2013年2月28日木曜日

アルゼンチン

FT紙によると、昨日のNYでの裁判で、アルゼンチンは、仮に払えと言われても払わないよん、と宣言したらしいです。債務交換に応じなかったんだから、(言葉はあまりよくないですが)仕返しということなのでしょう。

債務交換で発行された債券の保有者に対しては、アルゼンチンは、その人達にだけ払うのであれば利払いする用意がある一方、債務交換に応じなかった人にも利払しなきゃいけないのだとするとデフォルトするという理屈になってしまうので、そのような投資家も慌てているようです。それにしても、そちら側の弁護士はデビッド・ボイス氏、ヘッジ・ファンド側の弁護士はテッド・オルソン氏ですから、FT紙に言われるまでもなく、2000年の米大統領選を思い出しますね(40代以上のアメリカおたくだと)。

裸の王様と高橋財政

ところで、英語ではThe emperor's new clothesなのに、なんで日本語では「裸の『王様』」なんでしょうね。

それはさておき、FT紙のアルファビル・ブログにも、ここもとの円安は期待先行で内容が伴っていないというが出ていました。自分と同じ考えのものだけ紹介して正当化するというのはあまり格好よくはないのですが、私だけが言っているわけではないということも重要かと思いまして…。

ま、実際のブログのテーマは、麻生財務大臣が高橋財政を目指しているのでは?という話でして、結局はうまくいかないかもという結論が日本で一番大きな証券会社さんの見かただということのようです。

一理あるのはよく分かるのですが、それでも一時的な財政赤字の拡大は覚悟しようぜというのが私の考えですけど。もっとも、JT株放出とか、やれることはあるというのも確かで、本質的には国債は日本政府株式会社の株だというのが私の持論なのでマクロ経済的にはどうでもいいのですが(だからN証券さんの議論には賛成しかねる)、一応ポーズは大事ですよね。

SECが仕組債の業者利益を開示するよう求めているとか…

ブルームバーグによれば、米SECが、株絡みの仕組債について、業者に対して、業者側の評価額と投資家への販売価格との差額を開示しろと言っているようですね。

日本では、金商法の解釈として、行政側がそのようなことは不要であるというお達しを出してますが、かの地でも行政側がこのようなことができるのであれば、日本でも検討しては?という気がします。手数料開示義務の精神からは当然で、行政の裁量の範囲か否かもどうかという説も主張できるかもしれません。

ちなみに、昨年4月には、仕組債(structured note)全般について、こんなお手紙を業者に送っているらしく、たとえばゴールドマンさんなんかは既にある程度手は打っているとブルームバーグには出てますね。

2013年2月27日水曜日

♫このみちーは、いつかきたみーち

欧米でLBOのための融資を借りやすくなっていて、これはこれで困ったもんだとプライベート・エクイエィの人達がいっているそうです

金融危機後のジャンク債やレバレッジド・ローンのトラック・レコードを見れば、融資先がなくて困っている銀行が一所懸命おカネを貸したくなる気持ちも分かります。「おカネが借りやすいから、買収価格が上がっちゃって困るんだよね」というのは、大手であっても半分は本音で、確かにファンド間転売で面白いぐらい利益が出るし案件もできるのでしょうが、投資家からのおカネも集まりすぎちゃって、結局、値段が高いと分かっていても買わされている立場でもあるわけですから。

業界全体で見ると、レバレッジだけが価格を決めているという状況なのでしょう。プライベート・エクイティ業界全体、というマクロ経済の括りかたはありませんが…。

アルゼンチン国債とNYでの裁判

アルゼンチンが債務交換したときに、すべての債権者が応じたわけではなく、交換されなかった債券があります(債権と債券の感じは間違えないように気を付けています)。

で、アルゼンチンは新債券にはちゃんと利払いをしているのですが、旧債券の債権者が「俺たちも権利は同じでしょ」と訴えています。旧債券・新債券ともにNY州法(ドル債なので)ということもあって、NYの裁判所で裁判になっています。

現在焦点になっているのは、両債権者を平等に扱うって、実際にどういうことなのという点で、今日、口頭弁論が行われるそうです。日本ではあまり話題になっていないみたいですが、世界中の耳目を集めているとか。

マイナス金利

イギリスで市中銀行の中央銀行預け金にマイナス金利を付ける(お金の保管に手数料をとる)という案がバンク・オブ・イングランドの副総裁から出ている旨、一般各紙報道しています。日本でもこのくらいのことやればいいのに、まだまだ先は長そうですね。

アメリカでも、現在の超金融緩和はリスクもあるだろうがリスクよりメリットのほうが大きいと思ってやっているというバーナンキ議長の発言がありましたが、世の中はすべて不確実なわけで、不確実を怖がっていたらなにもできませんよね。

