2012年12月24日月曜日

イギリスでの金利スワップ裁判について

 一応、マンチェスターのスコットランドのも目を通してみました。

○ マンチェスターのほう
 公刊されている裁判例を見ていて日本でも感じるのですが、訴訟を有利に 進めようとして「銀行にダマされた」という主張を、ユーザーがし過ぎのような気がし ます。銀行が条件を添付せずに署名させる書面だけファックスするなんて、通常はありえないですよね。
 その結果、原告側の証人としての信頼性もなくなり、全般的に原告側の主張はすべておかしいという色眼鏡で見られてしまったのではないかと。訴訟戦術として、極端な主張をして有利にことを運ぼうとするのも分からないではないのですが、預金誤認を主張して高裁からダメだしを食らった例(東京高裁H23.11.9 金法1939号106頁)を思い出しました。
 原告の事業の規模から考えると、「ひととおりの説明は受けたし、その説明で契約内容を分かったつもりには なったけれども、リスクを具体的なものとして認識できるような説明ではなく、説明義務は果たされていなかった」という主張であれば、まだ同情の余地があったのかもしれません。彼我の契約に対する覚悟度合いも考えなくてはいけないのですが…。

○ スコットランドのほう
 市場の動きについて金融機関側が意見を表面していることから、黙示的に助言契約が成立しており、その助言契約上の忠実義務等に違反しているのでは?というのが主要な主張なようですが、どだい無理ではないのかなぁーというのが印象で、裁判所の判断が妥当なように思いました。契約当事者間の力関係にあまり差を認めていないのは、事業者の規模から考えると問題だと思いますが、これは、やはり彼我の契約観にもよるので日本とは事情が異なるのかもしれません。

<日本で役に立つのか>
 結論から言うと、被告側が「ほら、イギリスでも原告が負けていますよ」という材料には確かになるのかもしれませんが、どちらも原告の主張が日本の事例とは異なっているので、直接的に被告側にメリットとなる内容ではないように思います。とはいえ、訴訟戦略としては自分に有利と思えるものはとりあえずなんでも言うという人が多いようで、その場合には、被告側が持ちだす可能性はありそうですね。

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