特に金融の世界ではそうで、もともとが新車と中古車という意味では株のビジネスは中古車業なわけですが、実は債券も、それどころか債権(ローン)も、結構セカンダリー市場のほうが業者にとっても、投資家にとっても妙味があるし、売り手に流動性が生まれていいわけです。
そこで出てくるのがPEセカンダリーであって、LPがファンド持ち分を売却したがることがあって、それを買いたい人もいるんですね。ゾンビかどうかともかく、売り主はそれなりに、常にいるはずで、昨日もアダムズ・ストリートっていうとこが10億ドルのファンドを組成してますね。
2013年5月4日土曜日
プライベート・エクイティの「セカンダリー」
プライベート・エクイティのセカンダリーと呼ばれる領域は、実は、2つの、しかも相互にあまり関係のない分野に分かれます。
ひとつは、既存のPEファンドに対するLP持ち分を他の投資家から購入するもので、大手の金融機関が大量に手放したものを購入するという形でひとつの運用対象になっています。いわゆるPEセカンダリーというのは、こちらに入ります。AXAとかコラー・キャピタルが著名ですね。こちらは、それなりに意味があるというか、社債などもそうですが実はセカンダリーのビジネスはそれはそれで非常に面白いものです。
もうひとつは、セカンダリー・バイアウト(2次買収)とかターシャリー・バイアウト(3次買収)と呼ばれるもので、投資会社間で会社の売買をするものです。これには批判がつきもので、PEが価値向上を目的にしているのであれば、あるPE投資家が別のPE投資家に売却するときは企業価値は向上し尽くしているはずですし、そうでないのだとすると、売主側が安く売りすぎということになるわけですが、PEはファンド形態であって、ファンドには投資期間があるため、買う側も売る側も時間のプレッシャーがあり、このような案件が増えることになります。日本でも、PE投資の対象となる会社自体が限定的で、特に大型ファンドの買収対象となるような規模の会社が売りに出ることは少ないため、このファンド間転売が増えることになります。
なので、ロイターのこの記事も、内容的には定期的に出てくるものであって、ま、正直新鮮味はないのですが…。
ひとつは、既存のPEファンドに対するLP持ち分を他の投資家から購入するもので、大手の金融機関が大量に手放したものを購入するという形でひとつの運用対象になっています。いわゆるPEセカンダリーというのは、こちらに入ります。AXAとかコラー・キャピタルが著名ですね。こちらは、それなりに意味があるというか、社債などもそうですが実はセカンダリーのビジネスはそれはそれで非常に面白いものです。
もうひとつは、セカンダリー・バイアウト(2次買収)とかターシャリー・バイアウト(3次買収)と呼ばれるもので、投資会社間で会社の売買をするものです。これには批判がつきもので、PEが価値向上を目的にしているのであれば、あるPE投資家が別のPE投資家に売却するときは企業価値は向上し尽くしているはずですし、そうでないのだとすると、売主側が安く売りすぎということになるわけですが、PEはファンド形態であって、ファンドには投資期間があるため、買う側も売る側も時間のプレッシャーがあり、このような案件が増えることになります。日本でも、PE投資の対象となる会社自体が限定的で、特に大型ファンドの買収対象となるような規模の会社が売りに出ることは少ないため、このファンド間転売が増えることになります。
なので、ロイターのこの記事も、内容的には定期的に出てくるものであって、ま、正直新鮮味はないのですが…。
2013年5月3日金曜日
信用スプレッドと信用度
信用スプレッドは、理屈の上ではデフォルトリスクを反映しているものですから、さらに理屈の上では、信用スプレッドはそのときの市場が予想するデフォルト率そのものの指標であって、仮にそこで示される確率が正しければ、格付けなど不要ということになります。あるいは、格付けは本来静態的な様相のほうが多いですが、市場が予想するデフォルト率を無視しないほうがいいという態度にもつながります。
もちろん、市場は市場であって、行動経済学とか行動ファイナンスなどという分野があるぐらい、要するに間違っていることも多いのです。これはボラティリティも同じであって、そもそもボラティリティが上下するなんて統計学的にはおかしい話なわけで(もっとも、期間の取りかたによってボラティリティが変化するということ自体も充分におかしいですが)、にもかかわらずオプションのプライシングでは当然のようにボラティリティを用います。
でも、「ボラティリティのボラティリティが高すぎて、信用リスクの精緻な指標としてはちょって…」なんて、わざわざ格付け会社の人が言ってどうするのかしら?という気がしますけどね、フィッチさん。