2013年2月25日月曜日

なんてったってADB総裁

私は特に黒田さんという選択についてどうこう思うことはないのですが、ADBの総裁をなさっていたということで、通訳なしでルー財務長官とかオズボーン蔵相、あるいはラガルド専務理事とやり合えるんだったらいいですよね。見てみたら、決して英語はネイティブっぽくないですが、それはラガルドさんも同じですし、コミュニケーションが取れるというのは非常にいいことだと思います。個人的にはリフレ派なので、岩田先生の副総裁というのも楽しみですよね。

ただ、そろそろ真剣に財政政策のほうもなにかしないと、市場に飽きられちゃいますよね。いまのところ、円安と株高が並行していて、前者がインフレ期待だとすると後者は輸出産業の業績期待なわけですが、日銀がインフレを起こせるわけではなく、皆がおカネを使いたいと思わない限りはきっとインフレにはならないですから。今日、円安基調が継続しなかったのは、財政政策への催促相場だと思いますけどね。ま、なにをやればいいか分かっているわけではないのでエラそうなことが言えた義理ではないのですが。

本質的には規制緩和なんでしょうけれど、規制の裏側には既得権益があって、そここそ聖域なきなんちゃらもしてほしいのですが…。まずは公共工事でもいいじゃんと思いますし、インフラ整備も修繕需要への対応でいいんだと思っているのですが。

邦銀の国債保有リスク

デュレーションは伸びてるし、国債の保有残高は中核的資本の4倍とかになっているけど、でも、自己資本が充実しているだか大丈夫だ!というのがフィッチのお見立てなんだそうです。ま、意見は意見ということで。

マイケル・ルイス氏によるグレッグ・スミス氏本の書評

少し遅くなりましたが、例のゴールドマンのロンドンの人が書いた本について、マイケル・ルイス氏の書評を見つけました。なんで今更こんな内容で驚かなきゃいけないのというのがごもっともなのですが、もうひとつ別のところで、「所詮、エクイティの人でしょ」っていうのは、本当にそうですよね。

ルイス氏のライアーズ・ポーカー(ありし日のソロモン・ブラザーズ)しかり、フィアスコ(モルガン・スタンレー)しかりですが、ウォール・ストリートは株ではなく金利・債券の文化ですし、証券化もそちらの話ですから、エクイティ畑のひとがゴールドマンの(いろいろな意味で)本当にすごいところなんかわかるわけないよね!という話にはまったく納得です。

ま、スミス氏の本はまだ買ってませんし、その前にまだまだ読まなきゃと思って積読になっている本もいっぱいあるというわけで…。

2013年2月24日日曜日

リスク許容度を高めているのは中央銀行のおかげ?

ボリビアがイタリアやスペインよりも低い利回りで債券を発行できたり、企業向け融資を証券化したCLOの発行が活発になって証券化対象資産が見つからない状態になっているというのは、市場でのリスク許容度が高まっている証拠で、世界中の中央銀行の努力の賜物である一方、リバティだハインツだデルだと、企業が強烈に負債を増やしているのはどうなんだろう?という記事がFT紙に出てます。

市場というのは、つねにババ抜きであるという側面は必ずしも否定できず、第三者から見ると非効率的であっても、他社が儲けているときに手をこまねいて見ていても、四半期とか1年で結果を出さなくては批判される経営陣からすると正しいことをやるインセンティブがないんですよね。もちろん、現在欧米で見られているような報酬改革には一定の効果はあるでしょうけれど、結局、株主自体が短期的な見方で株価を動かす以上、これはなかなか変わらないようにも思います。

2013年2月23日土曜日

イギリス格下げ

ムーディーズが2月22日付でイギリスをAaaからAa1に格下げしてました。アングロ・サクソンかぶれとしては、アメリカの格下げよりもショックがデカいというか、ムーディーズもよく思い切ったなぁーという感じがします。確かに財政状態はそれほどよくはないのでしょうけれど…。

ま、過去を見れば英国経済は盤石ではなく、国際支援を受けたことがあるのも確かですから、サッチャー以降しか知らない我々が判断できないというか、根本的にしょぼいところもあるわけで、ということなのでしょうけれど。

でも、やっぱりちょっと意外です。

格付けと買収リスク

一応、理屈の上では、社債の格付けを附与する上で、格付け会社は「買収リスク」を加味することになっています。買収する側に回って財務内容が悪化する(特に、株式交換ではなく借入で株式取得になるとなおさらです)リスクは分かりやすいところですが、財務内容の悪い会社に買収されたり、あるいは、LBOの対象になって財務内容が無理やり悪くされるリスクもあるからです。

特に後者については判断が難しいところです。というのも、財務内容がいい(借入が少なくて利益率が高い)会社ほどLBOの対象になりやすいわけで、格付けがよすぎるから格付けが悪くなる確率も高いなどと言い始めると、信用度の分析は不可能になるからです。そこで利用されるのが財務上の特約なわけで、要するに、買収の対象になりそうな会社については、支配権が移った場合には額面で(あるいは国債+相応の信用スプレッドの利回りで計算された価格で)償還されるというのが望ましいわけです。

