格付け会社が、格付けを附与しなかった案件についての論評を出すことが多くなっていて、楽しい読みものになっています。先週は、単一のショッピング・モールを裏付けとする案件で、S&P、クロール(!)、モーニングスター(!!!)の3つの格付け会社がトリプルAを附与している案件について、ムーディーズが「ちょっと違うんじゃないの」っていう意見を公表していましたが、今週月曜日には、フィッチ、クロール(!)、DBRSの3社がトリプルAをつけているノン・エージェンシー(ジニーメイもファニーメイもフレディマックも関与していない)RMBSについて、やはリムーディーズが「我々ならトリプルAは付けない」という内容の意見を公表しています。CMBSの例とは異なり、 トリプルAを附与しない理由は裏付け資産の質とは直接関係しておらず、オリジネーターの買い戻し義務の範囲が狭く、表明・保証違反を問えない可能性が高いため、投資家とオリジネーターの利害一致性が充分ではないというのが理由です。
日本の証券化業界では、1999年、フィッチとムーディーズが三和銀行、東京相和銀行の案件にそれぞれ格付けを附与、それに対して、S81Pが格付けを附与しない一方で「どうやったら日本のRMBSに格付けが付くのか」という趣旨のレポートを出して業界の中では話題になったものです。昔過ぎて、ちょっと恥ずかしいですが…。
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