日本では、債権担保はABCP(まやかしも含めてですが…)の形でそれなりに普及していますが、動産担保は普及していません。結局、融資をする側に度胸がなく、(究極的には政策目標があるためいざとなったら)損をしてもしょうがないと考える一部の政府系金融機関以外は思い切れないというのが背景なのでしょう。
ところで、証券化されて発行される証券のことを一般的にABSと言い、ABSはアセット・バックト・セキュリティーズの略です。日本では金融機関が証券投資と融資とを厳然と区別しているため、信託借入などまやかしの手を駆使しながら、技術はABSなのにローンの形となるものも(非常に)多く見られます。これを、巷ではABLと申します。アセット・バックト・ローンの略ですよね。
ただ、アメリカでABLというと、これはアセット・バックト・ローンではなく、アセット・ベースト・ローンの略とされます。具体的には、企業の運転資金のために、債権だけではなく動産を担保にした融資をするのがABLで、考えてみれば、事業会社のバランス・シートの左側には「売掛金」だけでなく「商品・製品」とかがあったりするわけですから、これらを担保にするのは自然というわけです。
フィッチが米国のABL(本式のです)について、最近12件の倒産において1円も損が出なかったというレポート(http://www.fitchratings.com/creditdesk/press_releases/detail.cfm?pr_id=781254)を出しているのですが、こういうのを見るにつけ、彼我の差を感じます。
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