名目金利をこれ以上下げられないので(←私には異論がありますが、それはさておき)、リスク・プレミアムを下げることで景気を刺激したいというのは、分からない理屈ではありません。ただ、物品税同様、資源の偏在を招くおそれがあり、それを、選挙で選ばれていない中央銀行がどこまでやるのかという点については慎重さが欲しいとは思います。もちろん、なにもやらないのよりはいいという気持ちには変わりありませんが。
たとえばREITを購入するという話ですが、ただでさえ私募ファンドの受け皿で市場実勢よりも高く購入している物件が多い可能性のあるREITの価格を上昇させようというのは、正直違和感があります。ABSの購入にしても、ABSを発行している人たちはいいですが、そうではない人たちの資金調達に波及するのかというと、私は懐疑的なのです。ETFの購入にしても同じで、ま、TOPIXや日経平均のETFであれば、ETF自体にはあまり恣意性はなかろうと思っていますが、じゃあ、非上場企業の株式に対するリスク・プレミアムはどうしてくれるの?という疑問は払拭できません。
結局、完璧な答などないことはよく分かっていますし、カネを世の中に流したい(中央〝銀行〟ですから)という気持ちもよく分かりますが、リスク・プレミアムに働きかけるのであれば、J-REIT指数デリバティブの買い、TOPIXの先物買いのほか、なんらかの基準(おそらくは現在のバランス・シートの規模=資本金+借入金の額)に連動した一律の中小企業向け融資、などが目的にかなってるはずです。
ま、私の思いつくことなど、当然日銀さんも分かっているでしょうが…。
0 件のコメント:
コメントを投稿