2013年1月12日土曜日

デリバティブと「固定化」

たいていの場合、金利スワップに代表されるスワップ取引がなぜ成立するかについて、書物を繙けば、(一方当事者から見た将来の)受け取りと支払いの(現在)価値が等しいからと説明されます。一方、公刊されている裁判例に現れる事例を当時の市場実勢と比較してみると、とてもではありませんがこれは正しくない、つまり、ユーザーの側から見ると「受取側の現在価値」<<<「支払側の現在価値」となっています。

公刊されている裁判例では、たいていの場合、金融機関側は、ユーザーは相場を張っているわけではなく、一定の水準で(ドル買いの為替レート、金利といった本来であれば変動・不確実なものを)固定できていること自体がメリットなのであるという主張をなさるようです。固定できていることが重要なのだから、その水準は無関係なのだということですよね。

一方で、金融機関の方が著してらっしゃる書物には、両者の価値が等しいから交換ができると書いてあるわけで、両者を少なくとも比較できることは重要な要素ということになりますね。

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