FTによると、BIS規制の改訂に伴って自己資本としての扱いが認められなくなる「繰り延べ税金資産」につき、投資銀行が「売却しませんか」と営業に回っているとか。
繰り延べ税金資産の資産性は、あたりまえのことですが:(1) 繰り延べている期間内(日本では一般的に7年間)に、それだけの税金負債が発生する(だけの利益を生み出す)か? (2) そもそも永続的に利益を生み出すか という不確実性にさらされており、それがゆえに(詳しくは見ていませんが)BIS規制上問題になっているわけですが、その不確実性(=リスク)を誰かにとらせてしまえばよいわけです。証券化の基本的な考えかたですね。証券化は英語でいうとセキュリタイゼーション(securitisation/securitization)ですが、ま、このあたりですとむしろマネタイゼーション(monetisation/monetization)、つまり、「現金化」「現在価値の実現」ということになるのでしょう。
同じ記事に、年金負債についても同様の手法が検討されていると書いてありましたが、これは、半年ぐらい前に英国でロンジェビティ(「寿命」というよりも「余命」というニュアンスでしょうか)市場を形成しようという話があって、それにつながる話ですよね。
このあたりの、クロス・ファンクショナルな金融プロダクトの開発については、日本はどうしても後手後手に回るというか、アングロ・サクソン系は確かにセクショナリズムはあるのですが、いざというときには上層部同士が協力し合って新商品を作りだす素地を持ってますね。
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