もちろん、市場は市場であって、行動経済学とか行動ファイナンスなどという分野があるぐらい、要するに間違っていることも多いのです。これはボラティリティも同じであって、そもそもボラティリティが上下するなんて統計学的にはおかしい話なわけで(もっとも、期間の取りかたによってボラティリティが変化するということ自体も充分におかしいですが)、にもかかわらずオプションのプライシングでは当然のようにボラティリティを用います。
でも、「ボラティリティのボラティリティが高すぎて、信用リスクの精緻な指標としてはちょって…」なんて、わざわざ格付け会社の人が言ってどうするのかしら?という気がしますけどね、フィッチさん。
2013年5月2日木曜日
無借金経営とは
アップルの社債発行が、6時のNHKニュースのトップでびっくりしました。ジョブズ氏のカリスマ性と絡めたい話も分からないわけではないですが「無借金経営からの転換」とまで言うような話なのかどうか。
そもそも、無借金経営って、実質、つまり、現預金のほうが有利子負債よりも多ければ充分ですよね。また、全ての支払を現金でしているわけではありませんから、無負債というわけでもない。というあたりを見ないと意味がないことを無視しないほうがいいと思うのですが。
連結決算と単独決算の差も大事ですよね。アップルのキャッシュは、海外子会社にあるわけで、子会社と本体は決算は同じでも、社債を発行するのは特定の会社ですから。
2013年5月1日水曜日
金融商品訴訟雑感2つ
順不同ですが:
1) 業者側は、なぜ、フォワードの理論値を認めようとしないのか? 金利差によって理論的な先物価格が一意的に決まるのは当然なのに、「将来のことは分からない」と理論をすりかえようとする手法が多く見られますよね。説明義務を負わされるかもしれないことが怖いのかもしれませんが、たとえば、競馬や宝くじは期待値が1(100%)を下回ることなど説明するまでもなく皆がしっているわけで、それと同じように、別に、説明する義務がないと思うのであればそういい切ればいいだけだと思うのですが。
2) 客側は、商品性そのものを問題にしますが、デリバティブの無限の組み合わせは、逆に言えば組み合わせでしかないわけで、化学反応を起こして別のものになるわけでなし、商品性そのものが世の中的に認められないという主張は通りにくいのではないかと思います。リスク・リターン特性が一部の人には向いていないという議論はあるのでしょうし、あとは、対価との関係が分かりにくいという主張もあるとは思いますが。デリバティブが悪いのだとすると、それは相場が悪いというのと同じ話なので、ちょっと通りにくいですよね。
実際には、弁護士さんたちも商売なのであって、勝つためには手段を選んでいないだけなのでしょうから、その主張の大人気の有無を問うこと自体が大人気ないんでしょうけれど、子供に夢を与えられる商売ではないですよね、そうなっちゃうと。書生くさい言いかたですけれど、理論は理論として正しいことを確認し合った上で、より洗練された土俵で議論がなされた上での判決が見たいんですけれど…。
1) 業者側は、なぜ、フォワードの理論値を認めようとしないのか? 金利差によって理論的な先物価格が一意的に決まるのは当然なのに、「将来のことは分からない」と理論をすりかえようとする手法が多く見られますよね。説明義務を負わされるかもしれないことが怖いのかもしれませんが、たとえば、競馬や宝くじは期待値が1(100%)を下回ることなど説明するまでもなく皆がしっているわけで、それと同じように、別に、説明する義務がないと思うのであればそういい切ればいいだけだと思うのですが。
2) 客側は、商品性そのものを問題にしますが、デリバティブの無限の組み合わせは、逆に言えば組み合わせでしかないわけで、化学反応を起こして別のものになるわけでなし、商品性そのものが世の中的に認められないという主張は通りにくいのではないかと思います。リスク・リターン特性が一部の人には向いていないという議論はあるのでしょうし、あとは、対価との関係が分かりにくいという主張もあるとは思いますが。デリバティブが悪いのだとすると、それは相場が悪いというのと同じ話なので、ちょっと通りにくいですよね。
実際には、弁護士さんたちも商売なのであって、勝つためには手段を選んでいないだけなのでしょうから、その主張の大人気の有無を問うこと自体が大人気ないんでしょうけれど、子供に夢を与えられる商売ではないですよね、そうなっちゃうと。書生くさい言いかたですけれど、理論は理論として正しいことを確認し合った上で、より洗練された土俵で議論がなされた上での判決が見たいんですけれど…。
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