デルやハインツといったハウスホールド・ネームが買収の対象になっている(ハインツはバフェットなのでLBOちゃうという説もありますが)ため、一部の投資家が社債投資に慎重になっているという話がロイターに出てますが、社債のリターン特性を考えたら当然ですよね。もっとも、売り手市場のときは、そんなことも言ってられないのでしょうが。

2013年2月21日木曜日

ヨーロッパでCLO再開

FT紙によれば、ケアン・キャピタルが金融危機後初となるヨーロッパでのCLOの発行にこぎつけたとか。米国と違って、新規のLBOが盛り上がらない中では大変なのでしょうが、ここでビークルを作っておけば、今後出てくるであろう借り換えへの対応で、本当によい銘柄だけをピックアップしていくのにいいちゃんすなのかもしれません。

2013年2月20日水曜日

条件付き転換権付劣後債

ヨーロッパでコンティンジェント・コンバーティブルっていう劣後債が流行していて、銀行の自己資本比率が一定値を下回ると株式に転換されてしまうっていうやつなんですが、最近は特に強烈で、株式が価値を保っていても価値がゼロになるタイプというのが流行りつつあります。FT紙によると、先日ベルギーのKBCが発行したやつは8%も表面利率があったそうで、利回りが欲しい投資家が飛びついたそうです。

ま、本当にリスクが分かっていて買うならいいんですけど、私の基本的な考えかたは、この手の商品はリスクに見合ったリターンがもらえないというものです。そんなリスク取るなら、価格が倍になる可能性がある株買うほうがよほどいいと思うわけです。

ま、「債券」と聞くと、自分だけは安全だと思ってしまうのは日本人だけではないということなんでしょうね。

2013年2月19日火曜日

いわゆる「金融ADR」について(全銀協)

どうせ変わり映えしないんだろうとおもってちゃんと見ていなかったのですが、ひょんなことで全銀協のほうの最新の金融ADRの状況を見てみたら、結構、びっくりしました。まだ全部見たわけではないですし、印象という話なのですが:

・ 金利スワップの事例が増えている
・ 金利スワップで金融機関側が折れている例が見られる

というのが驚きでした。でも本当にすごいと思ったのは、投資信託や変額年金保険で、金融機関側が不充分な説明を認めて和解しているケースです。これまでは、この手の投資商品では「ちゃんと説明した」と突っぱねるケースが圧倒的に多かったと記憶していたので、へーっっていう感じです。

輸入企業と為替(なんちゃって)

つらつらと考えていたこと…。

輸入企業で、為替ヘッジをしていない会社、あるいは、為替ヘッジをしていてもそのレートを原価に反映させていない会社の場合、原価はそのときの市場実勢の為替レートの影響を直接受けることになります。一方、一般的に原価には固定費部分と変動費部分とがありますし、また、販管費にも固定費部分と変動費部分とがあります。

全銀協の金融ADRを事例を見ると銀行によるヘッジのさせ過ぎが話題となり、解約清算金の一部を銀行が負担する形で解決しているケースも見られるのですが、そこでは銀行側の検証不足というのがよく出てきます。それを見て、そもそも検証なんてできるのだろうか考えてみたわけです。

というのも、上述のとおり、原価のうち変動費の部分というのは一般論として売上に比例するわけですが、実際に売上に比例するのは原価そのものではなくて仕入れの数量に過ぎないはずです。100円のものが売れたから50円仕入れをするのではなく、100円のものが売れたら同じようなものを1つ補充しようとするわけで、その時点の為替レートがそこで効いてきます。つまり、原価のうち仕入れの部分については売上に比例するのではなく、(この場合であれば)「売上×為替レート」に比例するはずなのです。ところで、実際にはすべての仕入れを輸入に頼っている会社もないわけなので、結構考えが面倒くさくなります。

また、業態にもよりますが、仕入れ値の変化は多少のタイム・ラグを経て価格に転嫁されます。今の例であれば、今期の仕入れ値に影響を与える為替レートが、今度は、来期の販売価格に反映されるわけです。部品製造メーカーなどは一般的にこのような構造を持っていることが想定されますから、要するに、今期の売上の一部は前期の為替レートの影響を受けた価格設定と関連しているのです。

本来であれば、ここまで考えて企業評価もやらなきゃいけないんだろうなぁー、と思いつつ、でも、実際にはきっとみんなせいぜい重回帰分析しかしていない、いや、もしかすると単純な回帰分析しかしていないかも…などと思いました。

もちろん、企業の側ではこのあたりのデータが本来はしっかりしているべきなのですが、一方、世の中には読めない要因もあまりに多いためモデルだけが精緻でも意味がないのも事実ですが。

2013年2月18日月曜日

S&Pが日本のAA-を確認、見通しは引き続きネガティブ

貿易収支赤字は気になるものの、所得収支の黒字幅が大きく、今後2年間は経常収支も黒字を保つ見込みですか。あまりちゃんと見ていなかったのですが、(当たり前ですが)ソブリン格付けをするとなるとしっかりと分析してるんですね。

