2010年10月7日木曜日

実質実効為替レート

 実質実効為替レートの議論のうち、貿易量で加重平均するというところは、なんとなかみなさんすぐに分かると思います。よく分からないのは〝実質〟つまりインフレ率の影響のところでしょう。
 日本と米国の2国しかないとして、1ドル=100円であったとします。1年後やはり1ドル=100円であったら、名目実効為替レートは1ドル=100円のままです。(いま、日本と米国しかないので、貿易相手は米国しかいません)。
 ここで、同じ時期に、日本が2%のデフレ(年間2%物価が下落)、米国が2%のインフレ(年間2%物価が上昇)したとしましょう。日本では、100円だったものが98円になります。一方、米国では1ドルだったものが1ドル2セントになります。その結果、インフレ率を加味すると、本来は1ドル=96円07銭になっていて、実質の為替レートは均衡します。円の購買力が上がっているからです。
 ところが、上で見たとおり、為替レートは1ドル=100円のままです。つまり、本来1ドル=96円07銭になっていなくてはならないのに1ドル=100円になっていますから、円は過小評価されているのです。指数化すれば、実質実効為替レートは100から96.07に下がっている(これは下がっているから円が弱くなっている)ことになるのです。
 何度か申し上げていますが、私は、政策目標はデフレ退治にすべきだと思います。日銀さんがこのことを声を大きくして言えないのであれば、政治家が言わなきゃいけないのではないでしょうか。もちろん、私が間違っている可能性はありますが、デフレを解決すれば、景気は自然によくなると思っているのは私だけではないはずです。

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