2013年2月19日火曜日

輸入企業と為替(なんちゃって)

つらつらと考えていたこと…。

輸入企業で、為替ヘッジをしていない会社、あるいは、為替ヘッジをしていてもそのレートを原価に反映させていない会社の場合、原価はそのときの市場実勢の為替レートの影響を直接受けることになります。一方、一般的に原価には固定費部分と変動費部分とがありますし、また、販管費にも固定費部分と変動費部分とがあります。

全銀協の金融ADRを事例を見ると銀行によるヘッジのさせ過ぎが話題となり、解約清算金の一部を銀行が負担する形で解決しているケースも見られるのですが、そこでは銀行側の検証不足というのがよく出てきます。それを見て、そもそも検証なんてできるのだろうか考えてみたわけです。

というのも、上述のとおり、原価のうち変動費の部分というのは一般論として売上に比例するわけですが、実際に売上に比例するのは原価そのものではなくて仕入れの数量に過ぎないはずです。100円のものが売れたから50円仕入れをするのではなく、100円のものが売れたら同じようなものを1つ補充しようとするわけで、その時点の為替レートがそこで効いてきます。つまり、原価のうち仕入れの部分については売上に比例するのではなく、(この場合であれば)「売上×為替レート」に比例するはずなのです。ところで、実際にはすべての仕入れを輸入に頼っている会社もないわけなので、結構考えが面倒くさくなります。

また、業態にもよりますが、仕入れ値の変化は多少のタイム・ラグを経て価格に転嫁されます。今の例であれば、今期の仕入れ値に影響を与える為替レートが、今度は、来期の販売価格に反映されるわけです。部品製造メーカーなどは一般的にこのような構造を持っていることが想定されますから、要するに、今期の売上の一部は前期の為替レートの影響を受けた価格設定と関連しているのです。

本来であれば、ここまで考えて企業評価もやらなきゃいけないんだろうなぁー、と思いつつ、でも、実際にはきっとみんなせいぜい重回帰分析しかしていない、いや、もしかすると単純な回帰分析しかしていないかも…などと思いました。

もちろん、企業の側ではこのあたりのデータが本来はしっかりしているべきなのですが、一方、世の中には読めない要因もあまりに多いためモデルだけが精緻でも意味がないのも事実ですが。

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