2012年12月25日火曜日

デリバティブの喩え話

デリバティブをなかなか理解してもらえないとお悩みの人達は多く、上手な喩え話を考えればそれなりに喜ばれるようです。私もいろいろと考えてはいるものの、なかなか…。

たとえば、金利スワップ、クーポン・スワップ、コモディティ・スワップなど、変動するもの(短期金利、ドル/円の為替レート=1ドルの価格、金属の価格など)と、決まっているもの(≒価格)とを交換するとりひきですが、こんなのはどうでしょう:

『毎週水曜日に、東京ドームのネット裏の席を1席5,000円で確保します。決まっているのは「毎週水曜日」というだけなので、巨人戦があるかもしれないし、アメフトになるかもしれないし、もしかするとドッグ・ショーとかフラワー・ショーといったスポーツと関係ない試合かもしれません。さらに、そもそもなんの催しものもないかもしれません。とにかく、巨人戦であってもなくても5,000円で1席は確保します。』

巨人ファンの人からすると、このような契約にも意味があるかもしれませんよね。ちなみに、1席5,000円というのは「強制」であって、巨人戦だったら1席5,000円で試合が見られるけれども、巨人戦以外でも1席5,000円でチケットを買わなくてはならないという契約です。

うーん、野球はシーズンがあるし、かつ、将来のスケジュールが結構早くから分かっているから、ちょっと違いますかね。というのも、この手のデリバティブの特徴として:

1) 不確実な将来について、(好かれ悪しかれ)確実性を与える
2) 契約は原則として強制である

というのがあるため、変動要因が必要なんですね。ですから、価格に相当するものを「時間」と構成した上で、例えば、上の例を「巨人ファンの人が、神宮球場に、毎週水曜日、午後8時から午後9時までいなくてはならない」とすればいいでしょうか? 相手が巨人であればこれは権利ですが、相手が巨人以外だったり、雨で試合が中止になったりしたらこれは義務になります。さらに、巨人戦以外の場合には、午後6時から午後9時まで3時間いなくてはならないとしたら、これは日本の銀行が得意な「レシオ型」のフォワード契約と同じですよね。また、相手が巨人の場合でも、球場が90%以上埋まったら退出しなくてはいけないとすれば、これはノックアウト条項付ですね。

なんか、もっといい例が考えつかないでしょうか…。

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