2013年12月30日月曜日

ディストレス債権投資(ヨーロッパ編)

US distress debt investors target Europe - http://www.ft.com/cms/0322d550-6f0b-11e3-9ac9-00144feabdc0.html

米国のディストレス債権投資家が、ヨーロッパで活動を活発化しているとか。昔は日本がそういう楽しい国だと思われていたのですけど。

2013年12月29日日曜日

「他人の助言を聞くな」という助言は自己矛盾ですが…

WSJ紙に「これまで聞いた最高の投資アドバイス」という22人の話が出てました。誰かが翻訳して、広めるべきだと思いますが、それはともかく、面白いです。

2013年12月28日土曜日

米国債利回り上昇

アメリカで10年債の利回りが3%を越えてきたみたいですね。FT紙WSJ紙も、景気の見通しがよくなってきているんだから当然じゃん、という論調のようです。

先日のFOMC後の声明を見る限り、雇用環境が悪化すればテーパリングは中断(金融緩和の終結作業の中断=緩和継続・巻き戻し)、雇用環境が好転んすればテーパリング継続ということで、要するに、FEDが景気≒株式市場の番人になることを宣言していると見るべきだと思っていまして、しばらく株は買い続けてもいいのかも、という気もしています。もちろん、景気が急激に悪化するとなにをしても無理というか、さらなる金融緩和は難しいので、手の打ちようがないというのはあるのですが。

2013年12月27日金曜日

資金調達は銀行でするか、持株会社でするか

Banks address ‘too big to fail’ question - http://www.ft.com/cms/df877896-6c7e-11e3-ad36-00144feabdc0.html

イギリスの銀行は、かつては米銀と異な持株会社方式でなかったので、この話は出なかったのですが、今や時代は変わったということですね。ただ、他の欧州諸国の銀行が引き続き親会社=銀行ですから、競争上どうよ、という気もいたしますが

韓国のプライベート・エクイティ

South Korea funds flourish as rivals fade - http://www.ft.com/cms/872ce12a-6631-11e3-aa10-00144feabdc0.html

日本でも日本のファンドが頑張っているとは思うのですが…。

次は保険会社?

"Insurers pose risk for next big crisis" http://feedly.com/k/1eGQBHO
保険会社は直接は決済機能を持っていないので、銀行ほどは破綻時の影響は大きくないのですが、結局、デリバティブやレポで金融セクターに組み込まれちゃうんすよね。

来年は証券化復活?

https://www.globalcreditportal.com/ratingsdirect/renderArticle.do?articleId=1230310&SctArtId=204231&from=CM&nsl_code=LM&sp_mid=26243&sp_rid=53700

株価も上がってきたし、世の中のリスク許容度も高まるといいですね、業界の末端にいる人間としては。

2013年12月26日木曜日

はずれることもあるので自慢にすらなりませんが…

4月のAERAに掲載されていた、今年の株式相場予想、このままだとほぼ当たったと言えそうです。ちなみに、以前も書きましたが、来年は2万円だと読んでまして、3月に1万8000円、6月に1万6000円、9月に1万8000円を回復して、年末に2万円ってところです。

2013年12月24日火曜日

米クレジット市場

US corporate bonds rally on Fed taper - http://www.ft.com/cms/8d9d7e02-6992-11e3-89ce-00144feabdc0.html

アメリカで社債のスプレッドが縮小しているようですね。景気の方向を考えれば当然なんでしょうけれど。

2013年12月21日土曜日

銀行のリスク移転取引

NYT紙のディールブック欄に出ていて気付いたのですが、米連邦準備制度理事会(いわゆるFEDですね)が、大銀行の「リスク移転取引」に懸念を表明しています。

連結対象ではなくてもスポンサーとなっている会社にリスクを移した場合は、「実際には自分がリスクかぶるんでしょ?」という話であって、これは会計ルールとは別の実質を見ると言う宣言なので、結構画期的なように思います。結局、エンロンとかもみなこの手の話なわけで…。会計的には「その手の先は連結しろ」という議論なのでしょうけれど、ここでは会計ルールとしてではなく、監督上の自己資本の考えかたですが、いずれにせよ、形式ではなく実態に踏み込もうというのはアメリカにしてはすごいなという感じでしょうか。

