2013年1月10日木曜日

信託借入と銀行

たまたまニュースを見ていたら、フォルクス・ワーゲンの自動車金融会社が証券化をしていました。ストラクチャー的には、オリジネーターが債権を信託、優先・劣後にした上で優先部分を信託が借り入れることで償還します。この理由は、信託の優先・劣後構造も本当に裁判になったときに尊重されるかどうか分からない(劣後受益者が劣後するという100%の確信は持てない)からと思われ、信託債権者がいれば受益者よりも信託債権者が優先されることが明らかだからでしょう。

ま、ここまではまだ分かります。

さらに、この信託借入に伴う債権が、もういちど信託されます。こんどは優先・劣後化しないのですが、この第二信託はさらに信託借入をして、受益権の一部を償還します。この理由はなにかというと、投資家の中に、受益権を買える人と、なんらかの理由で受益権は買いたくないが信託向け融資だったらしてもいいという人の両方がいるからですね。受益権を買うのは「(有価証券)投資」だけれども、融資は融資だから、部署が別だとか、会計上の扱いを別にしているとかそういう理由なわけです。「アホくさ」と正直思いますが、所詮、ストラクチャード・ファイナンスなんてそんなものなのかもしれません。

ストラクチャー図はR&Iのリリースが一番詳しいのですが、ムーディーズS&Pも格付けは付与しています。ま、当然トリプルAですが…。

サブ・サービサーという名称で、ジャックスとセディナが入っていて、「サブ・サービサーって(この場合は)なにやるんだろう?」などとも思いましたが、これも、R&Iの絵を見れば分かります。

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