2013年11月30日土曜日

へんな人たち

不動産担保があって、そこに、不動産価格の一定割合までの融資をするのであれば、それなりに安全です。

それなりに安全であることを利用して、その融資を信託して、証券化しました。証券化によって発行されるのは信託受益権です。

ところが、証券とか信託受益権という形では、投資ができない金融機関が存在します。「投資家」ではないというか、融資をするのが本業だとかいう理由のようです。

そのような金融機関のために、せっかく証券化して発行された信託受益権を再度信託し、その受託者が、信託された信託受益権を裏付け(≒担保)におカネを借ります。

なんか、へんな感じですよね。

http://www.moodys.co.jp/PDF/10000/PR_4263_P.pdf
http://www.moodys.co.jp/PDF/10000/PR_4261_P.pdf

銀行の長短ミスマッチとノンバンク

WSJ紙のHeard on the Streetコラムで、イェレン氏の議長就任に際してFEDが金融機関の長短ミスマッチに注目して追加的な資本賦課を検討する可能性が指摘されていて、一方、あまりにそこを厳格化すると、ヘッジ・ファンドとかが悪用するのではというのがあり、さらにそれに対して、じゃ、ヘアカット(担保掛目)を厳格にしようという議論があるようです。

長短ミスマッチは銀行の基本的な機能なのですが、確かに、それによって金融システムが瓦解することがあったら元も子もないので、資本賦課あたりが現実的な解決策なのは分かるような気がします。ノンバンクは、うーん、SIF指定で規制していく手もあるような気がする一方で、規制外であることが存在意義で、かつ、資本主義のダイナミズムでもあるわけで、一筋縄ではいかないんでしょうね。「一筋縄ではいかない」で終わらせてしまっていては、ただの評論家なのですが…。

代替リスク移転と再保険

FT紙のこの話を見ていて、10年ほど前「ART」という言葉がはやったのを思い出しました。クレジットとかストラクチャード・ファイナンスの世界はある程度確率の議論が重要ですし、リスクを移転したときのリスクの引き受け手のリスクというのも重要な論点なので、保険との親和性が高いからです。

ま、証券化(広義も狭義も)がどれだけ進んでも銀行はなくならないというのと同じで、代替再保険商品がどれだけ進んでも、記事にあるとおり、モデラブルなものだけというのはそうなんでしょうけれど、今後も注目かもしれませんね。

中小企業融資と当局

イギリスで某大銀行が融資先の中小企業の業況悪化を奇貨として、不動産を安価で手に入れていたという話が結構な騒ぎになっていますね。イギリスの金融行動監督機構(FCA:もっとましな訳はないのかしらん、とも思いますが)は、融資には管轄がいかないらしいですが、でも、憤慨しているんだそうです。で、問題となった銀行に対して、いろいろな説明を求めるだけでなく、他の銀行に対しても「中小企業融資で、あまりへんなことやってないよね?」というお尋ねのお手紙を出してます。

前も書いたかもしれませんが、某ファンド系銀行は、融資先のノンバンクを倒産に追い込み、あるいは、自ら倒産手続きを申し立てる一方で、それらノンバンクを再度自分のものにしようとするなどしていましたが、日本の当局がそのこと自体を非難したという話はなかったですよね。日本って、変なところで情緒的なのに、変なところでドライなので、正直、よくわかんないことも多いです。

LBO融資がジャンク債の発行で借り換えされているとか

Sponsors off the hook as junk market recycles boom-time LBOs | Capital City | IFRe

IFR誌の話ですが、ヨーロッパでもジャンク債市場が相当復活しているみたいですね。日本で資本市場が発展しないのはなぜかしら、といつも思いますし、一部の人はファンド組成で頑張っているみたいなのですが、なかなかだめですね。銀行が強すぎるのが原因なのか、銀行を強すぎるようにしている私たち投資家が問題なのか。

結局のところ、資産運用というものにたいする根本的な信頼感の欠如も少しは要因としてあって、投資=怪しい=まっとうな会社は近付かない、みたいなのがあるのかもしれませんね。銀行の貸付債権とかもっとファンド化されてもいいのですが、なかなかどうして。

