2013年1月14日月曜日

金融の役割

信販会社の学資ローンが好調だという朝日新聞の記事を見て思ったこと。

1. 返済をアテにしないのであれば、融資するだけというのは意外と簡単なビジネスである(不良債権を出してもよいのであれば、銀行はいくらでも融資できるというのと同じ)

2. 大学側にとってのメリットは、資金繰りの改善と信用リスクのどちらなのかすぐには分からない。仮に、大学の資金繰りにとって入学金というのが重要なのであれば、確かに、信販会社→親・学生→大学、とお金が流れることは大切なのでしょう。実際、受験料も結構な収入源だと聞いたこともありますが、受験させるための場所とか人員の確保にお金がかかっていることを考えると、2月から4月に現金収入がないと困る大学は多いのかもしれません。一方、多くの大学が仕組債やデリバティブなどの「運用」で失敗したらしいという話を聞いていますから、そのような大学(学校法人というほうが正確でしょうか)は資金繰りそのものに問題があるわけではないはずです。資金繰りに問題がなければ、入学金の後納を認めればいいだけのはずです。
 ただし、後納や分割払いを認めると、それを履行できないリスクが大学側に残ってしまいます。信販会社を利用すれば、そのリスクは信販会社が引き取ってくれるわけですから、その点は大学側にとって都合がいいですね。
 実際には、仮に資金繰りに余裕があっても、分割払い等認めると後の事務手間もありますから、債務不履行リスク含めて信販会社に丸投げということなのでしょう。信販会社の個人債務者を相手にした事務処理能力が高いのは間違いありませんし。

0 件のコメント:

コメントを投稿