2013年5月27日月曜日

コベナント・ライト

クレジット市場の専門家の末席を汚す人間としては、投資適格でない、いわゆるレバレッジド・ローンとかハイ・イールド債にこそ分析の妙味が思っているわけでありまして、分析がきちんとできれば、財務上の特約(いわゆる「コベナント」)は二の次ということになります。もっとも、クレジットの世界の人間だからこそブラック・スワン・リスクが怖いのも確かであって、価格が倍になることはなくても元本全部を失うことは容易だというクレジットの世界の本質から、すべてにおいて慎重になるべきですし、コベナンツのようなオプショナリティは持っているに越したことはないわけです。

CLOが金融危機をうまく生き延び、また、投機的格付け企業も意外と不況に強かったということを背景に、投機的格付け企業を対象としたクレジット市場は活況を呈しているようでして、コベナント・ライト型のローンが再度流行しているそうです。上述のとおり、所詮は企業分析が上手くいけばあまり関係のない世界ではあるのですが、こうなるとすぐに「バブルだ」と言いたくなる人も登場しますね。

ま、プロからすると、このような過熱気味なときこそ、銘柄選択の妙味があるとも言えます。よーく考えてみると、株でも同じことが言えるのかもしれませんね。

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