2013年11月29日金曜日

オーストラリア政府が米企業による豪企業買収を認可せず

アメリカのADM(アーチャー・ダニエルズ・ミッドランド)がオーストラリアの小麦取扱の大手業者グレインコープを買収しようとしていたのですが、豪政府がこれを認めず、グレインコープの株は大下がりしたみたいですね。豪東部の輸出に大きなシェアを占めているため、その会社を外国人が100%コントロールするのは国益に反するそうです。

一方、現在ADMはグレインコープの19.85%の株式を所有していて、これを増やさないようにすることもできたものの、上限の24.9%までは増やしてもいいですよとも言っています。外国人嫌いでないことを示したいのでしょうけれど、どうですかね。

オランダがトリプルAでなくなっている…

しまった、全然気づいていなかったというか、恥ずかしすぎますね、今頃知るなんて。

S&Pのリリースはこちらですが、ちょうど、こないだ出たこの本に、ヨーロッパ経済はオランダに注意と書いたばかりだったので、ちょっと「へへっ」という感じでしょうか。

円安再来?

ま、当然そう思いたい人はいるわな、というのがWSJ紙の記事を見た感想でしょうか。

私自身は、日本株に対してはそこそこ強気ですが、円はどうかなぁー。日銀とFEDの議論は分からなくはないのですが、日銀のさらなる緩和期待ってなによ、という感じでしょうか。

ま、確かにネガティブ金利導入というのはまったく否定できないわけではありませんが、さてどうなることやら。

2013年11月27日水曜日

BDCがリスキー投資ビークルとは

"Risky Investment Vehicle With High Yields Gains Prominence" http://dealbook.nytimes.com/2013/11/26/risky-investment-vehicle-with-high-yields-gains-prominence/

確かに、傍から見ればそうなのかもしれないとも思いますが、BDCもきちんと銘柄を選べばそれなりに良いと思うんですよね。十把一絡げはどうなのかなぁー。

カーライルがヘッジ・ファンド運営会社を買収

"Carlyle to Buy Investor in Hedge Funds" http://feedly.com/k/1idhB36 旧来からある投資運用会社のビジネスモデルにも一理あるということなんでしょうね。販売に手を出さなければ、運用ビジネスはリテールではないですもんね。

2013年11月25日月曜日

マイナス預金金利

US banks threaten to charge for deposits - http://www.ft.com/cms/b1d409d0-5399-11e3-b425-00144feabdc0.html

米国の民間銀行が、再度利下げがあったら、預金に保管料を課すと言っているとか。正直な分、日本よか健全な気がします。

2013年11月23日土曜日

社債取引所

ま、実際には取引所というほど凄いものではないのですが、米国で大手金融機関が社債取引のプラットフォームを作ろうという話がWSJ紙に出てました

あまり法律家の方には賛同いただけないようなのですが、価格の透明性というのは金融市場の健全性を保つ上では極めて重要なコンセプトであって、そのためには、本来、すべての取引は取引所でなされてもいいくらいではないかという極端な意見を持っている私としては、このような動きは歓迎されるものだと思っています。

ま、実際には日本の公社債価格みたいに、1日1回、言い訳のために価格が公表されるだけっていうふうになるのかもしれませんけれど。

新型Exchangeable Bonds

Sponsor enters exchangeable bond market | Top News | IFRe

IFR誌オンライン版でこんな記事を見つけました。日本でEB債と呼ばれているものは、もともとはExchangealbe Bondの略だったのでしょうが、海外のExchangeable Bondは本当の意味での他社株転換社債であって、投資家の側が、株価上昇を追随できるというものです。

この記事で紹介されている債券の面白いところは、債券を発行するのがSPCで、償還原資が株しかないことなんですね。簡単に言えば、株価100円のときに転換価格130円で1株に転換できる債券を発行、ただ、SPCは2株を保有しているというものです。償還日までに転換されなかったら(株価が上がらなかったら)、SPCが保有している株式を売却して償還するしかないのですが、この計算で言えば、株価が50円を下回ったら元本が毀損するというものです。

上値があるという意味では日本のEB債とは明らかに異なる商品性ですが、誰も返済に責任と持たないという点がポイントなわけです。発行に関与しているのはプライベート・エクイティ投資会社で、投資先が上場した後でまだ手元に残っている株を、適宜処分するのに有効だということのようです。半分とは言え、すぐにおカネが入るのが魅力ということですね。