また、証券化等で行われるSPCへの売却についても、結構厳しい内容になっています。というのも、リスク・ウェイト100の資産を売却したら、8の資本が浮くというのは基本的な考えかたであって、要は、真正売買とかそういう議論になるわけですが、今回のFEDの関心は、「SPCの資本が(今の話であれば)8ないと、結局はその損失って、誰もかぶらないよね?」ということであって、その場合、SPCの資本と8との差は、再度銀行がかぶれといっているわけです。

これは、そもそものリスク・ウェイトが正しいのかという議論を避けてとおれないのですが、これが実現すれば、証券化が内在的に持っているキャピタル・アービトラージの議論を根本的に覆しますよね。

格付け会社のいがみあい

久しぶりに見ました。ムーディーズが「New Single Property CMBS Lacks Structural Protections for Aaa」(今度出る単一物件型CMBSは、案件構造が弱くてトリプルAは付けられない)というタイトルのレポートを出していますね。これまで、この手の話が出てくるときは、クロールとかモーニングスターといった新興のストラクチャード・ファイナンス格付け会社や、DBRSという、古参だけれどもメイン・ストリームとは言えない格付け会社を(実質的には)けなすケースが多かったように思いますが、今回は、フィッチS&PもトリプルAを付けているところがちょっと面白いです。

2013年12月18日水曜日

ロング・ショート

FTアルファビルに、ロング・ショート戦略のヘッジ・ファンドがたいしたことないというが出てますね。個人的には、きちんと分析すればいい会社と悪い会社はあるはずであって、その好さ・悪さを市場が見逃すこともあり得るとは思っていて、その意味ではロング・ショートは面白い戦略だとは思うのですが、一方で、基本的にはサルと同じという話を常日頃ことあるごとに書いたり言ったりしていることを考えれば、このような結果には納得しなくてはいけないのかもしれません。

1番最初の「所詮、マーケットと同じじゃん」というのは、おそらくレバレッジのファンクションであって、市場がいいときにはレバレッジが安い(簡単におカネが借りられる)ですし、そうでないときはタイトになるため、仮に、レバレッジ前の戦略的リターンは同じであっても、レバレッジのせいでリターンが変わってしまうのではないかと。であれば、基本的にはリーマン・ショック以降ブル・マーケットだったわけですから、説明は付きますよね。

2013年12月16日月曜日

米債務上限問題

'New GOP': More Hostage Threats - http://huff.to/1cKitao

アメリカで予算で妥協案まとまったようですが、債務上限とは関係ないわけで、来年2月以降、汗になりそうですね。

2013年12月15日日曜日

クック諸島

NYTimes: Cook Islands, a Paradise of Untouchable Assets http://nyti.ms/1fu4pCh

クック諸島の信託が面白いらしいです。お金持ちの人にしか関係ないんでしょうけれど。

2013年12月14日土曜日

ムーア・キャピタルとスキー・リゾート

ムーア・キャピタル「が」ではなく、ムーア・キャピタル「の人が」というところが凄いのですが、まるまるスキー・リゾートをひとつ買っちゃったそうです。

ベネズエラの格下げ

ベネズエラって、正式にはBolivarian Republic of Venezuelaで、ベネズエラ・ボリバル共和国なんですね。まだまだ知らないこと多いです…。

格下げ自体は政局と外貨準備が原因ということのようです。

2013年12月11日水曜日

血のつながりがないことは明らかだが…

性転換をした元女性が、結婚した女性の産んだ子を嫡出子と戸籍上分かるようにしろという裁判の結果が出たましたね。最初は「えっ」と思ったのですが、少し考えてみると、結論に賛成するかどうかはともかく、確かに理屈としては筋が通っているんでしょうね。

というのも、科学的に生殖能力のない夫であっても、今の制度であれば妻が産んだ子は嫡出子と推定されるわけで、(妻が産んだという点を証明するにはどうするかはともかくとして)ということは、たまたま、記録上元女性であることが残っているからといって、その夫が同じ扱いを受けないことはおかしいというのは分かるような気がします。最初は「養子にしろよ」と思ったのですが、もう少し根は深いんですよね。家族というのは、妻と夫が、妻の産んだ子を我が子として育てようとするから家族なんだっていうことなんでしょうけれど、そう考えると、重たいテーマなんですね。

