2013年6月17日月曜日

合成CDO

JPモルガンとモルガン・スタンレーが合成CDOを組成しようとしたけれども、買い手が見つからなくて断念したという話がFT紙に出てました。

合成CDOと言ってもピンキリで、たとえば銀行が保有している資産のリスクを外したいという場合に、保有している資産を特定した上で、その資産のリスクをクレジット・デリバティブを用いて外すというのはまだ健全なほうです。資産を売却する手間を考えれば合成的なリスク移転のほうが楽だという理由はまだ可愛いんですね。どうも、JPとかMSがやろうとしたのはこのパターンらしいのですが、最もリスクの低い部分の投資家が見つからなかったんだそうです。以前であれば、ここはAIGとかモノラインがいくらでも買ってくれた(らしい)のですが、今やそんなことをやる人達はあまりいないということのようです。

一方、同じ報道によれば、シティがビスポークのシングル・トランシェものの取引を成功裏に完了させたともあります。これは、特定のリスクの部分だけ証券を発行する(あるいはクレジット・デリバティブでもいいのですが)ことにして、他の部分はデルタ・ヘッジをするというものです。理屈の上では可能なことはわかるものの実際にやるのは大変ですし、特に、金融危機であれだけでかいブラック・スワン・リスクを見たあとなのに、すごい度胸ですよね。


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