・ 1ドル>95円だったら、1ドル=70円で100万ドルが買える。
・ 1ドル<75円だったら、1ドル=「200円-市場実勢ドル円相場」で200万ドルを買わなくてはならない
という取引を考えてみましょう。後者は若干分かりにくいですが、ようするに、レートを決める日に、ドル円の為替レートが1ドル=70円だったら、200万ドルを1ドル=130円(200円-市場実勢為替レートである70円(1ドルあたり))で買わなくてはならないということです。
こう見ると、ものすごく複雑にも、ものすごく単純にも見えますが、実際はその中間です。まず前者ですが、前者は:
・ 1ドル=95円を行使価格とするドルのコール・オプション100万ドル分の買い
・ 1ドル=95円を行使価格とし、ペイオフ(受け渡し額)を1ドルあたり25円とするバイナリー(デジタル)のコール・オプション100万ドル分の買い
となります。1ドル=100円のとき、前者からは1ドルあたり5円、後者からは1ドルあたり25円、それぞれ手に入るため、経済的効果としては市場実勢よりも1ドルあたり30円利益が出る、つまり、1ドル=70円(=100円-30円)で100万ドルを購入したのと同じ効果となるわけです。
後者については少しだけ複雑なのですが、実は、この取引をやることによる損益を考えれば簡単です。ドルの買い値が「200円-市場実勢為替レート」で、これをそのときの市場実勢為替レートで売却すれば損益が分かるわけです。つまり、「200万ドル×{市場実勢為替レート-(200円-市場実勢為替レート)}」であり、これは、すぐに「200万ドル×2×(市場実勢為替レート-100円)」と書き直せます。つまり、400万ドルを1ドル=100円で購入するのと同じ損益となる取引です。ところが、この式が有効になるのは1ドル<75円のときだけです。つまり、1ドル=75円よりも円高になると、400万ドルを1ドル=100円で買わなくてはならない取引というわけです。ちなみに、この取引は:
・ 1ドル=75円を行使価格とするプット・オプションの売り400万ドル
・ 1ドル=75円を行使価格とし、ペイオフ(受け渡し額)を1ドル=25円とするバイナリー(デジタル)のプット・オプション400万ドル分の売り
となります。
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