2013年2月7日木曜日

為替のインプライド・ボラティリティが上昇している

日本は基本的に輸出産業の国なので、円高・ドル安が困るわけでして、ヘッジをする人達もそちらに偏りがちです。ところが、以前申し上げたとおり、リスク・リバーサルを見ると今やコールを買いたい人達のほうが多いんですよね。これは、首相交代によって円安期待が高まっている、あるいは、円安になったら困るからヘッジをしようという人達が増えていることを意味すると解釈できます。

ひとつの解釈は、銀行さんがさかんにやっていた「レシオ型シンセティック・フォワード」と呼ぶ取引で、レシオというのは要するにプットを倍とか3倍売らせる取引なのですが、このストライク(ドル買い)レートが実勢よりも有利になってきた、あるいは、有利になる点が近づいてきていることです。これまで、高いドルを毎月20万ドル買わされていた人たちが、ドルを安く買うことができるようになる一方で、買えるドルは10万ドルしかないというように倍率(レシオ)が逆転するので、その埋め合わせのために実質的にコールを買わなくてはならないというわけです。

いずれにせよ、リスク・リバーサルが示唆するところは、円安になるとますますボラティリティがあがるということです。円安になればなるほどヘッジしなきゃと思うひとが増えるからです。そして、ここにきてボラティリティが上がってきました。ボラティリティが上がると、リスクを取る人にとっては面白い取引ができるようになりますが、これからどうなりますかね。

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