2010年4月28日水曜日

ギリシャ、ポルトガル

EU/IMFへの支援要請で一旦おさまるかに見えたギリシャ問題ですが、なかなかどうして。広い意味では、政治・経済的な統合をしないまま通貨(=金利)統合をしたことのツケではあるのですが、そんな根本的なことを言ったところで目先の問題の分析にはあまり役に立ちません。
考え方として「EU=中央政府」「構成国=地方公共団体」というアナロジーが正確かと思った時期もあるのですが、国というレベルで有権者から選ばれている人達と、地方公共団体とでは議会・政府のプライドや使命感が異なるわけで、言葉も、文化も、人種も、宗教も、「平均的に」見ると異なる国々が助け合うことを期待することは、理屈の世界ではともかく、有権者の感情を配慮しなくてはならない世界では、難しいのかもしれません。
アルゼンチン型の(ほぼほぼ)強制的な債務交換も視野に入れたほうがいいかもしれませんね。さもないと、特にドイツで世論が納得しなさそうです。となるとCDSのトリガーになって…というシナリオになりそうです。スプレッド的にはビスポークの合成CDOに入っていて不思議ではないですが、一般的にはソブリンは入らないのではという気もしています。
ポルトガルはどうか? EUも自分達を守る必要がある(結局、安全なのは、過去の例から見るとドイツだけ:イギリスは通貨統合していないので、別の議論)ため、ギリシャでとどめるのではないかと思いますが…。ショートで儲けたいのであれば、負債のGDP比率、公債費のGDP比率、そして、過去のスワップ取引でこれらの数字を誤魔化していないか、といったあたりに注目するのでしょう。

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