2013年11月19日火曜日

外為スキャンダルの話

UK foreign exchange probe turns personal - http://www.ft.com/cms/8d9c9dc2-5081-11e3-9f0d-00144feabdc0.html

外為スキャンダルの話で、ディーラーが個人でも儲けてたという話があるようですね。罪悪感のなさは、マイナス材料とは限らないような気もしないでもないですが(刑法的にはどうなのかしら)

2013年11月18日月曜日

コメント掲載誌がネットに(またまた宣伝で恐縮ですが)

先週のAERAに個人向け国債変動10年についてのコメントが掲載されていたのですが、ネットに登場したので、恥知らずに宣伝しますです…。

ちなみに(言い訳ですが)、雑誌のほうはこのあと別の方のコメントも掲載されていて、金利が上がらなかった場合のリスクや、金利が下がってもキャピタル・ゲインが取れないリスクについて触れられています。

2013年11月16日土曜日

機を見るに敏(アメリカの話ですが)

ニュースを見ていたら、ブラックストーンが、米国の一戸建て住宅を投資目的で取得しようとする人たちに対する「融資」を始めることが出てました。

ブラックストーン自身が同セクターの投資家でもあって、証券化に際してS&Pとフィッチは格付けしないわ、モーニングスターとクロールは格付けするわけで話題になっていることは以前ご紹介したとおりなのですが、融資プログラムの立ち上げとはさすがです。

言ってみれば、KKR、カーライル、ブラックストーン、いずれもクレジット投資部門がそれなりにでかいですし、エリーズなんかはプライベート・エクイティよりもクレジット投資部門のほうが知れていたりしたわけですから、投資もする、融資もするというのは不思議な話ではないのですが、ま、すごいですね。こういうところ(まず得意分野を作って、そこから派生するビジネスを着実に進めていく)は、見習いたいものです。

クレジット・アナリスト

日本の中小証券会社は、仕組債(外債でもいいですけど)をやたらと個人とかセミプロ(ま、金商法上はアマなんでしょうけれど、金額がでかい)に販売しているわけですが、当然、発行体には信用リスクがありますよね。

で、たいていの証券会社は調査センターとか調査部とかがあって株の分析レポートを発行しているわけですが、クレジットのアナリストがいないのはなんでなんですかね? 株価が上がったり下がったりするのと同じように市場が判断する信用度も上下しますし、株価のファンダメンタルズ分析と同じように、クレジットもファンダメンタルズ分析必要なんですけどね。

英語だから? というのが結論だったりして…

アメリカの大手金融機関の格付け

ムーディーズが米大手金融機関の格付けをいろいろといじっていますね。

バンカメ 持ち株会社Baa2のまま 銀行A3からA2に〝格上げ〟
シティ 同上
ゴールドマン A3からBaa1に格下げ
モルガンスタンレー Baa1からBaa2に格下げ
JP 持ち株会社A2からA3 銀行シニアはAa3のまま、劣後はA1からA2

ま、別にいいんですけど…。

2013年11月12日火曜日

ミドル・リスク、ミドル・リターン

今朝の新聞に、某銀行がバンク・ローン投信を提供し始めるという話が出てましたね。債務者が投機的格付けなので、これまでは個人向け勧誘は控えてきたけれども、ミドル・リスク、ミドル・リターンの商品が市場に必要だから導入を決意したという美談仕立てになってました。

じゃ、これまで販売していたジャンク・ボンド(ハイ・イールド債)投信ってなんなの?って思いませんか?

ミドル・リスク、ミドル・リターンという性格付けにも疑問ですけれど。

2013年11月11日月曜日

証券化と格付け

格付けって、順番付けでもあるのですが、トリプルAを付けない場合というのは、一定の割合でデフォルトが起きてくれないと、格付け会社の側でも格好が悪いわけです。たいていの会社はデフォルトしないので、そうなると、トリプルAじゃないというのは格付け間違っていたということになりかねないわけですが、そこを確率という話で逃げるわけですね。

