2013年1月26日土曜日

なぜボラティリティが上がるとオプション価格が上がるのか

ボラティリティとオプション価格との関係は、分かってしまえばなんでもないのですが、悩む人にとっては相当悩みのタネとなります。そこで、こんなものを考えてみました。

現在、100円の資産があるとします。面倒なので、金利はゼロとし、この資産を保有していることにより得られるインカム・ゲイン(利息や配当金)もゼロ、保管コストもゼロだとします。

仮に、この資産を1年間保有していた場合、1年後の価格は50%ずつの確率で、105円になるか95円になるかのどちらかだとしましょう。この資産の価格が100円なのは、1年後に期待(=予想)される価格の平均が100円であるから、特に驚くべきことではありません。

では、この資産を1年後に100円で買う「権利」の価格はいくらになるでしょうか? 答は簡単で2円50銭です。

この資産の価格が105円になったとすると、100円で買う権利を行使することによる利益(つまり、オプションの価格を無視した利益)は5円です。一方、この資産の価格が95円になったとすると、100円で買う権利は放棄されますから、利益(同上)はゼロ円です。ところで、105円になる確率は50%、95円になる確率は50%ですから、そうすると、利益の期待値(100円で買う権利を持っていることによって平均的に得られる利益の額)は、5円×50%+0円×50%=2円50銭です。だから、この権利の価格は2円50銭なのです。

ちなみに、この権利(コール・オプションですね)の価格が50%であることは、ヘッジという観点からも示すことができます。計算は省略しますが、このコール・オプションを買うことのヘッジは、この資産を0.5単位空売りすることです。仮に価格が100円から105円になったとすると、0.5単位の空売りからは2円50銭(=5円の価格変動/単位×0.5単位) の損失が発生します。ところが、オプションを2円50銭で買い、権利行使により5円の利益が上がっていますから、差し引き2円50銭の利益が出ていて、プラマイゼロになっています。

また、仮にこの資産の価格が100円から95円になったとすると、空売りのほうからは利益が2円50銭出ます。ところが、2円50銭で購入したオプションが無価値になっている(行使できないから)ため、そちらの損失も2円50銭です。結果、やはりプラマイゼロになっているわけです。

当初の条件から、この資産の価格は105円か95円にしかならないのですから、どちらの場合も確実にヘッジができています。逆に言えば、オプションの価格は2円50銭で正しいのです。

では、同じように現在、100円の資産があるとし、金利、インカム・ゲイン、保管コストはゼロだとします。さらに、この資産を1年間保有していた場合、1年後の価格は50%ずつの確率で、110円になるか90円になるかのどちらかだとしましょう。

この場合、この資産の価格はやはり100円ですが、この資産を1年後に100円で買う「権利」の価格は5円になります。110円になったときの利益は10円で確率は50%、90円になったときの損失はゼロで確率は50%ですから。

ボラティリティが高いということは、平均は同じでもブレが大きいという意味で、今の例であれば、同じように平均値が100であっても、片や105円か95円、片や110円か90円というとき、後者のほうがボラティリティは高いのですが、これによってオプション価格が高くなることはこのような簡単な計算で示せるわけです。もっとも、これを簡単だと思えること自体、どれだけ説明を尽くしても無理という投資家層がいることは間違いないわけでして…。

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