2010年3月26日金曜日

投資不適格という誘惑

昨日、消費者金融についてコメントしておきながら見落としていたのですが、JCRさんが「消費者金融業界の動向と格付けの視点」というレポートを出してました(http://www.jcr.co.jp/top_cont/report_desc.php?no=09d1171)。文章の内容には特に違和感はないのですが、ふと思ったのは、アイフルのCCCっていう格付け、実際に格付けを使う立場の人がどう思うのかしらって。日本の格付け会社がトリプルCをつけている会社の社債をわざわざ買う投資家は日本には皆無のはずですよね? ということは、仮説としては:(1) 銀行・信金・保険会社・農林系などが〝新規に〟融資をする際の参考(ちなみに、日本人が参加する債権・ローンの流通市場は、投資適格であっても存在しないと私は思っています)にする;または、(2) 既存の社債投資家・債権者(融資をしている金融機関)に対して、サーベイランスの材料を提供する、というふたつかと。ただ、どちらも説得力がないというか、(1)については、格付けを信じている人たちからするとトリプルCの会社には融資だってできないでしょうし、(2)については、そんなこと格付け会社に教えてもらわなくても、ダメポだって分かってますよね、きっと。格付け会社としては、トリプルC格の会社は、倒産しなくてもいい(「だって、絶対倒産するなんて言ってないじゃん」と言える)ですし、倒産してもいい(「だって、単に投機的/投資不適格なだけじゃなくて、トリプルCですよ、トリプルC」と言える)わけで、こうなってくると、ユーザーが格付けにどのような価値を見出すのかと。
昨日も言いましたが、トリプルC格の企業だけでなく、シングルBやダブルCの会社が数多くあれば、トリプルCには意味があるんです。本当の問題は、そのような格付けの会社に見向きもしない投資家(つまり、そんな格付けならないほうがマシと思う人たちが多い)なんでしょうけどね。

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