ただ、「男女差別じゃないの」という感がまだ拭えておらず、明日、もう一度読み直してみようと思っています。

2013年12月9日月曜日

緑債券

グリーンなプロジェクトのための資金調達をする債券発行が流行っているという話がFT紙に出ていました。

どうせ「絶対にツブれない」と思って(それは事実ではありませんがそれはさておき)投資するのでしょうから、投資家から見て、別に勘定が分かれていようが分かれていまいが関係ないというか、デフォルトリスクには関係ないんだから、気分がよければいいんでしょ、ということですよね。それはそれで確かに正しいのですが、債券を売りやすくして、証券会社を儲けさせているだけのような。

グリーンだというなら、証券会社はそういう債券のマーケティングをする際には冷暖房をつかわないとか、車で移動しないとか、すればいいのに、そういうことをしないところが嫌なんですよね、口ばっかりで。

2013年12月7日土曜日

スマート・ベータと新株式指数

アクティブ運用は儲からないというのは私の信念ですし、多くの人が同意すると思います。一方、世の中にはアクティブ・マネージャーは沢山いて、自分たちことアルファを生み出されると思ってますよね。ま、そういう人たちがいるからこそ、平均としてのインデックスに意味があるわけであって、なので、インデックス運用がますます流行るということは言えます。

最近いわれているものに「スマート・ベータ」というのがあって、ベータの基がマーケット・キャピタリゼーション(いわゆるマーケット・キャップ、要するに、時価総額)加重の指数なのは実は正しくなく、そこをもっと賢く(=スマートに)やれば、儲かる(=リスクを上げずにリターンを上げられる、あるいは、リターンを犠牲にせずにリスクを下げられる)と主張する人たちが増えています。

FTアルファビルでは、スマート・ベータもアクティブのうちじゃん、という話を紹介していて、なるほどとも思うのですが、やはり、そもそもの指数自体がなにげに恣意的なので、どっちもどっちだよなぁーと言う気がします。で思い出したのが、日本の新指数JPX日経400で、私自身は非常に懐疑的というか、収益性とかそういう一見科学的だけれども所詮会計的なものであって目に見えない、つまり、すごく恣意的なものを指数の選定基準に入れることは反対であって、これって一種のスマート・ベータで、結局、誰かの商売道具なんだよなー、と思いました。

<追伸>
スマート・ベータは「ダム・ベータ+スマート・マーケティング」だという面白いコメントを見つけましたので、リンク貼っておきます。ダムというのはスマートの反対ですね。(ジム・キャリーの「ダム&ダマー」っていう映画がありましたよね。)

投資銀行とコモディティ

ドイツ銀行が、コモディティ取引事業を売却することが発表されていて、結構、業界の中では(業界の中だけでは)話題になっています。儲からないし、資本賦課は大きいし、という話なので理屈には合っているのでしょう。投資銀行の業務とは親和性があって、日本では商品先物=ブローカーなので、証券会社と同じように、若干(相当?)胡散臭い感じがありますが(それは正当化できないとは思うものの、たしかにそう思われてもしかたのない行動をする人・会社が多いことは否定できない)、自己ポジションで価格の動くものを取引するのは、いわば投資銀行のロマンであって、その意味ではコモディティも金融と同じなんですよね。

特に、我々の世代ですと、伝説のソロモン・ブラザーズ(興味がある人は、マイケル・ルイスの「ライアーズ・ポーカー」や「マネー・カルチャー」を読みましょう)が、コモディティ事業の大手ファイブロの子会社だったことを覚えているわけで、なんかコモディティが異端視されるのはちょっと寂しいです。

ま、日本では、ブローカーはブローカーでしかないんですけど。

2013年12月2日月曜日

UBSが市場から劣後債を買い戻すとか

残存が5年を切った劣後債をリファイナンスするか買い戻しできないかしら、というプロジェクトを当時の勤務先の某英系金融機関でやっていたことをふと思い出しました。

米国では、自己資本比率規制の変更が「諸般の事情の変更」だといって、米銀が劣後債(優先株だったかな?)を額面で償還しているというのがありましたが、この記事を見る限り、UBSは市場価格で買い戻すということのようですね。それはそれでありなんでしょう。

というので、某商社が、銀行から借りたおカネでディストレストになった自分の社債を市場から買い取り、償却して大儲けしていたという話も思い出しました。90年代末の話ですけれど。

CMBSの発行が増えているとか

"CMBS issuance at highest since crisis" http://feedly.com/k/1b6QAJc そろそろ、時期的にはそうですよね。不動産投資や不動産のリファイナンスそのものは悪くないわけで