2013年3月17日日曜日

キプロスと日本国債

キプロスが財政支援を受ける条件のひとつとして預金者から預金額の一部を税金として徴収するというので、ま、当然のことながら大騒ぎになっています。税金というから問題なのであって、要するに、このままだと銀行が(セクター全体として)破綻します→破綻を防ぐためには(まず)見た目の負債を減らす必要があります→預金は銀行の負債なので手っ取り早く、しかも薄く広く、預金を減らします、ということなわけですが、一般論として、銀行預金は個人の財産形成の第一歩なのと、企業間の決済に用いられるため、ここで利用者負担を強いるというのは結構おおごとなわけです。

いろいろな国のいろいろな報道機関が「こんごどうなる?」についていろいろな解説をしているのは当然で、大きく分けると、これでタブーがなくなったのだから他の国でも銀行預金はもはや聖域ではないという意見と、キプロスはちっちゃいし遠いので特別だという意見とに分かれているようです。IMF等がこのようなドラスティックな手法に踏み切れたのは後者が理由なのでしょうけれど。

で、日本の国債の話とどう結びつくのかと言うと、実はキプロスの話と理屈は同じで、キプロスは海外からの支援と引き換えに国民負担だったわけですが、日本では国債デフォルトの代わりに国民負担というシナリオは一応ありうるわけです。さすがにキプロスの場合1対1ではないようなので、たとえば10億ユーロの支援と引き換えに10億ユーロの国民負担というわけではない(財政なので乗数効果等があり、そこまで単純ではない)のですが、仮にJGBがデフォルトするとすると、結局それは税金と同じなので、であれば、増税すればいいじゃんということになり、その結果、デフォルトはしないという理屈になるように思っているわけです。

それにしても、少し円が買われたのは当然だと思いますが、週明け、どうなりますかね、為替相場や株式市場は。ユーロ/円とS&P500が相関しているという説もあるので、そうなるとあまり期待できないかもという感じでしょうか。


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