2013年5月11日土曜日

担保の有用性

担保はないよりもあるに越したことはない、というのはカネを貸すほうの論理だと思います。信用補完という形で使われる場合にはそのとおりであって、担保がなくても貸すのかもしれないけれど、担保があればなおさらという場合にはまさに「補完」であって、あるに越したことはないわけです。

しかし、担保に依存ということになると若干状況が変わるかもしれません。特に、担保の「市場価値」が重要ということになると、システミック(システマティックではなく)リスクが顕在化したときに負のスパイラルが起きるからです。最近の例では、既に死語になっていますが、SIVの瓦解がそうであって、SIVは「格付けの髙い」証券の「市場価値」を見込んで格付けが附与されていたわけですが、市場価値の低下という信用度と関係のないところから崩れていったわけです。

レポ市場でも同じことがおきつつあるのではと感じさせられるのが、フィッチのこのレポートで、米国の三者間レポ市場(担保の管理を第三者が行う資金取引)で、担保が国債でない取引の水準が高止まりしているそうです。MMFは取引相手の信用度を見て取引しているので担保の質・信用度にはあまり注目していないということで、多分それは正しいのだとは思いますけれど。

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