前も触れたかもしれませんが、私は「国債=エクイティ」説なので、日本人が国債を保有している限り日本の財政破綻はないという考えに近く(100%そうだというわけではありませんが)、経常収支が黒字である限りは、P+L的には日本からおカネが出ていっているわけではないので心配ないと思っていますが、まずは貿易黒字を回復したいところですよね。

「ヘッジ付外債投信」が人気とやらについて

大新聞が夕刊とはいえ、トップの記事にするようなことなのかしら?と思いつつ…。

外国債券の為替リスクをヘッジするというのは、ものすごく単純にいうと、為替リスクは排除できるものの、他のリスクを際立たせる働きがあります。具体的には金利リスクと信用リスクで、前者はその通貨の金利変動、後者は発行者の信用度(の変化)によるものです。

たとえば、一般論としては米国債を為替ヘッジ付で買うことに意味はありません。なぜなら、為替ヘッジをしてしまうと、両国の金利差を消してしまうからです。つまり、日本の国債を買うのと同じです。ただし、日米のように、短期金利の差のほうが長期金利の差よりも大きいと、短期的には「米国債における『短期金利と長期金利の差』」に注目した投資は可能です。ただ、これも未来永劫に続くわけではなく、10年の米国債を購入し、為替ヘッジを続けていけば、10年後には、実際には日本の公債を買っていたのと同じ利回りに収束するのが理屈なのです。

ここで、仮に10年国債を半年後に売却するつもりなのだとしたら、結局、米国債の価格変動リスク、つまり、金利リスクを負っていることになります。もちろん、それを分かった上で投資をするのであればまったく問題ないのですが、そもそも日本の国債にだってどんなリスクがあるか分かっている個人投資家はさほど多くないわけで、結構な疑問だと思います。

信用リスクについてはいうまでもないでしょう。発行者が倒産したらおカネを失うというリスクです。これは、投資対象の債券の満期が長かろうが短かろうが発生するリスクです。新聞記事で「短期の好利回り債」で「ヘッジ付でも7%が期待できる」とあったようですが、この低金利で7%もの利回りが出るような社債なんて怖くて買えないような気がします。「外債だから利回りが高いんじゃないの?」と思うかもしれませんが、為替ヘッジをしているということは、短期金利差の分は消えていますし、そもそも日米の金利差はさほど大きなものではありませんから、日本円で7%の利回りが出る債券だと考えればいいでしょう。そんなものがあったら、発行者の信用度を疑うほうが正しい神経です。

2013年2月17日日曜日

格付け会社の格付け

ムーディーズは上場会社、フィッチはフィマラックというパリ上場の会社の子会社、S&Pもマグロー・ヒルという上場会社の子会社なわけで、民間会社としてどれもそれなりに資金調達ニーズがあったりします。特に、ムーディーズとマグロー・ヒルは、実際に格付けを取得しているのです。

S&Pを米司法省が訴えた(民事ですが)のは2月5日ですが、それを受けて、2月7日にはフィッチがマグロー・ヒルの格付けをA-からBBB+に格下げ、そして15日にはムーディーズがA3からBaa2に格下げしています。

というのを、たまたま見ていたブルームバーグのニュースで気付いたのですが、三井住友信託の瀬良礼子氏って著名な方なんですね。恥ずかしながら存じ上げませんでした…。

ちなみに、ムーディーズの格付けはS&PからBBB+となってます。

2013年2月16日土曜日

ソロス氏と円売りトレード

ソロス氏を含め、グローバル・マクロ系のヘッジ・ファンドが円売りで大儲けしていたという話がWSJ紙FT紙に出てましたが、これを見て、「もう円売りトレードの旬は終わった」と言っている人たちがいるそうです。

ロジックは簡単で、大儲けをしている人たちの手の内が公になるときというのは、たいてい、既に手じまっているからというものです。もっとも、ポジション・トークとして、さらに同じ方向に持っていこうとしている場合もあるので一概には言えませんし、その意味では、そちら(円売りはもう終わり)というのこそポジション・トークでもう一回買いなのかもしれませんね。

G20が注目されている理由は円安のペースが速すぎたからですし、ここで大きなポジションは取りにくいんでしょうけれど、もうすこし円安でもいいのかなぁーという気はしております。

それでもジャンク債は面白いじゃん、という説もあり

FT紙に、「ジャンク債は高すぎる(利回りが低すぎる)という説はあるけれど、まだ投資チャンスはあるよん」という意見が出てました。

「お、すっげー」とか「ポジション・トーク(自分が保有しているから価格が下がったら困る)」ちゃうのとも思ったのですが、よく読んでみると:

