フィッチが面白いレポートを出してまして、信用度の高い住宅ローンを証券化するときには、余計に信用補完を設けようとするそうです。言っていることは矛盾しているようですが、要するに、表面上のデータから判断すると安全性が高そうなローンでも、それを集めてくると特殊な外的要因に対して脆くなる可能性があるので、そのような脆弱さを加味したいと言っているということです。
クレジット投資にも通じるところがあって、たとえば投資適格と呼ばれる債券に投資をしていると安全かというと、実は、投資適格であるがゆえにクッションが少ない(利回りが低い)ことが多く、結果、ちょっとしたデフォルトによって大きな損失を被ることがあります。ところが、「投機的格付」とか「ジャンク」と揶揄される債券は、それがゆえに利回りが高く、クッションが厚いため、それなりのデフォルトに耐えうるわけです。しかも、揶揄されるがゆえにちゃんと分析をする人がいれば、その人はなおさらアウト・パフォームするってことがありますよね。
だからクレジットの世界はやめられないわけですが、なかなか、日本みたいに、アメリカであればジャンクなのに投資適格にされてスプレッドが狭くなり、逆に、日本でジャンク視されるものはもはやまっとうな経済性の分析ができなくなりますから、債券の世界では難しいです。やっぱり、銀行がいちばん楽しいんですよね、この国のクレジット・ビジネスは。
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