という話を、ムーディーズが今日発表していた日本のRMBS格付け手法というレポートを見ていてふと思い出しました。32ページに「想定デフォルト率」「想定損失率」(「理想的な」という意味の英単語が使ってありますが、実際には想定ぐらいの意味です)の表が出ているのですが、これに合わせて格付けをしているんですよね。たとえば、Aaaは10年で1万件に1件ぐらいデフォルトが出る(この場合は「出てもしょうがない」)という感じですし、Baa3だと、100件に6件ぐらいはデフォルトしてくれないと、こんな低い格付けを付ける意味がないということになるわけです。

バンクローン投信の元

Wall Street feeds the ravenous debt beast again - http://www.ft.com/cms/s/0/281b36f6-4637-11e3-9487-00144feabdc0.html

アメリカでレバレッジド・バイ・アウトが再度流行り始め、投機的格付け企業の信用度に懸念が高まっているという話。私自身は、上手な人がきちんと見ている限り、この資産クラスは相応に安全だと思ってますが、投信って、基本的にはなんでも食うんですよね。

バンクローン投信を勧誘している人、されている人、誰もこんなニュース見てないんだろうなぁー、と思う今日この頃。

ABSが溶けていく?

Ex-Moody’s staff raise alarm over ABS - http://www.ft.com/cms/6b8cfc2c-4861-11e3-a3ef-00144feabdc0.html

証券化ではデリバティブ契約が不可欠なのですが、その相手となっている金融機関がデフォルトしたらどうなるか?という懸念がクローズアップされているそうです。

2013年11月9日土曜日

イギリスのサラ金問題

イギリスで、サラ金が政治問題化して大変なことになっています。

ただ、このコラムが指摘するように、問題は業者ではなくて、利用者であり社会の側にあるというのは正しい分析だと思っています。日本では、政治問題になる前に社会問題となり、立法ではなくて司法が先導することになりましたが、政治問題化したことは健全なのかもしれません。

もっとも、食品虚偽表示とか、マスコミが先導して煽動し、政治問題かするのが健全化どうかはよく分からないし、どちらがいいとは言えないんですかね。

ルールというのは社会のあり方ともつながっていますから比較は難しいですね。法律上は簡単なのに自己破産をよしとしない自己規律を持っている人が多い日本と、そうでない西欧とはルールが異なっても然るべきなような気がしますし、一方で、講学上は「資本主義は資本主義でしょ」という正論もありうるわけで。

ちょうど、銀行と中小企業との関係を、法律上は対等だからといって杓子定規に判断してしまうのと同じなのかもしれませんね。

恥知らずな自己宣伝

今朝の日経朝刊の1面に広告をしていただいたおかげで、拙著「新版 プロが絶対買わない金融商品」がアマゾンの「一般・投資読み物」部門で1位になりました!!!

一瞬なのでしょうけれど、ちょっと嬉しいです。

バブル(自分のカネじゃないし)

「バブルを見つけるのは簡単だが、バブルがいつはじけるのかを当てるのは不可能だ」という話がFT紙のコラムに出てました。量的緩和のテーパリングについてコメントなのですが、資産価格が先に上昇したあとで、長期平均に戻っていくというのがバンク・オブ・イングランドの見立てで「そりゃそうだわな」という結論です。

結局、バブルを指摘しても、バブルで儲けている人がいる間はCrying "Wolf"でしかないわけで、どちらが得かというと、長期的には間違っている人のほうがサラリーマンとしては正しい態度ですよね。自分のカネを賭けている真の投資家はまた別なのですが、世の中にはそんな人はたくさんはいないわけです。

日本の国債の利回りの話とか思い出しちゃいますよね。

変動利付米国債

NYタイムズ紙のディールブック・コラムに面白いが出てました。

アメリカが来年から2年の変動利付国債を発行することにしていて、利率は「13週間(4分の1年ですね)の短期米国債利回り+スプレッド」になるのですが、このスプレッドがどのくらいになるかしら?というのはどう考えるべきなのでしょう。

資金が2年寝るのだから、いつでも抜けられる13週間国債と比較するとスプレッドがあるほうが自然だというのが、「金利は右上がりが当然」説から導かれると思うのですが、このコラムの筆者はそこにはあまりこだわりがないようで、13週間国債と同じことなんだからスプレッドはゼロでいいじゃんという意見のようですね。あるいは、買い替えの必要がないからスプレッドはネガティブでもいいと。