・ 確かに、現在のジャンク債は買われ過ぎのような気がする
・ 利益と損失の非対称性(必ずしも確率で加重しない)を考えると空売りに一理あり

と言ってまして、ただ、一部のディストレスト(すっごい価格が下がっている)ジャンク債であれば、債券価格も額面の70とか80%であり、デフォルトは20%程度の確率なんだから、ペイするんじゃないのっていう話でした。クレジット市場ではこのような発想も非常に大切ですが、いかんせん、日本ではユニバースが狭すぎて、なかなかこのような理屈が通らない(大数の法則が働くほど母集団がなく、確率どおりにいかないリスクが高すぎる)という悩みがあります。

米CMBSの裏付け債権で保守性が落ちているかも…

WSJ紙の記事(正確にはブログですが)で、JFK近辺のホテル向け債権でCMBSに組み込まれていたものが、最近、スペシャル・サービシングに移行したというのが出てました。フランチャイズ契約が「理由あり」(通常は契約違反)で解約されたことに伴いキャッシュ・フローが低下・停止したことによるものだそうです。

同記事によれば、金融危機後の米CMBSの裏付け債権はおおむね審査の基準が厳しいと思われているものの、必ずしもすべての債権にあてはまるわけではなく、別の2011年案件2件からも数件の債権がスペシャル・サービシングに移行したとか。

2013年2月14日木曜日

債券の損益非対称性

Big investors lead bets against junk bonds - http://www.ft.com/cms/5f47bb20-7605-11e2-8eb6-00144feabdc0.html

国債を含めて債券には利益と損失との間にとんでもない非対称性があります。それでも行くっていうのがクレジット投資の醍醐味の一つなのですが、空売りというのもその非対称性を逆手に取る有効な手法です。欧米でオオテノ投資家がジャンク債の空売りを仕掛けてるという話がFT紙に出てました。ジャンク債は利回りが高いので空売りのコストも高いのですが、どうやってるんですかね。コストを賄おうとするとロンドン鯨みたいになっちゃいますしね。

ゲーム理論とゲーム

Real lessons from virtual worlds - http://www.ft.com/cms/s/0/151b8794-750f-11e2-a9f3-00144feabdc0.html

劣等生として学生時代にゲーム理論をかじった身としては面白い話です。実際問題として、経済の問題の多くはある程度単純化しないと本質がなかな理解できない性質を持っているのでたしかに有用そうです。

ただ、日本で、著名な経済学者がゲーム開発に携わる日が来るようにはあまり思えませんが。

G7声明の解釈

G7の声明について円安容認なのか、通貨戦争牽制なのか、いろいろな解釈ができ、困っているという報道があるようですね。個人的には、日本の過去20年は異常であり、日本については多少のことは見逃してあげるよというメッセージだと解釈しています。為替レートそのものを政策目標にすべきではないといっているわけで、インフレ期待による名目為替レートの動きまで否定するものではないでしょうに。

2013年2月13日水曜日

自分で自分の首を絞める

アメリカでレバレッジド・ローン(投機的格付企業向け融資)を証券化するCLOが好調で、ジャンク格付け会社もガンガン借り換えをしていたのですが、さすがにローンの利回りが下がりすぎて、ちょっと調子が悪くなっているというのがWSJ紙に出てました。ま、利回り低下はCLOがローンを買い過ぎたからで、その意味では自分で自分の首を絞めたことになったようです。もっとも、一時的ちゃうの?という論調ですし、この株の上がり方を見ていると、企業の側も強気になりそうですよね。

知っている人は知っている(クレジット・デリバティブ編)

クレジット・デリバティブというのは、企業の倒産を対象にした保険みたいなものですが、保険と異なり、リスクを引き受ける側にはライセンスは必要なく、(保険のアナロジーで言えば)保険事故によって(保険単独で見れば)儲かる立場に誰でもなることができます。ところが、日本で言う破産・会社更生など簡単な破綻ばかりだといいのですが、必ずしもそうも言えないことが起きると、そもそもその事象が「保険事故」に該当するかどうかを、業界団体で話し合って決めましょうということになっています。

こないだ、オランダの不動産金融機関が国有化され、オランダの国が保有していた劣後債の価値をゼロにするという処置が取られたのですが、民間の投資家がいなかったこの債券の価値がなくなるというのが、「保険事故」に該当するのかどうかというのがその業界団体で話し合われていたのですが、結局、FT氏の推測では「よーわからんから明日もういっぺん話し合おまい」という話になったとか。

ま、いまどきクレジット・デリバティブについて詳しくなっても、使い道がないという説もありますが…。(ちなみにこの人はまともです)。

2013年2月12日火曜日

Caveat emptor か Caveat venditor か

英FSAが「自分でもよく中身の分かっていない投信を販売していた」という理由で、UBSに課徴金を命じています(fineという単語は罰金に近いと思うのですが、日本で罰金は刑罰に該当するので、行政処分としては課徴金が正しい訳のようです)。中身が分かっていなかったから、(金持ちとは言え)そのような商品に適していない投資家にも販売していたともされています。

