2012年11月27日火曜日

コリレーション

 ファイナンスの理論上、分散投資は常に正しいとされ、その根拠はコリレーションが1でないからです。要するに、A株とB株、日本株と米国株、株式と債券など、分散投資をすれば同じ方向に動くことは考えにくいため、(1) 一度にすべての資産の価値が急落することはない (2) 理論的に期待収益率が加重平均になる一方でリスクは加重平均を下回る、わけです。

 理論そのものは間違っていないのですが、結局、将来のコリレーションを知ることは不可能であって、過去のコリレーションから推定するしかありません。ところが、実際にポートフォリオを組んだ上で管理しなくてはならないコリレーションは過去のものではなく今後のものです。たとえば、コリレーションが低ければ大きな損失が発生する確率はその分下がり、たとえば必要とされる自己資本額は少なくなるわけですが、実際には将来のコリレーションなど誰にも分からないわけです。

 「下がれば下がるほど望ましい」という特徴は、いわゆるショート・ポジションです。つまり、私たちはコリレーションのショート・ポジションをナチュラルに持っていることが多いのです。この考えかたは入門編ですが、これをクレジット・デリバティブのトランシェ商品とかに応用するととても楽しくなります…。

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