信用スプレッドは、理屈の上ではデフォルトリスクを反映しているものですから、さらに理屈の上では、信用スプレッドはそのときの市場が予想するデフォルト率そのものの指標であって、仮にそこで示される確率が正しければ、格付けなど不要ということになります。あるいは、格付けは本来静態的な様相のほうが多いですが、市場が予想するデフォルト率を無視しないほうがいいという態度にもつながります。
もちろん、市場は市場であって、行動経済学とか行動ファイナンスなどという分野があるぐらい、要するに間違っていることも多いのです。これはボラティリティも同じであって、そもそもボラティリティが上下するなんて統計学的にはおかしい話なわけで(もっとも、期間の取りかたによってボラティリティが変化するということ自体も充分におかしいですが)、にもかかわらずオプションのプライシングでは当然のようにボラティリティを用います。
でも、「ボラティリティのボラティリティが高すぎて、信用リスクの精緻な指標としてはちょって…」なんて、わざわざ格付け会社の人が言ってどうするのかしら?という気がしますけどね、フィッチさん。
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