そんなの日常茶飯事じゃん、というのが日本の事情を見ている人の印象ではないでしょうか。金持ちだったら損させてもいいんだって、言い切る業者もいるみたいですしね。

中央銀行の役割

中央銀行の独立性といった神学論争も一旦収まったようですが、真に独立した中央銀行なんてありえないのは当然だと思います。Fiat Currencyという制度を採用している以上、中央銀行は政治的な組織であり、政治というのは(漠然としていますが)国民のためにあるわけですから、国民経済のために中央銀行が存在しているのは当然であり、民意とともに中央銀行の存在意義は変化してしかるべきだと思うのです。世の中の役に立たない学問が無意味だとは言いませんが(もっとも、純粋数学も極めて実利的な役割があるらしいじゃないですか…)、社会科学は社会に有用であってこそ存在意義があるわけで、純粋経済学なる学問は存在しないわけです。

とまとめたらちょっと乱暴ですが、「通貨戦争など起きていない」という話がFT紙に出てました。著者は前スイス中銀総裁で、なるほどっていう感じです。

2013年2月8日金曜日

S&Pに対する訴訟

確かに、米政府のS&Pに対する訴訟は不思議ですね。訴訟そのものは不思議ではないにせよ、なぜムーディーズやフィッチは被告になっていないのか? ブルームバーグのこの記事を読むまであまり気に留めていなかったのですが、確かにそんな感じはします。

個人的には、格付け会社には知人が何人もいますし、そうでなくても、基本的には私は格付け会社のビジネス・モデルは間違っていないと思っているので、金融危機への格付け会社の関与度合いというのも懐疑的ですし、米政府が訴訟を提起したことにたいしても疑問符付きで見ています。

2013年2月7日木曜日

誰かが貸し続ける限り会社は潰れない

アメリカで投機的格付け社債の発行が昨年きわめて好調だったそうで、そのような企業が借り換えに困って多額のデフォルトが出る可能性があるのは、2017年まで伸びたそうです、ムーディーズによると

ま、それはそれでいいというか、そんな、いわばマクロ情勢に気をあまりとられるべきではないというのが私の心情で、それに賛成する人も反対する人もいるのでしょうけれど(クレジットのマクロ・プレーヤーがいるのは確かですし、クレジットのイベント・ドリブン投資をやれる人の度胸は、それはそれで凄いと思います)、それはさておき、ここに日本の国債における教訓はないでしょうか? そう、発行できるときにできるだけ長期債を発行すべきですよね。確かに、今の5年債と10年債の利回り差は倍率で言えば凄まじく(絶対値としては大したことありませんが)、あれを見ると5年債を発行したくなる気持ちも分かりますが、所詮誤差の範囲ですし。

ただ、そもそも論として、日本の場合、借り換えもさることながら、今年の財政赤字もファイナンスしなくてはならないので、それは、一応、利益を上げることもある会社とは違いますか…。

それにしても、日本の国債のリスクを考えると、よくこんな利回りで投資できるもんだと個人的には思います。よほどみなさん安全志向なんでしょうけれど、その安全さの対価として得ているものを考えると、コスト払ってでも貸金庫のほうが賢いかもしれませんよね。もっとも、マクロ経済的には、国にもおカネを使って欲しいと思いますから、こんなこと言っていてはいけないのですが。

予測損失率の低さ

フィッチが面白いレポートを出してまして、信用度の高い住宅ローンを証券化するときには、余計に信用補完を設けようとするそうです。言っていることは矛盾しているようですが、要するに、表面上のデータから判断すると安全性が高そうなローンでも、それを集めてくると特殊な外的要因に対して脆くなる可能性があるので、そのような脆弱さを加味したいと言っているということです。

クレジット投資にも通じるところがあって、たとえば投資適格と呼ばれる債券に投資をしていると安全かというと、実は、投資適格であるがゆえにクッションが少ない(利回りが低い)ことが多く、結果、ちょっとしたデフォルトによって大きな損失を被ることがあります。ところが、「投機的格付」とか「ジャンク」と揶揄される債券は、それがゆえに利回りが高く、クッションが厚いため、それなりのデフォルトに耐えうるわけです。しかも、揶揄されるがゆえにちゃんと分析をする人がいれば、その人はなおさらアウト・パフォームするってことがありますよね。

だからクレジットの世界はやめられないわけですが、なかなか、日本みたいに、アメリカであればジャンクなのに投資適格にされてスプレッドが狭くなり、逆に、日本でジャンク視されるものはもはやまっとうな経済性の分析ができなくなりますから、債券の世界では難しいです。やっぱり、銀行がいちばん楽しいんですよね、この国のクレジット・ビジネスは。

為替のインプライド・ボラティリティが上昇している

日本は基本的に輸出産業の国なので、円高・ドル安が困るわけでして、ヘッジをする人達もそちらに偏りがちです。ところが、以前申し上げたとおり、リスク・リバーサルを見ると今やコールを買いたい人達のほうが多いんですよね。これは、首相交代によって円安期待が高まっている、あるいは、円安になったら困るからヘッジをしようという人達が増えていることを意味すると解釈できます。