ただ、実際には、アメリカ政府がデフォルトしないわけではないというのが共和党側が下院の過半巣を握っている限り…ということなのでというのがオチなのですけれど。

2013年11月8日金曜日

フランスの格下げについて

報道されているとおり、S&PがフランスをAA+(上から2番目)からAA(上から3番目)に格下げしてまして、要するに、財政再建のために増税をするだけだと柔軟性がなくなるので、ちゃんと歳出削減もしなきゃダメよんという話のようですね。

日本はAA-(上から4番目)なので、もう少しですね。

一戸建て賃貸住宅証券化が人気だとか

US rentals sliced and diced into new asset - http://www.ft.com/cms/b4d3a65a-4731-11e3-b4d3-00144feabdc0.html

新しいものに懐疑的になるのは誰でもそうなのでしょうが、実際、どうなんですかね。私自身は、人はドコかに住まなくてはならないし、中古の一戸建て住宅の流通性は日本よりあるし、おもしろいとは思いますよね。ただ、GSOではなくてブラックストーンですから、いざとなったときの逃げ足も速いことは確かで、LBOの従兄弟だと考えれば…。うーん、悩ましいところですね。

2013年11月7日木曜日

バンクローン投信

バンクローン投信、なんか日本でも流行ってるみたいですね。アメリカでは以前からある商品なのですが、金融危機後もレバレッジド・ローンのパフォーマンスは好調だというのは知っている人は知っていた話で、特に、金利上昇懸念の話もありますから、ここ1年くらいは人気みたいです。

しかし、これを日本に持ち込んで売れると思う人達、あるいは、実際に持ち込んで人気商品にしてしまう人たちも凄いですね。というのも、日本の場合、まともなクレジット商品市場がありませんから、銀行が持っている貸付債権に投資するというのは一定の意味がありますが、アメリカには立派なジャンク債市場があるわけで、わざわざバンクローンでクレジット・リスクを取る意味はあまりありません。

もちろん、金利上昇に強いという側面もないわけではないのですが、最近は、まともなバンクローンはすべてLIBORフロアが付いていて、金利が多少上昇したくらいではフロアを超えてこないので利回りは上がりません。また、確かにクレジット・リスクはジャンク債よりもまし(シニア・セキュアードだから)ですが、それを前面に出しているわけでもなさそうですね。

要するに、目先を変えた商品を出して、それに飛びつく無邪気な投資家が一定数出てくれば、バンドワゴン効果で人気商品になるということなのでしょう。別に日本だけで起きていることだとは思いませんが、いつものことながら偏頭痛しそうです。

米変国(その2)

US floating rate debt: take note - http://www.ft.com/cms/fedb4da0-4701-11e3-9c1b-00144feabdc0.html

テーパリングによって、インフレにならないのに金利の上昇がありうるのだから、変動利付国債は有効なのかもという話。クレジット・リスクはどうなりますかねという最後の一文について、解答はないんでしょうけれど。

アメリカの変動利付国債

US to sell $15bn of floating rate debt - http://www.ft.com/cms/5d9c3116-462f-11e3-9487-00144feabdc0.html

アメリカが2年の変動利付国債を発行するんだそうです。日本の不思議な(かつてのフランスのような)長期債利回りに連動するのではなく、短期債利回りに連動するというまともなものみたいですね。当初の利回りが低すぎて日本ではウケないでしょうけれど(生保が為替で遊ぶのは別)

利用者数≠利益

Tech user numbers do not equal profit, warns SEC - http://www.ft.com/cms/884ede66-4708-11e3-9c1b-00144feabdc0.html

某テック会社の上場を念頭に置いたわけではないらしいのですが、SECがわざわざ『利用者数が増えてても儲かるわけじゃない』っていう必要があるような市場の状況なのでしょうか

株価指数

日経新聞と東証が新指数を開発したという話、今朝のNHKでもやってましたが、そこまで騒ぐ話なんですかね。1年後には誰も話題にしていない可能性が75%以上あると思うんですけど。

為替レートスキャンダル

The forex market encourages crime - http://www.ft.com/cms/3cb91cd8-46df-11e3-9c1b-00144feabdc0.html

考えてみれば、金利と為替はともに取引所がないという点では共通していて、市場性という意味ではスポット為替の取引量が凄まじいのも間違いないですよね。日本は、邦銀で転職が少ないし報酬体型も違うのでここまでのことは起きにくい市場なのでしょうけれど。

