NYT紙のディールブック欄に出ていて気付いたのですが、米連邦準備制度理事会(いわゆるFEDですね)が、大銀行の「リスク移転取引」に懸念を表明しています。
連結対象ではなくてもスポンサーとなっている会社にリスクを移した場合は、「実際には自分がリスクかぶるんでしょ?」という話であって、これは会計ルールとは別の実質を見ると言う宣言なので、結構画期的なように思います。結局、エンロンとかもみなこの手の話なわけで…。会計的には「その手の先は連結しろ」という議論なのでしょうけれど、ここでは会計ルールとしてではなく、監督上の自己資本の考えかたですが、いずれにせよ、形式ではなく実態に踏み込もうというのはアメリカにしてはすごいなという感じでしょうか。
また、証券化等で行われるSPCへの売却についても、結構厳しい内容になっています。というのも、リスク・ウェイト100の資産を売却したら、8の資本が浮くというのは基本的な考えかたであって、要は、真正売買とかそういう議論になるわけですが、今回のFEDの関心は、「SPCの資本が(今の話であれば)8ないと、結局はその損失って、誰もかぶらないよね?」ということであって、その場合、SPCの資本と8との差は、再度銀行がかぶれといっているわけです。
これは、そもそものリスク・ウェイトが正しいのかという議論を避けてとおれないのですが、これが実現すれば、証券化が内在的に持っているキャピタル・アービトラージの議論を根本的に覆しますよね。
0 件のコメント:
コメントを投稿