2010年6月1日火曜日

清算機関

取引所と清算機関との違いがよく分からない人は多いのではないかと思います。取引所というのは、価格をマッチングさせるインフラを提供する場所であって、清算機関というのは、取引の相手方になるという違いがあります。もっとも、取引所が清算機関を兼ねているケースが多いのも事実です。
日本では、日本証券クリアリング機構(株式会社が「機構」っていう名称を付けるのは、どっかの銀行系ノンバンク集団みたいですが)が、上場株すべてと東証の先物・オプションを清算しています。一方、大証の先物・オプション等、東京金融取引所の先物は、それぞれの取引所が清算機関になっています。商品取引では、取引所の統廃合が進んでいて、先日は中部大阪商品取引所が解散を決めたと報道されていました(取引所は否定)が、それはさておき、日本商品清算機構(これも株式会社ですね)が清算機関となっています。
で、現在、世界各国で清算機関を通せという話になりつつあるデリバティブですが、実効性はどうなのでしょう。確かに、リーマン型の市場混乱を防ぐためにはプラスですが、透明性という意味では、強制ではないけれども既に清算機関を通じた取引が導入されているヨーロッパの例を見る限り、別に、目立った改善はないようです。強制すればいいのかもしれませんが、やはり、根本は、決済の問題というよりも価格の透明性ですよね。
その意味では、CDS取引の清算機関強制→取引所取引化への道と考えるのかもしれません。

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