住宅ローンを証券化するときに厄介なのが、金利リスクです。全期間固定金利の住宅ローンを固定金利で証券化する場合には問題になりませんが、そうでない場合には結構面倒です。また、変動金利の住宅ローンの場合には、適用金利が上昇しても返済金額が5年間据え置かれるのが一般的で、また、返済金額が見直されるときも前回の金額の1.25倍以上にならないという条件が付いていることが多いので、金利上昇局面だと、毎月の返済額が金利分にすら満たないという状況が起きます。元本に追加される(孫利が付く)わけではないので、いわゆるネガティブ・アモチではないのですが、元本が全然減らないという意味では同じことです。
証券化しようとする格付けを取得しなくてはならないので、このあたりは、投資家がどう思うかというよりも、格付け会社をどう説得するかという話になってくるわけですが、結局は、ある程度ありうるシナリオを想定した上で、お金が足りるのかどうかを検証していくしかありません。多くの証券化案件では、劣後部分があって、本来的には信用リスクの議論ではないはずなので純粋性という意味では疑問符が付きますが、この劣後部分がこのリスクも吸収するようになっていることが普通です。
ということを、今日発表されている某地方銀行の住宅ローン証券化案件のリリースを見て思いました。「サービサー受益権」として、特に金利リスクを吸収するためのあるのは凄いなぁー、このオリジネーターさんは金利リスクのヘッジとしては証券化を捉えていないのかなぁー、などといろいろと考えさせられるところではあるのですが…。
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