預金金利は同じくらいの年限の債券と比較してなぜ低いのか? 答は、債券を満期前に換金しようとすると元本割れの可能性がある一方で、預金は(仕組預金を除くと)元本割れがないからです。国と銀行の信用度の違いがあるにもかかわらず、預金金利のほうが低いのは、このオプション性が大きいんですね。
なので、「個人向け『社債』は預金よりも利回りが高いですね!、それは、発行体のリスクがあるからです」というのは正確には間違いであって:
1) 金利が上がって換金しようとしたときに、元本割れのリスクがある
2) 発行体の信用度が悪化して換金しようとしたときに、元本割れのリスクがある
3) 国債と違って流動性に劣るため、仮に金利の低下や信用度の向上があっても、キャピタル・ゲインを得るのは難しい
といったあたりの複合要因で社債の利回りは預金金利よりも高いわけです。ちなみに、現在の金利水準を考えれば、金利低下と金利上昇の確率はどちらが大きいかは明白ですよね。また、仮に確率は低くても「ブラック・スワン」リスクを考えると、債券というのは結構難しい投資対象なわけです。これは「満期まで持つことが前提」というのでも同じで、確かに満期まで持てばという議論は正しいのですが、いつ必要になるか分からないからおカネなのであって、そんな前提が当然のように置けるのであれば「事故に遭わなければ保険は不要」というめちゃくちゃな理屈も建てられるわけで…。
ということを、さっき見ていたネットの記事で思いました。
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