2010年5月20日木曜日

フリーコノミクス的な考察

東京体育館のプリペイド・カードには3,000円で3,500円分になるのと、5,000円で5,900円分になるのとがあります。正規と言いますか、一見(いちげん)さん料金は600円(プールの場合、2時間)なので、3,000円のプリペイド・カードを買うと、1回あたりの料金は、600円/回×3,000円÷3,500円≒514円29銭/回となります。同様に、5,000円のプリペイド・カードだと、600円/回×5,000円÷5,900円=508円47銭です。
この価格設定を見ると、3,000円分のプリペイド・カードは買ってほしいが、5,000円分のプリペイド・カードと3,000円分のプリペイド・カードはほぼ中立というか、どうでもいいと思っているように思えます。考えかたにはいくつかありますが、たとえば:
  • 3,000円の投資で500円儲かる → 儲け率は16.7%(500円÷3,000円)
  • 2,000円の追加投資で、さらに400円儲かる → 儲け率は20%(400円÷2,000円)
と、確かに動機付けとしては強いものの、既に16.7%のリターンを得ている人に対しては動意が弱いのではないかと思います。ま、そんな複雑な考えかたをしなくても1回600円が1回514円になると思えば安くなったと思いますが、1回514円が1回508円になったところで、安くなったとは思えないですよね。
おそらくですが、3,000円のプリペイド・カードを買うような人は、その時点でリピーターになることを確実視していて、さらに価格を下げることでより多く来てもらうメリットがプール側にないのでしょう。プールは典型的な装置産業といいますか、変動費がほとんどないビジネスですから、営業日は客が10人だろうが100人だろうがかかるコストは同じわけで、カネ払ってくれる人はみなありがたいのですが、どうせ来る人にサービスする必要はないということなんでしょうね。
なお、東京体育館には、ジム同様月会費で使い放題というプランもあるのですが、そうなると月5,800円です。プリペイド・カードで単価を514円29銭、または、508円47銭まで下げていると、12回以上泳がないとモトが取れない。うーん、このあたりの価格設定も不思議というか、是非、背景を聞いてみたいものです。

0 件のコメント:

コメントを投稿