ひとつの解釈は、銀行さんがさかんにやっていた「レシオ型シンセティック・フォワード」と呼ぶ取引で、レシオというのは要するにプットを倍とか3倍売らせる取引なのですが、このストライク(ドル買い)レートが実勢よりも有利になってきた、あるいは、有利になる点が近づいてきていることです。これまで、高いドルを毎月20万ドル買わされていた人たちが、ドルを安く買うことができるようになる一方で、買えるドルは10万ドルしかないというように倍率(レシオ)が逆転するので、その埋め合わせのために実質的にコールを買わなくてはならないというわけです。

いずれにせよ、リスク・リバーサルが示唆するところは、円安になるとますますボラティリティがあがるということです。円安になればなるほどヘッジしなきゃと思うひとが増えるからです。そして、ここにきてボラティリティが上がってきました。ボラティリティが上がると、リスクを取る人にとっては面白い取引ができるようになりますが、これからどうなりますかね。

2013年2月5日火曜日

クレジット投資

クレジット投資は今世紀に入ってから様変わりし、値動きが激しくなり、トレーディングに近いことも可能になりました。投資適格のクレジット・デリバティブ指標だけではなくさまざまなCDS指標が開発され、そのデリバティブの取引もできますよね。

欧米のクレジット投資家にとって昨年は非常に良い年だったようで、中央銀行の流動性供給の形で金融システムに多額の資金が滞留、ある程度まともな借り手であればいくらでも融資を受けられたという情況であったため、企業倒産が減るどころか、流動性を原因としたクレジット商品の価格上昇(スプレッド低下)もありました。結果、クレジットを投資対象とするファンド(≒投資信託)は非常に好成績を残したとか。

それは今年は難しいでしょ?というのがフィッチの言っていることなのですが、(一応、専門分野なので言わせてもらうと)そもそも、クレジット投資でトップダウンはあまり進められないなぁーというのが正直な気持ちです。実際には、仮に株で運用しろと言われてもトップダウンはしないとは思いますが、結局、クレジット投資のアウト・パフォーマンスの基はどこにあるのかというとデフォルトにあたらないで、どこまで表面的に怪しい(=利回りの高い)ものに投資できるかにあるわけで、価格が倍になることがある株とは根本的に違うと思うんですけどね。

銀行がカネを貸し続ける限り

会社が倒産するのは、支払いができなくなるからです。逆に言えば、赤字垂れ流しだろうが、超債務超過だろうが、銀行がカネを貸し続けている限りツブれません。日本の国債の話でもあるのですが、それはともかく…。

ということは、格付け会社の役割は、ある会社が借金を続けられるかどうか予想することになります。ところが、多くの銀行は、与信基準のひとつに格付けを使います。簡単に言えばどっちもどっちであって、お互いに専門家だと自負しつつ、実は、どちらも単なる素人かもしれないわけです。

このあたりのアヤがクレジット投資の醍醐味であったりするわけですが。

2013年2月3日日曜日

追加型アクティブ投信の運用目標

投資信託は、プロがアマチュアのお金を集めて運用してあげる箱ですが、意外とこれが難しいということに最近気付きました。

ものすごく単純に「株価が上がる株で運用します」という投信があるとします。この投信は、今日、投資家から100というおカネを集め、たとえば5年間運用するということにしておけば、それなりに意味があります。100というおカネで上がりそうな株を買い、上がったところで株を売却し、あとはそのおカネを預金しておけばいいからです(本当は、その段階で投資家におカネを返すほうが良心的ですが…)。ちなみに、追加でおカネが入ってこない投資信託は単位型といいます。単位型であれば、オープン・エンド(解約できるタイプ)であっても許容範囲であって、株価が上がった段階で解約してくれるのであれば、別に問題はありません。

しかし、この投信は、追加型になると実際に機能することはほぼ不可能です。というのも、100のおカネがたとえば思惑どおり110になったとします。単位型であれば追加のおカネは入ってきませんが、追加型だとここで追加のおカネが入ってきます。「株価が上がる株で運用する」ということを標榜すると、ここで入ってきたおカネも儲けさせなくてはいけません。ということは、この時点から見て株価が上がる株を買わなくてはいけないのです。追加型の場合はこのサイクルが毎営業日後とに繰り返されますから、極端な話、「明日上がる株」を毎日買わなくてはならないということになります。当初の設定時に株価が上がる株だったとしても、これ以上上がらないと思ったら売らなくてはいけないわけです。

追加型の投資信託で「株価が上がる株で運用する」というのは「これ以上は上がらないと思ったら」、極端な話、翌営業日に株価が下がると思ったら、売却しなくてはいけません。そして、売却した手取金で、株価が上がり続ける(少なくとも明日の株価は上がる)株を買わなくてはいけないわけです。人間の能力としてそんなことが可能だとは思えません。実際、投資信託はヘッジ・ファンドではないので、銘柄の入れ替えや売買をそんなに頻繁には行わないのが一般的です。ということは、仮に「株価が上がる株で運用する」という投資信託があったとしても、それを信じてはいけないという結論になります。