2013年11月5日火曜日

エクセル依存について

The siren call of Microsoft Excel - http://www.ft.com/cms/0131b426-42df-11e3-8350-00144feabdc0.html

私は最初はロータス1-2-3でしたが、それはさておき、確かに、ある程度算数がわかる人にとってエクセルは便利ですよね。ただ、ロンドン鯨のミスの一つはスプレッドシートのミスだったわけで、独自ソフトが必要というのも確かですね。

2013年11月4日月曜日

プエルトリコ債

なんか、プエルトリコの債券がちょっと心配らしいです。

米国では利息に税金がかからないので、それなりに人気があるようですが、財政的にはちょっと懸念があるみたいですね。

一戸建て賃貸住宅証券化

FT紙によれば、ブラックストーンの一戸建て賃貸住宅証券化案件に結構な投資需要が集まっているそうです。

この間、フィッチが「トリプルAを付けるのは難しいよね」という話を出していたばかりなのですが、ムーディーズクロールモーニングスターの3社はトリプルAを付けていると。このあたり、以前のショッピング・モール証券化と同じ顔触れで、フィッチとS&Pが腰が引けぎみのところを、この3社が比較的アグレッシブにストラクチャード・ファイナンスの格付けを付けていますね。

ま、格付けも商売なので、意見の相違そのものもビジネスの一環なんでしょうけれど。こういうのを見ると:

1) 格付け会社の専門家ですら意見が分かれる、特に、少なくともS&Pやフィッチの分析ではトリプルAに堪えない(S&Pは私の知る限り公式のコメントはしていないようですが、ま、推して知るべしと)とされている証券を、ほいほい買うのか? (要するに、投資家は、専門性をもって自分で分析したのか?)

2) ムーディーズ、クロール、モーニングスターがトリプルAと言っているんだから、当然安全だろう

という2つの意見が対立すべきなんでしょうね、投資家の側でも、などと思いますが。実際には圧倒的に2)のケースが多いんでしょうけれど。

2013年11月1日金曜日

LIBORに続いて為替もですって

日本ではまだ報道が少ないようですが、英欧では、外国為替レートの操作が相当広範囲に広がるのではないかと言われています。LIBORの件ではオランダのラボバンクがあげられてましたが、それはさておき、外国為替の取引ボリュームは凄まじいですから、影響も大きいわけです。

問題とされているのは、午後4時に決まるという引け値で、各銀行がレートを持ち寄ってそれを平均するという意味ではLIBORと同じで、かつ、その引け値で売りたい・買いたいという客が沢山いることを利用して、どちらかのオーダーが偏っている銀行がレートを操作していたという疑いですね。というか、もう疑いというよりも当然起きていたかのような報道のされかたです。

日本でも、ロイターのページでレートが出ていて、それを用いてたとえばオプションの行使の有無や決済額が決まるという契約があるらしいですから、それに近いのかもしれませんが、イメージするとしたら、TTB/TTM/TTSの世界の話ですかね。銀行とデリバティブやっていると、「その銀行」のTTMを用いて決済金額が決まるというケースが多いと思いますが、ことデリバティブで言えば銀行は円高にレートを設定する強いインセンティブを持っています。他の取引もあるのでデリバティブだけで決めているわけではありませんが、仮に、どちらかにものすごく偏っていたら、そちらの方向にレートを動かしたくなるわけで、それをみんなでやる(あるいは、変わりバンコにいい思いをするように助け合っていた)という構造なんだというのが、報道を見る限りの話ですね。

証券決算

上半期を昨年と比較したら、それは今年のほうがいいに決まっていますよね。でも、第1四半期と第2四半期を比較すると、やはり7~9月は相当苦戦してますね、大手は。このままだと大変かも、と思いました。

CLOの危機

Plea over new rules for boom era debt - http://www.ft.com/cms/3a7e5b94-4235-11e3-bb85-00144feabdc0.html

アメリカのリスク・リテンション規制で、CLOがヤバいかもという話。運用会社がエクイティ投資家のための運用としてやっているアービトラージCLOと、モーゲージやバランスシートCLOとは違うのではというのはそのとおりなのでしょうけれど。