一応、理屈の上では、社債の格付けを附与する上で、格付け会社は「買収リスク」を加味することになっています。買収する側に回って財務内容が悪化する(特に、株式交換ではなく借入で株式取得になるとなおさらです)リスクは分かりやすいところですが、財務内容の悪い会社に買収されたり、あるいは、LBOの対象になって財務内容が無理やり悪くされるリスクもあるからです。
特に後者については判断が難しいところです。というのも、財務内容がいい(借入が少なくて利益率が高い)会社ほどLBOの対象になりやすいわけで、格付けがよすぎるから格付けが悪くなる確率も高いなどと言い始めると、信用度の分析は不可能になるからです。そこで利用されるのが財務上の特約なわけで、要するに、買収の対象になりそうな会社については、支配権が移った場合には額面で(あるいは国債+相応の信用スプレッドの利回りで計算された価格で)償還されるというのが望ましいわけです。
デルやハインツといったハウスホールド・ネームが買収の対象になっている(ハインツはバフェットなのでLBOちゃうという説もありますが)ため、一部の投資家が社債投資に慎重になっているという話がロイターに出てますが、社債のリターン特性を考えたら当然ですよね。もっとも、売り手市場のときは、そんなことも言ってられないのでしょうが。
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