これは、ベンチマークを上回ることを運用目的とする場合でも同じです。TOPIXを上回る株で運用するということは、TOPIXを上回り続ける株で運用しない限り看板通りではなくなるわけです。仮にTOPIX対比で割安な株式を見つけることができたとしても、割安が修正されたら、あるいは割安が修正されて割高になることが予想されたとしたら割高のピークのところで売却しない限り、前営業日と比較して相対的な株価が下がった場合(割高さが弱まったり、割安さが増幅されたり)、長期的には正しくても、以前から保有している受益者から見るとパフォーマンスの悪化になるわけです。

もともと私は銘柄選択は不可能という立場なのですが、仮に銘柄選択が一般論として可能であったとしても、追加型の場合には毎営業日正しくないと本当の意味では銘柄選択の効果がないことになるので、やっぱり、投資信託はどうなんだろうなと思いたくなります。

2013年2月1日金曜日

円安だ…

ちょっと読み違えてましたね。ほとんど実質的な経済政策がない間は本格的な円安はないと思っていたのですが、期待でここまで来ましたか。口先介入をするのであれば、このあたりでもう一声なのですが、さすがに諸外国の圧力が怖くて、このあたりでは経済閣僚は発言を控えるということなのでしょう。

基本的には、日本はほろびゆく国なのだから円安になるべきという議論には乗りたくなく、よいインフレが起こることを期待して、市場がそれを先取りしているのだと思いたいですよね。株高は、現状は日本の輸出経済を反映している、つまり、円安に反応しているだけなのだと思いますが、全体的な好回転を期待したいところです。願わくば、一部のファンドだけが儲かるようなおカネの回りかたは避けたいですよね。

ということは、やはり政治の出番ということですよね。これはこれで催促相場なんだと思います。是非、このあたりで、若者が将来に希望を持てるような政策をガンガン打ち出して欲しいものです。アエラでは完全に少数派でしたが、この際、40年前、50年前を思い出して、オリンピックだ、万博だといったものでもいいというか、変な意味でなくて国威高揚となるようななんかが欲しいです。

CDOの復活(みたいなもの)

さすがに金融危機後は、CLOはともかく「CDO」という言葉はあまり聞かれなくなったようですが、それに近い証券化が最近見られ始めているという記事がFT紙に出てました。

CMBSに近い商品として「CREのCDO」というのがあって、CMBSの裏付け資産は基本的に既に賃料を生み出している不動産を担保とした融資なわけですが、CREの場合は「商業用(カネ儲け用)不動産」が担保になっていればなんでもよく、米国でよくあるのは、分譲用の土地、建物の建築資金のほか、CMBSの基となる融資よりも返済順位の低い不動産担保メザニン融資や、他のCMBS証券です。

背景にはCMBSの利回りが急低下していることがあるそうで、CLOと同じく、きちんとした裏付け債権であれば証券化をしても安全なんですよね。もっとも、そうなったときに発行され始める証券が安全とは常には言えないのは、いつの時代でも同じなのでしょうけれど。

子会社の健全性

ドイツ銀行が、米拠点で米銀と同じような自己資本規制に従わなきゃならないのは少し違うのではないかと言っているという話がNYT紙に出てました。どちらの言い分もごもっともで、そもそも、ドイツ銀のような大銀行が秩序のない破綻をするとは考えにくく、どの国に拠点があるというのはさほど重要ではありませんから、個々の規制環境ごとに別の資本を持つというのはあまり合理的ではありません。一方、各国の規制当局から見れば、そうは言ってもテールリスクがあるわけで、前回の金融危機を繰り返さないというか、少なくとも金融危機時の混乱は避けたいわけですから、自分のコントロールできる範囲にしっかりとしたキャピタルが欲しいということなわけです。

これって、与信判断をする上で、親会社・子会社の関係をどう判断するのかと実は似ています。銀行だと、親子すべての口座を管理していたりするものですから、親子一体と見易い一方で、法律的には親子は別法人であり、株主は有限責任しかないわけですから、子会社がしっかりしてなきゃ困るという議論ですね。

別に答があるわけではないのですが。

大阪の仕組債訴訟

今朝の日経に出るまで気付きませんでしたが、最高裁で仕組債訴訟の証券会社側敗訴が確定する決定がなされているみたいですね。時事通信では既に1月30日に同29日付決定の件が報道されてます。もっとも時事の「デリバティブで1億3000万円」というヘッドラインとか、「『仕組み債』と呼ばれるデリバティブ取引」という表現はいかがなものかとは思いますが。

内容からすると、原審はこれみたいで、冷静な第三者(に近い人)が公刊したものに内容が出ていないかどうかも確かめながら中身を確認してみたいとは思っていますが、ざっと見たところ、それなりに証券取引の経験のある法人が投資家だったみたいで、そうであっても、やはり複雑な商品は複雑であるということのようです。