事業証券化というのは、日本の場合、不動産の証券化だと言ってしまうと、「調達したい額>不動産の評価額」となって都合が悪いため、不動産の価値を上回る資金調達が可能になるような理屈として用いる表現です。実態は、ほとんどの場合不動産の証券化であって、アレンジする側の無理と投資家の無邪気さが重なっているものです。
本件がそうだというわけではありませんが、熱海ビーチラインの証券化案件が今日ムーディーズから格下げされていて、しかも、格下げ含みのウォッチ継続なんだそうです。リファイナンスされることが前提で、リファイナンスされない場合のシナリオ云々という当たり、ほとんど不動産と同じですよね、基本的な発想が。それがいいとかいけないとかではなく、そういうものだということを分かった上で投資・分析しましょうねということなんだろうと思います。
実際、LBOなんて、いちおう担保は取ってますが、担保処分で回収がほんとうにできると思っている人がいるかというと必ずしもそうではなく、あくまでも優先度を確保する上での飾りですよね。あれこそ事業の証券化というか事業価値を見ているわけで、結局、日本では本当の事業証券化はなかった(か、あるいはソフトバンク・モバイルの案件はそうだったかも→でもあれもLBO)ということなのでしょう。
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